竹野内豊:「あんぱん」寛の最期は「残念だなという思い」 涙の名場面の裏側 “寛ロス”視聴者へのメッセージも

連続テレビ小説「あんぱん」で柳井寛を演じる竹野内豊さん(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で柳井寛を演じる竹野内豊さん(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、柳井嵩(北村匠海さん)の伯父・寛を演じている竹野内豊さん。第41回(5月26日放送)で、寛が突然亡くなるという衝撃の展開を迎え、視聴者から悲しみの声が上がった。劇中で心に響く名言を連発するなど、視聴者から愛されていた寛。そんな寛の最期のシーンにどのように向き合ったのか、話を聞いた。

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 ◇寛の“最期”を振り返る

 第41回では、往診帰りに突然倒れ、危篤状態になった寛。報せを受けた嵩は自身の最高傑作となる卒業制作を完成させ、急いで高知に向かうが、すでに寛は亡くなった後で……と展開した。

 寛の最期のシーンを振り返り、竹野内さんは「もうこのシーンで終わってしまうんだ、残念だなという思いでした。できたら、もう少し長く嵩と千尋(中沢元紀さん)の成長を見守ることができたらよかったんですが……。みんな頑張れという気持ちでした」と明かす。

 嵩が柳井家に戻ってきたとき、寛はすでに息を引き取り、顔に打ち覆いをかけられている状態だった。竹野内さんは「テストの段階から顔に白い布をかけていたので、皆さんの表情は見えず、声しか聞こえない状態でした。ただ、皆さんの息遣いや、(妻・千代子役の)戸田菜穂さんが寛の手を取る場面で、手から伝わってくるもの、響いてくるものがありました」と語る。

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 「私は横になっているだけですけど、なるべく布団が持ち上がらないように、息を殺して、とにかくじっとしていました。カットがかかった瞬間、『苦しかった!』って(笑)。最近出演した作品では、亡くなる役が多くて……。ここ数年の間で、何回死んでいるのか分からないです(笑)。『あんぱん』の寛の最期のシーンは、まだ出来上がった映像を見ていないので、どんなふうに仕上がっているのか放送が楽しみです」

 ◇寛の言葉に共感

 寛が亡くなる前、嵩を思って口にした「ハンパでもんてきたりしよったら、殴っちゃる」というせりふについては、「もしも自分に子供がいたとしたら、多分同じことを言っているんじゃないかな」と共感する。

 「人生って自分の思い通りにならないことの方が多くて、年を重ねて、ふと自分が今まで辿ってきた道を振り返ったときに、意味のなかったことの方が、実は人生において大切なことが詰まっているんじゃないかと思うんですよ。だから自分が決めたこと、自分がやりたいと思ったことをとにかく信じて、 絶対に諦めないこと。逃げてしまったり、うまくできなくても、ずっと続けること。そこに価値があるんじゃないのかなと。成功するか失敗するか結果は関係なくて、 そこに向かっていくまでのプロセスがすごく大事だと思っています。そういう気持ちを腹の底に置いて、このせりふを言っていたと思います」

 心に響く名言を連発し、視聴者に愛されていた寛。“寛ロス”に陥った視聴者に向けて「次の展開が面白いので、寛のことはすぐに忘れますから大丈夫です(笑)」とフォローする。

 「皆さんに愛していただき、記憶の中に残していただけたことが光栄です。最後まで、嵩とのぶ(今田さん)の成長を見届け、応援してあげてほしいです」

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