趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲を歌った戦後の大スター・笠置シヅ子さん(1914~85年)が主人公・花田鈴子(福来スズ子)のモデルとなる。ここでは、“ブギの女王”と呼ばれた笠置さんがたどった波瀾(はらん)万丈の人生を紹介したい。
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笠置さんの本名は亀井静子。1914(大正3)年8月25日に香川県大川郡相生村(現・東かがわ市)で生まれ、生後間もなく大阪市福島区で米屋を営む亀井家の養女となる。笠置さんは、自身が養女であることを知らずに育ち、自身の出生について知ったのは18歳の時だったという。
1927(昭和2)年に小学校を卒業すると、OSK日本歌劇団の前身である大阪松竹楽劇部に入り、「三笠静子」の芸名で初舞台を踏む。1934(昭和9)年にレコードデビューを果たし、1935(昭和10)年に「笠置シズ子」に改名した。
1938(昭和13)年には上京し、松竹楽劇団の旗揚げに参加。この頃から、作曲家の服部良一さんと組んでジャズ歌手として売り出すが、戦時中ということもあり、当局の指導により、たびたび公演中止を余儀なくされる状況が続いた。
1945(昭和20)年、第二次世界大戦が終結。日本中が重苦しい空気に包まれる中、1947(昭和22)年に、服部さんが作曲した「東京ブギウギ」を笠置さんが歌い、爆発的なヒットを記録。戦後の日本に、パワフルな歌声で元気と活力を与えた。
また、同年には9歳年下の婚約者・吉本穎右(えいすけ)が亡くなり、その数日後に女児を出産。シングルマザーとして、育児と芸能活動に奮闘することになる。
その後も、服部さん作曲の「ヘイヘイブギ」「ジャングル・ブギ」「ホームランブギ」「買い物ブギー」などを歌い、ヒットを連発。“ブギの女王”と呼ばれるように。
しかし、1956(昭和31)年に発売した「たよりにしてまっせ」を最後に歌手業を引退。その後は、芸名を「笠置シヅ子」と改めて、晩年まで女優として映画やテレビドラマなどで活躍する。
そして1985(昭和60)年3月30日、がんと闘病の末に70歳で死去した。
前作の朝ドラ「らんまん」では、「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎さんをモデルにした主人公・槙野万太郎(神木隆之介さん)の人生が老境まで描かれたが、「ブギウギ」のヒロイン・鈴子はどのような人生を送るのだろうか。最後まで目が離せない。
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