アニメ「ガンダム」シリーズのプラモデル(ガンプラ)の作り手世界一を決めるコンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ(ガンプラW杯/GBWC)」の第11回「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」。日本大会が11月18日、ガンダムベース東京(東京都江東区)で開催され、14歳以下のU-14コースで、小島柚紀さんの「カミーユ 宇宙へ…」が優勝し、日本代表に選ばれたことが話題になっている。ガンプラ歴約1年という12歳の少女・小島さんが、世界大会への切符を勝ち取った。GBWCで“女王”が誕生するのは初めてではない。これまでの“ガンプラ女王”や小島さんの力作について解説する。
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GBWCは、ガンプラの工作や塗装技術、アイデアなどを競う国際大会で、2011年に始まった。15歳以上が対象のオープンコース、14歳以下が対象のジュニアコースがあり、2022年以降は、14歳以下のU-14コース、15歳以上、20歳以下のU-20コース、21歳以上のOVER-21コースの3コースになった。
14歳以下が対象のジュニアコースで、2011~15年に5年連続で日本大会で優勝したのが畑めいさんだ。2016年は代表入りを逃し、最後のジュニアコースとなった2017年に、初めて世界王者となった。
2019年は、シンガポール代表で12歳の少女ムン・ヤン・ティン・シャーメーンさんが世界一に輝いた。女性が優勝するのは、畑さん以来、史上2人目だった。
今年の日本大会のU-14コースで優勝した小島さんの「カミーユ 宇宙へ…」は、テレビアニメ「機動戦士Zガンダム」の第20話「灼熱の脱出」をイメージし、サイコガンダム、ガンダムMk-IIなどで制作した。制作期間は約3カ月。
審査員は評価のポイントを「第20話のシーンをそのままの構図で再現したわけではなく、カミーユとフォウの心のつながりを表現しようとしている。そこに心を打たれました。HGのサイコガンダム、RGのガンダムMk-IIを組み合わせることで、大きさのメリハリなどが生まれている。サイコガンダムにダメージ表現を入れることで、全体の密度感が統一されている」と説明した。
小島さんは、第20話の印象的だったシーンを表現しようとしたが「普通にシーンを再現するのは面白くない」という思いがあったという。審査員のコメントから、技術に加え、独自の視点が評価されたことが分かる。
ちなみに「機動戦士Zガンダム」のテレビアニメが放送されたのは1985~86年で、小島さんが生まれる前ではあるが「ファースト(機動戦士ガンダム)を見て、その後に『Z』を見た」という。
今年のGBWCは、日本のほか、中国内地、韓国、台湾、香港特別行政区、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、ベトナム、米国、カナダ、ヨーロッパ&中東、英国の16の国と地域で開催。各エリア、地域大会を順次開催し、代表を選出する。各代表が12月16日に開催される世界大会決勝戦で激突する。
14歳以下の作品は年々、レベルアップしているようにも見えるが、3人目の“女王”は誕生するのか? 世界大会の行方が注目される。
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