小市民シリーズ：米澤穂信の人気小説がテレビアニメ化　NUMAnimationで7月スタート　声優に梅田修一朗、羊宮妃那

　テレビアニメ化された小説「氷菓」などで知られる米澤穂信さんの「小市民シリーズ」がテレビアニメ化され、テレビ朝日の深夜アニメ枠「NUMAnimation（ヌマニメーション）」ほかで7月から放送されることが分かった。同シリーズの「春期限定いちごタルト事件」「夏期限定トロピカルパフェ事件」（ともに創元推理文庫）がテレビアニメ化される。メインキャストも発表され、声優の梅田修一朗さんが小鳩常悟朗（こばと・じょうごろう）、羊宮妃那さんが小佐内ゆきをそれぞれ演じることが分かった。

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　「小市民シリーズ」は、シリーズ累計75万部を突破する人気ミステリー小説。かつて“知恵働き”と称する推理活動で苦い経験をした小鳩は、同じ志を立てた同級生の小佐内と、互いに助け合う互恵関係をひそかに結び、小市民として平穏な日々を送るつもりでいたが、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる……というストーリー。

　アニメは、「約束のネバーランド」などの神戸守さんが監督を務め、「宝石の国」などの大野敏哉さんがシリーズ構成、「ラブライブ！スーパースター！！」などの斎藤敦史さんがキャラクターデザイン、「約束のネバーランド」などの小畑貴裕さんが音楽を担当する。「さらざんまい」などのラパントラックが制作する。

　原作の米澤さんは「まさか、動いてしゃべる小鳩や小佐内たちを見る日が来ようとは、全く思いもかけないことでした。『日常の謎』から少しずつはみ出していく彼らの物語に、いま、別の形が与えられたことをうれしく思います。絵が、声が、音楽が、アニメーション作品のあらゆる要素が、きっと本シリーズに新しい魅力を与えてくれることでしょう。その瞬間を、私自身楽しみにしています」とコメントを寄せている。

　小鳩常悟朗役の梅田さんは「オーディションをきっかけに原作小説を読み始めたのですが、小鳩の彼らしさがあふれる軽妙な語りに乗せられていくように、楽しくあっという間に読み終えてしまいました。アニメで小佐内さんとの関係性が、空気感が、どのように描かれるのか……！　とても楽しみです。あとはもちろん、小鳩のあの決めぜりふも聞きたいですよね！　原作をずっと読んでこられた方も、アニメから『小市民シリーズ』に触れる方も、楽しんでもらえるように、精いっぱい演じさせていただきます。いつかつかむんだ、小市民の星を。どうぞよろしくお願いいたします」と意気込みを語っている。

　小佐内ゆき役の羊宮さんは「小佐内さんは原作を読めば読むほど、どう演じようかなと悩んでしまうくらい、奥深い魅力がいっぱいある女の子です。小説だからこそのト書きに表された一挙手一投足を大切にくみ取れたらと思いますし、アフレコ現場では小佐内さんのまだ知らなかった一面にも向き合わせていただきたいです。小説でつづられた世界から、アニメではどのような景色が広がっていくのかわくわくしております。ぜひ皆さんも楽しみにお待ちいただけますと幸いです」と話している。

　神戸監督は「この小説には少し変わった登場人物がいます。小市民を目指す小鳩くんと小佐内さん。小市民という言葉はどちらかというと人を揶揄（やゆ）するような言葉だと思うのですが、目立つことなく平穏に過ごそうと小市民を目指しています。また二人の間では互恵関係が結ばれていて友人でも恋人でもない不思議な関係にあります。そんな二人が面白いのです」とコメント。

　シリーズ構成を担当する大野さんは「素晴らしい原作に出会えてうれしく思っています。スイーツがたくさん出てくる甘い雰囲気の作品ですが、内容はなかなか苦めです。最大のミステリーは人の心とも言いますが、今回においては小佐内さんの心の中かもしれません。神戸監督はじめ信頼し合えるチームに恵まれ、意義ある脚本作業ができたと思います」と話している。

　音楽を担当する小畑さんは「今回、テレビアニメ『小市民シリーズ』の音楽を担当させていただき、光栄に感じています。担当が決まって原作も読ませていただき、とても面白くて『小市民シリーズ』のファンになりましたし、僕自身もアニメの公開を今から大変楽しみにしています！　楽曲的には、民族的な要素を取り入れつつ、さまざまな工夫をしていますので、音楽も楽しんでいただけますと幸いです」と呼びかけた。

　◇スタッフ（敬称略）

　監督：神戸守▽シリーズ構成：大野敏哉▽キャラクターデザイン：斎藤敦史▽音楽：小畑貴裕▽アニメーション制作：ラパントラック

　◇キャスト（敬称略）

　小鳩常悟朗：梅田修一朗▽小佐内ゆき：羊宮妃那