チ。-地球の運動について-:テレビアニメがNHK総合で10月スタート 神童ラファウ役に坂本真綾 津田健次郎がノヴァク 速水奨がフベルトに

「チ。―地球の運動について―」のビジュアル(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会
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「チ。―地球の運動について―」のビジュアル(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

 「第26回手塚治虫文化賞」のマンガ大賞に選ばれたことも話題の魚豊さんのマンガが原作のテレビアニメ「チ。-地球の運動について-」が、NHK総合で10月から毎週土曜午後11時45分に放送されることが分かった。メインキャストも発表され、坂本真綾さんが飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウを演じることが分かった。津田健次郎さんが異端審査官のノヴァク役、速水奨さんが謎の学者・フベルト役として出演することも発表された。「サマーウォーズ」などのマッドハウスがアニメを制作する。

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 同作は、「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で2020~2022年に連載された。15世紀のヨーロッパを舞台に、異端思想の地動説を命がけで研究する人々の姿が描かれた。神童・ラファウは、周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言も、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。ある日、ラファウは、宇宙に関する衝撃的な“ある仮説”を研究する謎めいた学者・フベルトと出会う……というストーリー。

 ティザー映像がYouTubeで公開され、ラファウがフベルトの言葉により地動説の可能性を知る様子が描かれている。ラファウは、「一体何をささげれば、この世界の全てが知れる?」と、自らの「知」と「血」、さらには命を懸けて「地」動説の証明に挑むことになる。地球から宇宙を観察しているラファウが描かれたティザービジュアルも公開された。

 原作者の魚豊さんは、アニメ化について「純粋にとてもうれしかったです。アニメ化は一つの夢でしたが、いざ決定した制作会社さんや、それ以外のスタッフ、キャスト、放送局、音楽などをお聞きすると、全て『本当に?』と疑うくらい好条件で、いまだに夢のままのようで、現実感がありません」とコメント。「マンガは良くも悪くも個人作業の面が強く、かなりのことを“自分ごと”にできてしまうので、だからこそ、他のメディアに移された時に、自分のものでなくなるような感覚を期待しています。切り離された他人事として見られる気がして、それがとてもうれしいです」と語っている。

 ファンに向けて「原作が完結して2年たちますが、製作陣の皆様によってフレッシュに“再生”させていただきましたアニメ版『チ。』を、僕もみなさまと同じ一視聴者として、とても楽しみにしています。絶対面白いです!」とメッセージを送った。

 ラファウ役の坂本さんは「元々原作の大ファンで、大きな感動をいただいていました。オーディションのお誘いをいただいた時にはうれしさと興奮、そして、まさかのラファウ役?!と衝撃を受けました。難しい役どころであると分かっていたので緊張しました」と話している。

 演じるラファウについては「この壮大な物語の起点を担う、大事な役割を持ったキャラクターです。彼自身の中に湧き起こる葛藤や欲求を視聴者の皆さんが一緒に体験して“知”への渇望を共有してもらえるように、序盤は特に親しみやすさを重要視して演じました」とコメント。ファンに向けて「ラファウ役を女性が演じることを意外に思う方もいるかもしれません。でもオーディションを受けて選んでいただいたからには、これぞラファウだと思っていただけるような仕事をしなければと、原作ファンのひとりとして使命感を持って臨みました。違和感なく楽しんでいただけると信じています」と話している。

 ノヴァク役の津田さんは、原作について「命懸けで地動説に挑む主人公たちと弾圧していく体制側の人間たちの強烈なドラマ。感動しました。夜空を見上げることが神聖な行為に思える程に。そして、タイトルの深さよ」とコメント。演じるノヴァクについては「なんとも魅力的な悪役です。この物語世界における冷徹な正義の執行代理人であり、子煩悩な家庭人。強い意志で任務を遂行しながらも、根源的な問いや世界の常識の変革に翻弄(ほんろう)される脆弱(ぜいじゃく)さも持つ個性は、演じていて楽しいです」と語っている。

 フベルト役の速水さんは「信仰が権威を持ち、真実よりも為政者の都合が優先される世界。物語だけでなく、人間の集合体では良くあること。諦観の中、生きるか、それとも……歯ぎしりするほどの悔しさ、悲しみを感じながら読みました」と作品の印象を語っている。演じるフベルトについては「怜悧(れいり)な頭脳と、ほとばしる情熱。圧政に屈することなく、いや理性では屈しても、真理を、解を希求する熱に冒され『地動説』に魅せられる。悲しくも、美しく、そして罪な研究者だと思います」とコメントを寄せている。

 アニメ化を記念し、原作コミックスの豪華版や関連書籍が発売される。

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