グローバル・アニメ・チャレンジ:若手クリエーター育成プロジェクト発足 世界で活躍できる“スター”育成

「グローバル・アニメ・チャレンジ」の会見の様子
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「グローバル・アニメ・チャレンジ」の会見の様子

 アニメ「わたしの幸せな結婚」「メイドインアビス」などで知られるアニメ制作会社・キネマシトラスが主体となり、若手クリエーターを育成する新たなプロジェクト「グローバル・アニメ・チャレンジ」が発足されることが分かった。7月31日、日本総合研究所 社会価値共創スタジオで会見が開かれ、文化庁参事官で芸術文化担当の圓入由美さんらがプロジェクトについて説明した。同プロジェクトのPRアンバサダーを務める声優の伊瀬茉莉也さんが会見の司会を務めた。

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 同プロジェクトは、アニメ業界の優秀な人材が日々の業務に追われ、グローバルな視点を養う機会が限られているという問題意識から発足。日本総合研究所がパートナーとなり、独立行政法人・日本芸術文化振興会の文化芸術活動基盤強化基金を活用し、約3年間をかけて世界で活躍できる次世代クリエーターを育成する。

 文化芸術活動基盤強化基金は、日本のマンガ、アニメ、音楽、現代アート、伝統芸能などの次世代クリエーターを支援する文化庁の「クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業(クリエイター等育成プロジェクト支援)」の基金で、「グローバル・アニメ・チャレンジ」が支援対象の一つとして選ばれた。国がアニメ業界の人材育成を支援することになる。

 文化庁の圓入さんは「世界的なコンテンツ市場の規模が拡大し、日本の産業の輸出額としてもコンテンツ市場が占める数字が大きくなっています。ただ、海外と比べ日本の政府はしっかりとご支援ができていないのではないかというご意見を多数いただいています」とし、「アニメ業界の労働環境、賃金の面についても、文化庁の会議では度々議論になり、クリエーターの皆さんが収入を得ながら、持続して制作に取り組めるように、アニメ、ゲームといった分野に力を入れるべきだと」と経緯を説明した。

 クリエーターへの支援は、これまでは単年だったが、「クリエイター等育成プロジェクト支援」では初めて複数年の支援を実施する。文化庁では、弾力的かつ数年にわたる支援は初めてで、「息の長い人材育成」を念頭に置いているという。

 育成対象として、国内の若手アニメーター、プロデューサー、演出家・監督の計6人を公募により選出する。対象は、現在アニメ制作スタジオに所属しているクリエーターを想定しており、フリーのクリエーターが選出された場合も、プロジェクト期間はスタジオに所属することを求めるという。キネマシトラスの小笠原宗紀代表取締役会長は「組織と一緒に成長していく人材を探したい。私もこの会見の後、『スターをだしてくれないか』と各社を巡る予定です」と話した。

 8~9月に育成対象者を公募し、10月に決定・発表する。育成対象者は、英語のマンツーマンレッスン、海外展開に関するワークショップ、海外スタジオでのインターンシップ、パイロットフィルムの制作、海外アニメイベントへの出展といった経験を積み、将来のアニメ業界に革新をもたらすリーダーとなることを目指す。

 指導者として、スカイフォールの代表取締役で、「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」「シティーハンター」などを手がけた植田益朗プロデューサー、KADOKAWAの執行役でChief Anime Officer(CAO)の菊池剛さん、サラマンダーピクチャーズの櫻井大樹代表取締役社長、アニメーション・ジャーナリストの数土直志さんが参加する。雑誌「Newtype」(KADOKAWA)の鳩岡桃子副編集長がPR支援を担当する。協力・賛同会社は、Production I.G、MAPPA、トリガー、バンダイナムコフィルムワークス。

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