西園寺さんは家事をしない:ドラマPが語る第8話の見どころ “偽家族”が現実に向き合うとき 「西園寺さんがどう向かい合っていくのか注目」

ドラマ「西園寺さんは家事をしない」第8話の一場面(C)TBS
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ドラマ「西園寺さんは家事をしない」第8話の一場面(C)TBS

 俳優の松本若菜さん主演で、人気グループ「SixTONES」の松村北斗さんも出演する火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」(TBS系、午後10時)の第8話が8月27日に放送される。今作を手がける岩崎愛奈プロデューサーが見どころを語った。

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 ◇今までにはなかった“辛めのスパイス”投入

 ドラマは、ひうらさとるさんの同名マンガ(講談社)が原作。徹底して家事をしない主人公・西園寺一妃(さいおんじ・いつき、松本さん)と、年下で訳ありシングルファーザーの楠見俊直(松村さん)、その娘のルカ(倉田瑛茉ちゃん)の風変わりな同居生活を通し「幸せって何? 家族って何?」を考えるラブコメディー。

 第7話は非常に多くの反響をいただき、私たち制作スタッフもとてもうれしく思っています。今回に限らずですが、毎回視聴者の皆さんが一緒に盛り上げてくださっていることがとても励みになります。さらに、口コミをキャッチしてくれる方々がいて、西園寺さんの輪がどんどん広がっている。見てくださった方の声や楽しんでくださっている反応が、私たちの原動力になっています。

 そんな第7話で印象的だったのは、やはり終盤の庭でのシーン。帰っていく横井(津田健次郎さん)を見守る西園寺さんの表情がとてもすてきで、偽家族といる時とはまたちょっと違う、はにかんだような幸せそうな笑顔がとてもかわいらしくて「ああ恋をしているんだな」とキュンとしました。

 そしてその直後、西園寺さんから「実はちょっと好きだったよ」と言われて胸を押さえる楠見の表情! この2人のコントラストがとても好きなシーンです。“本彼氏”として横井の加入でより良い形に進化したように見えた“偽家族”でしたが、そこにモヤモヤが発生してしまったことでどう変わっていくのか……ぜひ追いかけていただきたいです。

 さらに、新たに登場した、エリサの存在感も際立っていました。演じる太田莉菜さんの存在感で「これは何か起きるぞ……!」というような、ザワッとした空気を感じていただけたのではと思います。今までにはなかったかなり辛めのスパイスが投入されるので、一味違った回を楽しんでもらえると思います。

 ◇西園寺さんとルカちゃんの浴衣姿に注目

 第8話では、西園寺さんとルカちゃん、横井の浴衣姿が登場しますが、これは、原作にはない場面。夏を楽しむ西園寺さんたちを見たいなという思いもあって作ったシーンなのですが、撮影現場に若菜さんが浴衣で現れた時には、あまりの美しさにスタッフ全員がどよめきました(笑い)。

 さらにルカちゃんも浴衣姿で登場して、あの時の2人の華やかさと可憐(かれん)さには、その場にいる全員のテンションが上がりました。津田さんの浴衣姿もとてもすてきです。華やかでとても楽しいシーンではありますが、その中に切なさもひそんでいるので、すてきさとほろ苦さをぜひ楽しんでもらえたらと思います。

 ◇「いつまでもこのままではいられないのかも」という現実に向き合うとき

 ここまでさまざまな問題やトラブルを乗り越えながら、偽家族という不思議な関係をすてきなものに作り上げてきた3人。しかし、ワクワクすることや面白いと感じることもあれば、やがて現実を突きつけられたり、それに向き合わなければいけないタイミングもやってきます。

 第8話はそれに当たる回になっているのではと思っています。例えばエリサの存在が、西園寺さんに、楠見に新たなパートナーができるという可能性があることをまざまざと突きつけます。そして横井の存在。横井はとてつもなく優しい人ですが、なんでもかんでも受け止めてくれるだけの寛容な人ではなく、現実をしっかり見ている地に足の着いた大人であるという一面をしっかり描こうと話し合いながら作りました。

 偽家族の周りに現れたそんな2人の存在で、西園寺さんは否応なしに現実の難しさ、そして身勝手さを痛感していくことになるのだと思っています。それでも手放したくないほど大切なものになった偽家族という存在。今までになかった葛藤に西園寺さんがどう向かい合っていくのかもぜひご注目ください。

 ◇亡き妻の存在を大切に描くこと

 今作の企画が動き始めた時から、大きな課題であり使命だと思っていたことの一つが、楠見の亡くなった妻、瑠衣(松井愛莉さん)の存在を大切に描いていくことでした。ラブコメディーである今作ですが、その明るさのすぐそばには、今はもう会えない大切な人の存在があります。それを決して忘れないように描きたいと思っていましたが、その描き方はとてもデリケートで難しいものでした。

 切なくて悲しくて寂しくて、 でも、ずっと悲しみの中にいることが正しいわけでもない。喪失感から前を向いていく人の姿は、作品の中できちんと描いていきたいと思ったことの一つなので、たくさんの話し合いを重ねて作り上げています。

 楠見と瑠衣は、強い絆と愛情で結ばれた夫婦でした。瑠衣が亡くなった後もその存在は決して消えることはないし、受け取るものは今もたくさんある。それを受け取った上で楠見はどう生きていくのか、何を思うのか。そんなことも見える回になれたら、と思いながら作りました。

 終盤に向けての制作が進む中で、本当に難しいところに切り込んでいる自覚があります。本作は、「幸せって何? 家族って何?」という大きなテーマを掲げている作品でもありますが、回が進むにつれ、とんでもないところに足を踏み入れてしまったなという気がしていて……!

 でも、それぐらい大きなテーマにこれだけ全力で向き合える作品に携われていることはすごく幸せだと思いますし、何より、キャストとスタッフが一丸となって、その難しいところに進んでいる。とても人に恵まれた作品だなと感謝しています。そんな大きなテーマに対して、後半に向けてこのドラマがどんな答えを出していくのか……現場にいる全員でずっと考えながら進めているので、最後までに一緒に考えてもらいながら、ドラマの行く末を見守ってもらえたらいいなと願っています。

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