米演劇界で最も権威のある賞「トニー賞」の授賞式が、WOWOWで6月17日午前8時(日本時間)から「生中継!第77回トニー賞授賞式」と題して生中継される。WOWOWによる、番組ナビゲーター井上芳雄さんのインタビューが公開された。スペシャル・サポーターを務める人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の京本大我さんへの印象などを語っている。
ウナギノボリ
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最初に出演した時はサポーターの立場で、途中からナビゲーターもやらせてもらっています。舞台の本番や稽古と重なることが多く、年によっては、番組終盤で抜けさせてもらったり。いろいろ無理もさせてもらいながら続けられた10年で、ありがたいと感じています。この番組に関われることは喜びでしかないんですが、同時に、受賞結果を後からチェックすることはあっても、ここまで詳細にトニー賞について知ったり、調べたりすることはなかったんですね。なので、よりブロードウェーとの距離が近くなったように思います。
もしかしたら開催出来ないかも……といった話も出ていたので、結果的に行うことができて良かったです。異例ではありましたけど、海外のクリエイターの皆さんがいかに自分たちの権利を大事に守ろうとしているのか、協力し合う姿勢を目の当たりにして、僕らも学ぶところがありました。台本がないので皆さん自分の言葉で語っていて、それでもショーは成立するんだなとも感じました。
ブロードウェーもコロナ禍で1年半くらい止まっていたので、再び元気になったブロードウェーを見る喜びもありました。以前と変わらず新作を生み出すエネルギーには感動しますし、その場にいるだけでテンションが上がりますよね。それと同時に世界情勢も変化していて、円安もあってチケット代が高騰していたり、飲食店は夜10時には閉まっていたりと、だいぶ生活様式が変わっていたことも感じました。そうしたことも今後の作品作りに影響してくるのかな、と思ったりしますね。
ニューヨーク・ブロードウェーにおけるミュージカルと演劇のショー……と聞くとあまり、縁がないと思われるかもしれませんが、有名なハリウッドスターが出演していたり、メインキャストになっていたりすることも多々ありますし、話題となった映画がミュージカル化されていることもよくあるので、そういった興味から入っていただけたら、うれしいですね。世界最先端のエンターテインメントが集結しているので、授賞式の映像だけでも見ていただけたら、そのすごさが分かるんじゃないかなと思います。
注目は「ヘルズ・キッチン」です。楽曲を手掛けるアリシア・キーズ自身がプロデューサーとして関わっていて、フィクションだけれど半自伝のような作品と聞いています。ナンバーも耳馴染みのあるものが多いでしょうし、とても高評価のようなので気になります。
ミュージカル・リバイバル作品賞にノミネートされている「キャバレー」は、ロンドンから来ていて、おととしのローレンス・オリヴィエ賞(英国版トニー賞のような舞台芸術の賞)のパフォーマンスを見たんですね。ヒロイン役の歌い方がいわゆるミュージカルで歌い上げるのとは違う、芝居の延長線上で歌うような生々しさがあって、印象に残りました。ウエストエンドで評価されてブロードウェーに来ているということは本当にいいバージョンなんだろうなと思いますね。
エマちゃんは現在、ミュージカルのみならずストレートプレイの舞台にも立ち、またドラマなど映像でも活躍されていてすごいなと。ただ僕はほとんど「トニー賞授賞式」でしか会わないので、つねにテキパキと進行して、僕にツッコんでくれるのがエマちゃんのイメージです(笑い)。海外との中継を挟んだ生放送は結構ハードルが高いんですけど、エマちゃんが隣にいるからこその安心感があるし、一緒に番組を進行していくのは楽しいですね。
最初に出会った時からとても礼儀正しく一生懸命な青年で「今度この作品をやるんです」とか、何かあったら報告をしてくれる可愛い後輩です。アイドルとしても華々しく活躍している中でミュージカルをやり続けているのは、大我自身がミュージカルを大事に思ってくれているからだろうし、とても彼に向いていると思います。このタイミングでトニー賞に関わってくれるのはうれしいですね。
いや、(アドバイスは)大丈夫だと思いますよ。ただ、どんな役でもそうですけど、初回が大変なんですよね。山崎育三郎君にしても古川君にしても、「こんなに歌い続けて、こんなに動き回るんだ!」と実感していたと思います(笑い)。初回さえ乗り切れば何とかなるよ!と言ってあげたいですね(笑い)。
とにかく好きなんです。ミュージカルといっても間口が広く、技術や演出やテーマも時代によってどんどん新しく変わっていっているので、終わりのないジャンルだと思います。だからこそ夢中でいられる。「トニー賞」はその最たるもので、毎年新しい作品が生み出され、必ず驚かされるのはすごいことだと思います。演劇はそれだけ無限の可能性があるということ。可能性に魅せられている、ということはあるかもしれないですね。
今年の新作のパフォーマンスを、皆さんと一緒に驚きながら楽しみたいと思います。新しく生み出された作品から、今現在の世界の流れ、行く先といった感覚を受け取ることができると思います。それを一緒に受け取り「では日本にいる自分たちはどうする?」と、考えをめぐらせるきっかけにもなるんじゃないかなと。その時間を皆さんと共有できたら、うれしいです。
「生中継!第77回トニー賞授賞式」は、同時通訳で17日午前8時からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信。字幕版は、23日午後3時からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信する。
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