シリーズ未解決事件:「下山事件」の“正体”とは? 暗躍していた“工作部隊”の存在と思惑 「占領期の深き闇」に切り込む

3月30日放送の「NHKスペシャル『シリーズ未解決事件 File.10 下山事件』」 (C)NHK
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3月30日放送の「NHKスペシャル『シリーズ未解決事件 File.10 下山事件』」 (C)NHK

 戦後日本の“占領期最大の謎”と呼ばれる未解決事件「下山事件」を特集した番組「NHKスペシャルシリーズ未解決事件 File.10 下山事件』」が、3月30日午後7時半から第1部、午後10時から第2部がNHK総合で放送される。番組は、ドラマとドキュメンタリーの2本立て。「占領期の深き闇」と題したドキュメンタリー(第2部)では、検察が届かなかった事件の謎に独自取材で迫る。

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 事件が起こったのは1949年7月。国鉄職員10万人の解雇に関して労組と交渉中、忽然(こつぜん)と姿を消した下山定則国鉄総裁が、その後、無残な轢死体で発見されるも、その後自殺か、他殺かで大論争が起こり、その謎を誰も解けないまま迷宮入りした。

 今回、番組取材班は数百ページに渡る“極秘資料”を入手した。そのうち、注目すべきはソ連の諜報員・李中煥(り・ちゅうかん)の資料で、これまで謎とされていた「下山総裁がどう拉致されどこで暗殺されたのか」など死への道程が詳細に語られていた。一方で李には、アメリカの諜報機関CICに出入りし“ある密命”を受けていた可能性が浮上。供述の虚実の狭間で捜査は翻弄(ほんろう)され、事件は迷宮入りしていく。

 番組では、李と関わりを持っていたアメリカの反共工作部隊「Z機関(通称キャノン機関)」の動きが明らかに。また、取材班は元諜報員の生き残りを突き止め接触。その人物がカメラの前で語ったこととは……。

 さらに、「下山事件」「三鷹事件」「松川事件」と怪事件が相次ぐ中、日本を反共の防波堤とするために暗躍していた“工作部隊”の存在と思惑が浮かび上がる。占領期の深い闇の奥で、見えてきた下山事件の“正体”とは?

 ドラマには、東京地検の主任検事として捜査を指揮することとなる布施健役で森山未來さん、朝日新聞の記者・矢田喜美雄役で佐藤隆太さんが出演。事件を追跡する中で、布施がたどり着く謎の男・李中煥を玉置令央さんが演じる。

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