名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」。ファン待望のシーズン2が10月にスタートし、ハイクオリティーな映像、声優陣の熱演が話題になっている。スパイの<黄昏(たそがれ)>(ロイド・フォージャー)の協力者で情報屋のフランキー・フランクリンを演じているのが、声優の吉野裕行さんだ。吉野さんは、ロイドにこき使われ、アーニャには「モジャモジャ」呼ばわりされるなどコミカルなキャラクターのフランキーを好演。演技のこだわりや「SPY×FAMILY」の魅力を聞いた。
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「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠してフォージャー家として生活することになる。コミックスのシリーズ累計発行部数は3100万部以上。アニメは、江口拓也さんがスパイの父・ロイド、種崎敦美さんが超能力者の娘・アーニャ、早見沙織さんが殺し屋の母・ヨルを演じ、ナレーションを担当する松田健一郎さんがシーズン1の中盤からフォージャー家に加わった犬のボンドを演じる。
吉野さんは「SPY×FAMILY」の「原作の設定」に魅力を感じているという。
「ちょっとチートなキャラクターたちをうまく配置して、家族として扱っているところ。かつ、そのことが全部隠されていて、フォージャー家の3人と1匹がお互いに秘密を知らない状態ということ。アーニャは分かっていますけどね。そこがうまいなと思います。あとは、リアルに掘り下げすぎていないところもいいのではないかと。スパイであったり、暗殺者であったり、もっと殺伐としたものにできるところをしていないですよね。そこを深く突っ込まないでやっているからこそ、コメディーとシリアスのバランスがすごくよくなっていると感じます」
吉野さんが演じるフランキーは、ロイドのスパイ<黄昏>としての姿を知る情報屋。任務をサポートする発明品を制作したり、アーニャの子守をしたり、ボンドの散歩をしたりと、<黄昏>にこき使われている。
「バラエティー寄りの動きをすることが多いキャラクターとして捉えています。原作では、過去の部分にも触れられていましたけど、現状アニメではそこまで描かれていないので、その部分を匂わせる必要はないですし。そこも『SPY×FAMILY』のうまいところですよね。東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)で過去に戦争があったとか、国の状態とか、シリアスな過去をクローズアップしすぎるとやりづらいところも出てくると思いますが、そうしないで、設定の“側(がわ)”の部分をうまい具合に面白く使っている。僕自身も、フランキーのバックボーンを意識して演じることはないです。だって、バラエティー班ですし(笑い)。もちろんバックボーンを意識する必要がないわけではないけど、今はそれをやる必要がない。今後、必要になるシーンが出てきたら……というところでしょうか」
吉野さんは、フランキーを演じる際、アドリブを入れることも少なくないという。シーズン1の第5話で、アーニャがイーデン校に合格したことを祝って、城で大規模な“ボンドマンごっこ”が繰り広げられたシーンでは、悪の親玉・モジャモジャ伯爵に扮(ふん)したフランキーが登場。フランキーが高笑いする場面は、アドリブで「モジャジャジャ……!」という言い回しにしたのだという。
「正直、自分ではアドリブというつもりもないんですよね。あのエピソードは、原作では数ページのところをアニメのオリジナル要素を加えて長めに扱っていたので、台本のせりふも動きもアニメオリジナルで作られていました。そこに合わせてせりふを言っているので、自分で作ったという感じでもない。ただ、台本に一言『モジャ』と書いてあったせりふを、1回言うだけではなくて、繰り返した方が面白いよねと。特に子供と一緒にごっこ遊びしているようなシーンですから、それはもうノリノリにやってあげる方がいい。だから、フランキーが笑うシーンで『モジャジャジャジャジャ……!』と笑うとか。そういうのも、僕たちが子供の時に見ていたアニメの“記号”ですよね。語尾に『モジャ』みたいなものを付けるのが、悪い人たちの特徴というか。そういうのをやったほうが分かりやすいよねと」
また、シーズン2の初回となった第26話でも「モジャ」を使ったアドリブを入れたという。アーニャと一緒にロイドとヨルのデートを尾行していたフランキーが「モジャジャジャーダッセー」とロイドをバカにするシーンが描かれたが、元々の台本では「ダッセー」のみだった。
「基本的にはより多く『モジャ』を入れたいなと。第26話は、音響監督のはた(しょう二)さんが、以前のエピソードでも『モジャモジャ』と言っていたから、ここも『モジャモジャ』で、と言われたような気がします。アドリブは、必然的に生まれているものであって、意味のないものを入れる場ではないので。それはシーズン1に引き続き、シーズン2でも生きているという感じでしょうか」
「その状況に合わせたお芝居をするだけ」と吉野さんは語るが、そうした声優陣のアドリブが「SPY×FAMILY」のアニメならではの魅力の一つとなっているのだろう。
10月28日に放送される第29話では、フランキーがヨルと共に猫探しに奔走することになるなど、フランキーの活躍が描かれる。
「原作もそうですけど、フランキーが最終的には何もできずに終わるという(笑い)。見どころは、皆さんにマンガとアニメの違いがどう見えるかでしょうか。マンガは、やはり点をつないだ作品というか。点以外の部分は、皆さんが脳内で補っている。マンガを読んでいて、一つ一つのせりふがどう聞こえているかは人それぞれ違うわけですが、アニメはそれが“線”になっています。では、アニメでは、どうしてこれぐらいのテンション感でやっているのかな?と想像してもらうのも面白いというか。僕自身、その辺の調整、案配は気を使っているので、皆さんにはどう見えるかな?と気になります」
第29話では、フランキーが猫を探すためにさまざまな取引先に電話をするシーンも描かれ、「当然、フランキーにはロイド以外にも取引先があるんだ!というのが分かると思います(笑い)。『当たり前だ、お前だけじゃないんだぞ!』と。フランキーは組織に所属せずに個人でやっているのでしょうから、ある程度は仕事ができるほうなんじゃないですかね」と語る。その上で、取引先との会話のシーンでは、細やかな演じ分けをしているという。
「関係性によって変わってくるテンション感、言い方ですよね。『この人ってちょっと面倒臭い人だから、こういう言い方しなきゃ』『こいつにはもっと上から言わなきゃダメだ』『こいつは軽くていいな、友達感覚だな』というふうに変えなければいけない。恐らくマンガを読んでいる人たちも、文字情報から自分の脳内である程度演出しているはずなんですよ。アニメでは、動く画(え)もありますし、監督たちの指示もありますから、それに合わせてやりつつ、自由にできるところは、自分でアプローチしていますね」
吉野さんは、フランキーを「良いキャラクター」と魅力を語る。
「『SPY×FAMILY』は、コメディー要素もありますが、アーニャやダミアンたちの子供のコメディーではないところで動けるのが、この人なんじゃないですかね。ヨルとロイドとの絡みでも『実はロイドはスパイ』というところを踏まえて絡むようなこともできる。ただ、あまり制約がないから、何をやらせても問題ないんじゃないですか?という気はしますよね」
ただ、さまざまなグッズ展開、コラボ展開で「SPY×FAMILY」の人気は実感するものの「フランキーの人気は別に実感していないです(笑い)」と語る。
「どこに行ってもグッズを見ますし、いろいろなところとコラボしている中で、『モジャモジャ、全然いねえんだぞ!』とは思いますが(笑い)、とにかくすごい人気だなと思います。いつかはその人気に便乗できたらいいなと」
シーズン2について「シーズン1同様に、テンポが良くて面白い作品になっているので、ぜひ楽しんでいただければと思います。フランキーも頑張っていますよ」と語る吉野さん。声優陣のアドリブ、演出といったアニメならではの魅力を楽しめるはずだ。
※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」
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