ライオンの隠れ家
最終話 僕たちの新しい始まり
12月20日(金)放送分
俳優の中村倫也さんと土屋太鳳さんが、8月31日にスタートするNHKの土曜ドラマ「Shrink―精神科医ヨワイ―」(総合・土曜午後9時、BSプレミアム4K・土曜午前9時25分)に出演することが明らかになった。中村さんは精神科医院を経営する精神科医、弱井幸之助(よわい・こうのすけ)役、土屋さんは同じ精神科医院で働く看護師、雨宮有里(あまみや・ゆり)役を演じる。日本の精神医療が抱える問題に真正面から向き合い、人々の心に光を照らしていく「観(み)るカウンセリング」ドラマとなる。
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「Shrink(シュリンク)」は、マンガ誌「グランドジャンプ」(集英社)に連載中の七海仁さん原作、月子さん作画の同名マンガが原作。
中村さん演じる弱井は、新宿の下町の路地裏で「新宿ひだまりクリニック」を経営する精神科医。のほほんとした柔らかい外見とアホ毛が特徴。ハーバードの医科大学院に留学したエリートながら、突然医局を辞め、きめ細やかな治療を行う開業医となる。のんびり屋だけど極めて優秀な医師という役柄だ。
土屋さん演じる雨宮は、同院に勤める看護師。精神科は専門外だった。商売っ気がなく、だらしなく見える弱井に、最初は厳しく当たるが、弱井と共に患者と接するうちに、弱井への見方が変わっていく。一言多いけど思いやりにあふれた看護師という役どころ。
ドラマは全3回。弱井は、患者たちの声を丁寧に聞き、症状に根気よく向き合うことで、他の医者が見抜けなかった病名を探り当て、どの患者にも希望を与えてくれる。患者は弱井に出会うことで、“自分なりの生きやすい生き方”に巡り会う。初めて精神科で働くことになった看護師の雨宮は、患者と真剣に向き合う弱井の姿を見つめ続けることで、精神科診療の奥深さに魅入られていく。しかし、弱井は、雨宮が知らない悲壮な過去を抱えていて……と展開する。
中村さん、土屋さん、原作の七海さん、マンガの月子さん、脚本を担当した大山淳子さんのコメント全文は以下の通り。
「“そんなこと”で精神科にかかっちゃダメですか?」原作にあるこの言葉に共感し、拡声したいと思いました。私が出会ってきた人の中にも心の病に悩んでいる方は多くいました。そしてその度に、何がしてあげられるんだろう、どう接するのが正しいんだろうと考えてきましたが、正解は分からずにいました。その心の病に名前があること。そして一口に精神疾患と言っても、その原因は、心のストレスによるものから、体の特質によるものまで多岐に及ぶこと。治療法と共に生きる方法があるということ。この作品で描かれるものは、きっと今を生きるすべての人が他人事ではないのだと思います。誰かの、何かのきっかけになることを願って、私自身学びながら、この作品と向き合いたいと思います。
「ちょっと疲れちゃった」という経験は、誰にでもあると思います。そして、その一言を伝えることができない経験を持つ人も、同じように多いのではないかと思います。私も、その一人です。でも、「誰にでもあること」が積み重なってバランスを取りにくくなった時、たとえば風邪を引いちゃったとか、おなかの調子が悪いとか、虫歯になってしまったとか、そういった体の変化を診ていただけるように、心の変化に寄り添ってくれる場所があったら……世界はもっと温かく、生きやすく、幸せになるのではないかと思います。心の呼吸が浅くなっていることに気が付いて、深呼吸できるような時間。そんな時間を私自身も探しながら、演じたいと思います。
「Shrink~精神科医ヨワイ~」は、繊細で複雑で、だからこそ面白い精神医療をテーマにした作品です。映像化はさまざまなハードルが考えられるため「難しいかも……」と思っていたのですが、こうしてNHKさんで実現していただけてとてもうれしいです。キャストも、中村さん、土屋さんという大好きなお二人をはじめ、素晴らしい俳優さんばかり。登場人物に新たな輝きを与えてくださるのが今から楽しみです。内容については私も関わらせていただき、中江和仁監督や制作陣の皆さんとたくさんお話をさせていただきました。ドラマ制作のプロフェッショナルとしての情熱や矜持(きょうじ)を肌で感じて、より期待が増しました。「Shrink」に関わってくださったすべての方に感謝しつつ、皆で「今届けたい」と強く願った物語が、見てくださる方の心に真っすぐ届くことを祈っています。
「Shrink〜精神科医ヨワイ〜」作画の月子です。毎話、それぞれの悩みを抱えた主人公と同じ気持ちになってヨワイ先生のクリニックへ足を踏み入れるつもりで描いています。この度ドラマ化されることによって、より没入感のあるひだまりクリニックを体験できるのかと思うと今から楽しみで仕方ありません。心の問題に無関係な人などいないと、連載を重ねるごとに思います。ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。
脚色を担当した大山です。私自身、若い頃に精神科に通った経験があるので、オファーをいただいた時、「こんなドラマがあったら、勇気づけられる人がいる!」と確信して、参加を決めました。脚本作りには、中江監督をはじめ、原作者の七海さん、監修のお医者様、プロデューサーほかスタッフのみなさんからもご意見をいただきました。全員が「良いドラマを」と前のめりになって議論を重ねながら、みんなでこしらえた脚本です。私は小説家でもあり、普段執筆は一人静かに進めるので、熱すぎる前のめりチーム(私含む)での創作はすごく新鮮でした。どんな映像になるのか、完成が楽しみです。
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