NHK高瀬耕造アナ:朝ドラ「ブギウギ」で語り担当 ニュースとナレーションは「似て非なるもの」 第一声に悩み「“朝ドラ送り”込みで練習」

連続テレビ小説「ブギウギ」の語りを務める同局の高瀬耕造アナウンサー(C)NHK
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連続テレビ小説「ブギウギ」の語りを務める同局の高瀬耕造アナウンサー(C)NHK

 趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)で、語りを務める同局の高瀬耕造アナウンサー。朝のニュース番組「NHKニュースおはよう日本」に出演していた際、2017年度前期の「ひよっこ」から番組を離れる2022年まで5年の間、「朝ドラ送り」でおなじみだった。高瀬アナが語りを務める心境や、工夫している点などについて語った。

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 ◇「スカーレット」で語りを担当した中條誠子アナに相談

 高瀬アナは、語りを担当することが決まった時の心境を振り返り、「正直に申し上げると、これはまずいことになったなと(笑い)。これまで朝ドラの前番組のエンディングでコメントする朝ドラ送りを5年間続けてきて、毎朝楽しみにしている視聴者の皆さんと一緒にスタートを迎えたいという一心で勝手に応援していただけだったのですが、今回語りを担当することになり、ファンとして“越えてはならない一線”を越えてしまうのでは? と思いました」と明かした。

 「ニュース番組で情報を伝えるという仕事を長くしてきた人間にとって、朝ドラのナレーションは似て非なるものです。ドラマに感情や時代の空気をのせて語るというのは、アプローチとしては全く違いますし、実際、声の使い方や発声方法も違います。アナウンサーとしては未知の分野で新たなチャレンジだと感じました」とも語った。

 「自分の中に声の引き出しとなるものがなかった」という高瀬アナは、2019年度後期の朝ドラ「スカーレット」で語りを担当した先輩、中條誠子アナウンサーに相談。すると、「朝ドラ送りで視聴者の皆さんに広く認知されているのだから、存在感を消して影になる語りではなく、高瀬さんらしい語りで“息遣い”を大切に」と助言をもらったという。

 また、ドラマの制作チームと顔合わせをした際、ディレクターからもらった「出演者たちがうれしい場面では一緒に喜んでください。悲しい場面では一緒に泣かないで一歩引いて見守ってください」という言葉が強く印象に残っているといい、「その時に、これまで朝ドラ送りでやってきた、視聴者の皆さんと一緒に楽しんできたスタンスとそう遠くないんだ、とようやく自分らしいアプローチが見えた瞬間でした」と振り返った。

 ◇部屋にこもってひたすら練習「録音した数は2000ファイル超え」

 語りで苦労した点について、高瀬アナは「どれも難しいですが、やはり第1週第1回の冒頭の第一声ですね。『今から75年前、昭和23年の東京です』と私の語りからスタートしますが、物語の空気やカラーを見誤ってしまうと、最初から違和感を与えてしまうのではないかと危惧していました」と吐露。

 「台本をいただいてからは部屋にこもって、声を出して自分で録音をして確認するという作業を延々と繰り返しました。録音した数は2000ファイルを超えています。練習をしすぎてどれが正解かわからなくなってきたので、朝ドラ送り込みで練習しました。『さあ、この後はいよいよ朝ドラ「ブギウギ」のスタートです。どんな始まりなのでしょうか?』という朝ドラ送りから始めて、『今から75年前……』とナレーションを続けるのが、一番自分の中でうまくできるリズムなんです」と明かした。

 最後に、視聴者に向けて「私が語りでいいのかどうか今も一抹の不安がありますが、新たな朝ドラに向けて自分も新しいチャレンジをさせてもらっています。これまで多くの朝ドラ送りをしてきて、朝ドラを見てきた経験から言わせてもらえば、自信を持っておすすめできる作品です。1日の始まりに、ぜひ見ていただきたいです」とメッセージを送った。

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