劇場版モノノ怪 唐傘:黒沢ともよ×甲斐田裕子×ゆかな 大奥女中キャスト集結 「ゾクッと」エピソードに会場ひんやり

「劇場版モノノ怪 唐傘」の舞台あいさつに登場した(左から)ゆかなさん、黒沢ともよさん、甲斐田裕子さん
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「劇場版モノノ怪 唐傘」の舞台あいさつに登場した(左から)ゆかなさん、黒沢ともよさん、甲斐田裕子さん

 2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の完全新作劇場版「劇場版モノノ怪 唐傘」の舞台あいさつが8月15日、渋谷HUMAXシネマ(東京都渋谷区)で行われ、声優の黒沢ともよさん、甲斐田裕子さん、ゆかなさんが登場した。同作は大奥が舞台で、黒沢さんら大奥の女中を演じるキャストが集結。大奥でキャリアアップを図る新人女中・アサを演じる黒沢さんは、アサとしての大奥での職場環境は「最悪です!」とぶっちゃけるも、「黒沢としては、御二方の役は台本で読んだ時から作中で一番魅力的でドラマを背負った人間味のあるキャラクターだと思っていました」と共演を喜んでいた。

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 甲斐田さんは御年寄(総取締役)の歌山の直属の部下・淡島、ゆかなさんはアサの先輩女中・麦谷を演じている。甲斐田さんは同作の魅力について「和紙の上で繰り広げられる、まるで万華鏡のようなカラフルな映像美を持つ作品」と話し、「テレビシリーズから拝見していたファンなので、今回の劇場版に参加できてうれしい」と喜びを語った。

 ゆかなさんは、「モノノ怪」の前身となった「怪~ayakashi〜」の中村健治監督作「化猫」から出演していることから「一度見ただけでは全てを理解できない、いい意味で難解な作品。『化猫』も今までの世の中になかったテイストの作品だったことを思い出しました。当時もキャスト・スタッフ一丸となって試行錯誤しながら、パズルのピースを埋めるように作っていた思い出があります」と懐かしんだ。

 ゆかなさんのエピソードに甲斐田さんは「それこそが本当の作品作りであり、そんな作品が増えてほしいと思う。本作のエンドロールを見ても、これだけの人たちがこの作品ならではの雰囲気を作り上げるのにどのような意思疎通があったのかと思う」とクリエーターをリスペクト。クラウドファンディングの協力者に触れ、「薬売りを愛する者がたくさんいる!」と甲斐田さんがニヤリとすると、すかさず黒沢さんも「財布を解き放つ者たちもたくさんいますね!」と加えて笑いを誘った。

 甲斐田さんは、自身の役どころについて「淡島は日常にいるタイプの人間。大奥というしきたりの中ではい上がってきて、新人に立場を奪われそうになり右往左往する。ある意味、観客が共感を得やすい、その中に自分を見出しやすいキャラクター」と分析。一方、ゆかなさんは麦谷について「実際に私は彼女のような方に出会ったことがあり、当時は戸惑い悲しかったけれど、それがここに来て生かすタイミングが訪れるとは……。麦谷を演じることで、そんな人に対する理解が深まればいいと思ったので、いい経験をさせてもらいました」と振り返った。

甲斐田さんとゆかなさんは、カメ役の悠木碧さんとアフレコに臨んだ。ゆかなさんは「悠木さんも私と同じで全力で演技するタイプだと思ったので、私のケアグッズでちょっとだけでも底上げができればと思いました。彼女が素直に反応することで物語が動いていくので、頑張ってもらいたいとの応援の気持ちを込めました」と現場でのサポートについて語った。その様子を目撃していたという甲斐田さんは「ゆかなさんの四次元ポケットからあらゆるケアグッズが出てきました……!」と思い出し笑いしていた。

 舞台あいさつでは、納涼として、それぞれが怖いと思ったシーンを発表。黒沢さんは「いろいろなものが沈んでいる水を飲むのが怖い。中に入っているのがそうそうたる面々ですから」、甲斐田さんは「北川さんの人形が怖い。日本の怪談的部分がゾゾッとする。画面をよく見れば見るほどそんな感覚が強まります」、ゆかなさんは「あの水を飲むこと=理不尽なことに慣れてしまうということ。……それって普段の生活の中でも感じませんかぁ~!?」と急に恐ろしい声を出し、会場をひんやりさせていた。

 新作劇場版は全3章で、第2章「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」が2025年3月14日に公開されることも発表されている。黒沢さんは「次回も物語の舞台が大奥ならば、アサはまた出てくるのでしょうか? アサとしては三郎丸さんにきつく当たってみたものの、最後は手紙を託しているわけですから。その三郎丸さんがどう動くのか!? 私自身も期待しています!」と語った。

 最後に、ゆかなさんは「当初からずっと関わって来た人間として、これからも作品に関わることができたらうれしい」と願い、甲斐田さんも「お客様あっての作品なので、この先のシリーズも同じような思いで一緒に作り上げていきましょう」と呼びかけた。黒沢さんは「きょうは先輩お二人とお話ができて、熱い思いをじかに聞けて良かったです。長く続いている作品であればあるほど情念が積み重なっているものなので、それを踏まえつつ新しく見てくださる方にもどんどん広まっていけばうれしいです」と、ヒットを祈願していた。

 「劇場版モノノ怪 唐傘」は、2007年放送のテレビアニメ以来、約17年ぶりの新作アニメ。テレビアニメに続き、中村さんが監督を務め、EOTAが制作。女たちの情念が渦巻く大奥を舞台に、薬売りが“モノノ怪”の正体を追うことになる。新作劇場版は全3章で、第1章である「劇場版モノノ怪 唐傘」が7月26日に公開された。

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