名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「葬送のフリーレン」。第13話で、フリーレン、フェルン、シュタルクの パーティーに新たな仲間として僧侶のザインが加わったことが話題になっている。ザインを演じる声優の中村悠一さんに、同作について聞いた。
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この作品は日常的なテンションで物語が進んでいきます。大体のキャラクターが、例えば激高したりとか、そういったことも少ない。シュタルクはにぎやかな面はありますが、フリーレンとフェルン、ほかのキャラクターも熱量が抑えめで、そこに途中から入るにあたり、フリーレンたち3人とのキャラ感のバランスを考えました。ザインは3人に比べてコメディー的な要素のあるキャラクターなので、そのあたりの圧を強めにした方が面白いかな……と考えていました。また、フェルンとシュタルクはもちろん、フリーレンも千年以上生きていても見た目が少女のようで、その中ではザインは大人な人物。余裕があるというより、達観とかある種の諦めからくる“枯れ”のようなものも感じられたら……と思って収録に臨みました。
そうですね。そこまでに重ねてきたお三方のお芝居があるので、それを聞きながら演じたところはありました。ただ先ほど話したとおりザインは3人より達観しているところがあるので、3人の空気に乗っかり過ぎないというか、調整幅をそこまで広くはしませんでした。これまで現場で作られてきた温度感やテンポ、空気感に合わせること。技術的な面で言うと、この作品においての声の距離感を大切にしました。1メートル先にいる人物との距離の測り方、どれくらいが「葬送のフリーレン」においての1メートルの声のかけ方なのか、というのもメインの出演者の皆さんの演技で決まってくるので。」
ファンタジーだし、非現実であって日常ではないんですけど、エルフであるフリーレンと人間が旅をする中で生じるズレのようなものを彼女がどう受けとめていくのか、その先になにがあるのか、そこでの心の機微や、人々との何気ないやりとり、その“日常”をこの世界なりに描いている。戦闘シーンも、彼らの旅や行動としては外せないんですけど、描くものとして重きを置いていない気がします。お話の上で必要なんだけど、戦いの中での重要な会話だったり、頭の中でいろいろと考えていることを見せる、そういったことを大事にしているのかなと。そこが面白い作品なんだと思います。
旅をする中で、3人や、フェルンとシュタルクのやりとりを見て、それがほほえましくあったり、一方で自分にはもうまぶしすぎて、一抹の寂しさも感じたりしながら見守っているところがありますよね。現場でも、一応僕が一番先輩にはなるんですけど(笑い)、お三方それぞれが役や作品に対してどう考えてアプローチしているのかなとか、3人だけのシーンを後ろで見ていることは楽しかったですし、ポジションとしては確かに近しいところはあるかもしれません。
そうですね……気づけばそういうふうになっていたというか……。求められているかは分かりませんが、アドバイスをすることも増えましたし…。昔だったら、周りから「こういうことがあったんだよ」っていう話を聞いてそれにリアクションしたり、「そうなんだ、俺だったらこう思うよ」って返しても、相手としては別に僕に相談ではなく話をすること自体が大事で。でも今は「聞いてほしいことがあるんですけど」って相談や悩みを打ち明けられていて、こちらからの返しの受け取られ方も違うのかな、と。それって、いつの間にかそういうふうに変化していたと思います。むかし想像していた今の年齢になった自分と、今実際の自分から感じるものは違いますし、自分自身が年齢や経験を重ねて、周りにどう見えているのかは分からないな、と思います。
このキャラクターはある意味で完成されたような状態で登場したんですけど、フリーレンたちの旅に同行するようになって、3人と一緒に過ごす中、フリーレン、そして若いフェルンとシュタルク、旅先で出会う人たちや見たものから影響を受けて、彼自身の中にあった目的に対して、もう一度一歩踏み出そうとする。ちゃんとザイン自身にも成長があって、その成長の先にどういった歩みを進めていくのか、その点に注目してほしいと思います。
「葬送のフリーレン」は、山田鐘人さん原作、アベツカサさん作画のマンガで、「週刊少年サンデー」(小学館)で2020年4月に連載をスタートした。魔王を倒した勇者一行の魔法使いで、エルフゆえに長寿であるフリーレンが仲間の死を経験し、“人を知るため”に旅をすることになる。アニメは、「ぼっち・ざ・ろっく!」などの斎藤圭一郎さんが監督を務め、マッドハウスが制作する。日本テレビのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送中。
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