きみの色:主題歌はMr.Children 桜井和寿が楽曲に込めた思い 山田尚子監督の劇場版アニメ

劇場版アニメ「きみの色」の主題歌「in the pocket」を担当する「Mr.Children」(左)(C)2024「きみの色」製作委員会
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劇場版アニメ「きみの色」の主題歌「in the pocket」を担当する「Mr.Children」(左)(C)2024「きみの色」製作委員会

 「映画 聲の形(こえのかたち)」「リズと青い鳥」などで知られる山田尚子監督の劇場版オリジナルアニメ「きみの色」で、ロックバンド「Mr.Children」が主題歌「in the pocket」を担当することが明らかになった。主題歌は書き下ろしで、同楽曲を使用した本予告がYouTubeで公開された。

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 主題歌の作詞・作曲を手がけたMr.Childrenの桜井和寿さんは「この映画の主人公たちは焼き上がる前の陶器のように、少し力を加えただけで壊れてしまいそうなくらい繊細に思える。言い換えれば、柔らかくしなやかだ」と印象を語り、「主人公たちにはその繊細さのまま、その柔さのまま、しなやかに強く飛び立ってほしい。そんな歌でありたいと、願いを込めてレコーディングさせてもらった」と主題歌に込めた思いを語っている。

 主題歌を聴いた山田監督は「にじんでぼやけた雲の隙間(すきま)から、ぱっと光が差し込んできたみたいでした。まぶしくて、でも輪郭がはっきりとしていて、なんだかとてもビビットな色味の音楽だと感じました。だけど、もう一度聴いてみると今度は曖昧な色も見えてきて、いろいろな色の集合体がこの曲を形作っているんだな、と夢中になって何度も再生ボタンを押しました」と話している。

 川村元気プロデューサーは「『きみの色』の少年少女たちが感じていること、彼らが小さな町で楽器を奏でながら見ている世界を、音楽で表現してくれるアーティストを探した時に、『大人のような子供たち』と称するバンド以外に思い当たりませんでした。」と、起用理由を語っている。

 「きみの色」は、人の感情が「色」として見える高校生の少女・日暮トツ子が、街の片隅にある古書店で出会ったとても美しい色を放つ少女・作永きみ、音楽好きの少年・影平ルイとバンドを組むことになる……というストーリー。俳優の鈴川紗由さんがトツ子、高石あかりさんがきみ、木戸大聖さんが影平ルイを演じ、新垣結衣さんがトツ子が通う学校のシスターの日吉子役として出演する。

 「映画 聲の形」などでもタッグを組んだ吉田玲子さんが脚本を手がけ、牛尾憲輔さんが音楽を担当する。「映像研には手を出すな!」「平家物語」などのサイエンスSARUが制作する。新海誠監督の「君の名は。」「すずめの戸締まり」などのSTORY inc.が企画・プロデュースを担当する。8月30日公開。

 ◇「Mr.Children」桜井和寿さんのコメント全文

 この映画の主人公たちは焼き上がる前の陶器のように、少し力を加えただけで壊れてしまいそうなくらい繊細に思える。言い換えれば、柔らかくしなやかだ。

 ある日のこと(なんと偶然にも初めて山田監督とお話しする機会をいただいたその日)、ミーティング場所の駐車場に車を停(と)めると、巣から落ちてしまった飛べない雛(ひな)スズメを見つけた。心配になって、拾って、家に連れて帰った。飼育方法を調べようとネットで検索すると、どうやら落ちてしまった「巣立ち雛(そう言うらしい)」は、そこからまた親鳥と共に、飛び立つ練習をし、成長していくらしい。

 僕は慌てて、雛を発見した場所に戻り、雛を探しているであろう親鳥に謝罪しながら、拾った場所に雛鳥を戻した。健やかな成長を願いながら。

 あの日出会った雛鳥のように、抱き上げるでも、背中を押すでもなく無理に力を加えることなく、主人公たちにはその繊細さのまま、その柔さのまま、しなやかに強く飛び立って欲しい。

そんな歌でありたいと、願いを込めてレコーディングさせてもらった。

劇場版アニメ「きみの色」本予告

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