坂の上の雲:本木雅弘の新録インタビューも 再放送に先駆け特別番組放送

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」主演の本木雅弘さん (C)NHK
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NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」主演の本木雅弘さん (C)NHK

 俳優の本木雅弘さんが主人公の秋山真之を演じたNHKのスペシャルドラマ坂の上の雲」(2009~11年)が、9月8日から総合で再放送される。1日には、本木さんの新録インタビューなどを収めた特別番組「本木雅弘が語る スペシャルドラマ坂の上の雲」の放送も決定した。

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 本木さんのメッセージも公開され、「現代も、私たちの周りの世界は簡単ではありませんし、別の窮屈さを感じる時代だと思います。そんな今だからこそ多くの人たちに、明治を生きた人々の思いと輝きが届き、それぞれが追いかけた誇りを、まるで自分ごとのように共有して何かの力につなげていただけたらいいなと願っています」と思いを明かしてる。

 「坂の上の雲」は、司馬遼太郎さんの歴史小説が原作。海軍参謀として日露戦争の日本海海戦に臨んだ秋山真之(本木さん)、陸軍で騎兵隊を創設し、のちに“日本騎兵の父”と呼ばれる兄の秋山好古(阿部寛さん)、俳人として日本文学に大きな足跡を残した正岡子規(香川照之さん)の3人を中心に、近代化を目指す明治期の日本の姿を描いた。

 3部構成で、第1部が2009年11~12月、第2部が2010年12月、第3部が2011年12月に放送された。

 今回の再放送では、「44分版」が、総合で9月8日から毎週日曜午後11時~同44分に全26回にわたって放送。「89分版」が、BSP4Kで毎週金曜午後8時15分~同9時44分に全13回にわたって放送される。

 「本木雅弘が語る スペシャルドラマ坂の上の雲」は、本木さんが初回放送当時に収録の裏側などを語った映像や、今回の再放送にあたり作品を振り返った新たなインタビューに、メーキングや本編の見どころなども交えてドラマの魅力に迫る。総合で9月1日午後11時~同40分に放送。

 ◇主人公・秋山真之役の本木雅弘さんからメッセージ

 再放送のお話をうかがったときは、驚きと懐かしさと、作品が蘇る機会を得た歓(よろこ)びとで、なんだか有り難いなと思いました。

 撮影は 2007年の11月からおよそ3年間で、その期間は「坂の上の雲」で秋山真之を演じることだけに集中して過ごしました。最終ロケ地の松山の海で撮影が終了した際には、「とにかく何とか辿り着いた」という放心と共に安堵(あんど)したことを覚えています。

 ドラマ「坂の上の雲」は、国内40カ所以上、海外7カ国でロケを行い、スタッフの多くは本当に10年がかりの仕事だったそうです。

 事実、あの規模で、あれだけの月日をかけて、あのような拘りで作品づくりに臨める経験はなかなかありません。撮影が終わってから14年ほどがたちますが、この作品でご一緒させていただいた方々の中には、渡哲也さんや加藤剛さんをはじめ、鬼籍に入られた大先輩方も多くいらっしゃいます。自分にとっては、時を経て思い出すたびにその特別感が増してくる、記念碑的な作品です。

 今回、「坂の上の雲」を初めて見てくださる方も多いかと思います。原作の司馬遼太郎さんが、「21世紀を生きる君たちへ」という著書の中で、歴史について語られた言葉があります。

 歴史とは?と聞かれるとき、「それは、大きな世界です。かつて存在した何億という人生が そこにつめこまれている世界なのです」と、答えることにしている。

 ドラマ「坂の上の雲」も、明治という時代を生きた大勢の人生が詰め込まれた作品です。新しいことが始まる予感に導かれた多くの若者が、夢を持つことから始まる物語です。

 男たちだけはなく、菅野美穂さん、松たか子さん、石原さとみさんなどが演じる明治の女性たちもはつらつと活躍します。

 近代国家の成り立ちや戦争についての難しい話以上に見えてくるのは、ある意味、日本の青春時代とも言える明治を駆け抜けた若者たちの痛快、痛切な青春物語です。

 誰もが若さ故に無謀なこともして失敗し、傷つき、学んでいきます。そして少しずつ柔らかくしなかやに強くなっていく。その姿にきっと励まされたり慰められたりするでしょう。

 そういう始まりの時代の大きなエネルギーの塊、そして、生きていることの眩しさを感じていただければと思います。

 現代も、私たちの周りの世界は簡単ではありませんし、別の窮屈さを感じる時代だと思います。そんな今だからこそ多くの人たちに、明治を生きた人々の思いと輝きが届き、それぞれが追いかけた誇りを、まるで自分ごとのように共有して何かの力につなげていただけたら良いなと願っています。

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