杉咲花:4月期“月10”ドラマで異色の“記憶障害の脳外科医”に 「アンメット ある脳外科医の日記」でフジ系初主演&医師役初挑戦

4月期“月10”ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」で主演する杉咲花さん=カンテレ提供
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4月期“月10”ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」で主演する杉咲花さん=カンテレ提供

 俳優の杉咲花さんが、4月スタートのカンテレ・フジテレビ系“月10”(月曜午後10時)ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」で主演することが2月19日、明らかになった。“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマとなる。杉咲さんはフジテレビ系連続ドラマに初主演で、自身初の医師役に挑戦する。

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 「モーニング」(講談社)で2020年から連載中のマンガ「アンメット-ある脳外科医の日記-」が原作。元脳外科医の子鹿ゆずるさんが原作、大槻閑人さんがマンガを手がけており、作中に登場するさまざまな症例や医師らの生き様にリアリティーがあると医療従事者のみならず、各方面で評判を呼んでいる。今回のドラマ化では、原作の魅力を生かし、複雑な脳神経外科の世界と、そこに生きる人々の姿を描いていく。

 杉咲さんが演じるのは、ある事故で脳を損傷し、重い後遺症を抱える脳外科医の川内ミヤビ。過去2年間の記憶がなく、さらに今日のことも明日にはすべて忘れてしまうため、医師であることをあきらめかけていたが、ある日、ミヤビの前に変わり者の脳外科医・三瓶友治(さんぺい・ともはる)が現れる。空気を読まず、強引でマイペースな三瓶の言動で、ミヤビは医師としても患者としても助けられ、導かれていく。やがて、ミヤビの“消えた2年間の記憶”の中に隠された謎が明らかになる……。

 超高齢化社会に向かう日本の脳血管疾患の患者数は約174万人といわれる。“脳”ではなく“人生”を診(み)るともいえる脳外科医が、さまざまな患者と共生し、自身も記憶障害を持つ苦悩と葛藤の中から、再び“医師”という仕事と向き合い、希望を見いだしていく人間ドラマとなる。ミヤビの「生きることへの意思」が見る人を勇気づけるのはもちろん、個性豊かな同僚たちや、毎回、登場する患者ら一人一人の登場人物とミヤビとの関わりが、ハートフルに時にスリリングに描かれていくのが見どころだ。また、ミヤビの“消えた2年間”に周囲で何が起こっていたのか、失われた記憶にまつわるミステリーも見どころとなる。

 ミヤビ以外のキャストは今後発表される。主演の杉咲さんら関係者のコメントは以下の通り。

 ◇主演・杉咲花さん

 頑張れなくてよくて、立ち止まってよくて、変われなくていい。あなたがあなたという人間と付き合っていくことをあきらめなければ、それは美しい姿なのだという本作の根っこにあるメッセージに、心を撫(な)でられるようでした。この物語を大切にお届けしたいです。

 ◇原作・子鹿ゆずるさん

 言葉、記憶、技術……これらは脳の別々の部位が担当していることが解明されています。しかし「心」は何処(どこ)にあるのか、その正体さえも曖昧なままです。原作では、私自身の経験を踏まえ脳障害の後遺症を正確に描くとともに、それと戦う人たちの心に焦点を当てました。ドラマ化にあたり、制作スタッフの皆様ならびに杉咲花さんはじめ実力派俳優の方々により、原作を超越した見事なドラマに仕上げていただけそうで大変感謝しています。

 本ドラマが、一般視聴者の方々のみならず、当事者・ご家族の皆様、医療福祉関係者の皆様への応援になれば幸いです。

 ◇マンガ・大槻閑人さん

 このたびのテレビドラマ化、誠にありがとうございます!  実は「アンメット」という作品、企画段階から「ドラマ化するといいなあ」と思い、その願いを込めながら自分なりに工夫してきました。僕自身は医療者ではないので分からないことも多く、子鹿さんをはじめ、多くの医療・福祉関係者の皆様にご協力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。物語を絵に、マンガにする作業を通じて、「アンメット」というバトンを良い形で受け渡せているとしたら、これほどうれしいことはありません。

 ◇プロデューサー・米田孝さん

 このドラマを企画し始めた直後、母に脳腫瘍(のうしゅよう)が見つかりました。予後不良の状態でしたが、開きにくかった目がパッチリしてきた、今日は歩いて買い物に行けた、家族が集まるのが楽しみだ、などと些細(ささい)な希望を見つけては、母は笑っていました。悩みや苦しみの中にあっても、ほんの少しの希望があれば、人はちゃんと今日を明日につなげて、前を向いて生きていけるんだなと、母は私に感じさせてくれました。

 「アンメット」とは直訳すると「満たされない」という意味です。人や社会は光の当たる場所に目を奪われ、その光によってできた影を見過ごしてしまいがち。影の部分で満たされなさを感じる人たちにいかに寄り添い、共生していくか。この原作のテーマに深く共鳴し、おこがましいようですが少しでもその影を希望の光で照らせたら。このドラマにそんな思いを込めています。杉咲花さんとはクランクイン前からたくさんの時間を共有し、どうしたら自分たちの思いを届けられるか、会話を積み重ねてきました。本当に真摯(しんし)に作品に向き合う姿勢と豊かな発想力に驚かされる日々です。彼女が演じる川内ミヤビが、とても魅力的な主人公になることは間違いありません。人の心を丁寧に描きながら、愉快な登場人物たちやハラハラドキドキの展開で濃いめの味付けを加えて、楽しみながら心温まるエンターテインメントに作り上げていきます! 見てくださった方に、少しでも明日を生きる希望を得ていただけることを願っています。

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