フェイクマミー
第9話 ニセ母計画崩壊!?追い込まれた家族の決断
12月5日(金)放送分
三谷幸喜さんの脚本と監督によるWOWOWオリジナルドラマ「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」で主演を務める俳優の田中圭さん。三谷さんが手がける“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズ12年ぶりの新作で、第3弾の本作は太宰治を敬愛する男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディーだ。主人公・小室健作を演じる田中さんに、出演の経緯やワンカット撮影の舞台裏、三谷さんとのやりとり、40代に突入した心境などを聞いた。
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“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズは、2011年に第1弾が三谷さん初のテレビドラマ監督作「short cut」で実現。山道に迷い込んだ中井貴一さんと鈴木京香さん演じる夫婦が、けんかをする中で互いを理解していく物語が描かれた。第2弾は2013年放送の「大空港2013」で、故・竹内結子さんがグランドスタッフに扮(ふん)して、生瀬勝久さん、戸田恵梨香さん、オダギリジョーさん、香川照之さんらが演じる個性豊かな登場人物たちと大騒動を巻き起こす群像コメディー。第3弾となる今作は、構想に約10年の月日をかけ、「山」「空」に続いて「海」を舞台に選び、昨年秋に撮影された。
同シリーズのファンという田中さんは「三谷さんとジムが一緒でたまに会う。そのときワンカットシリーズの話になって『とても好きなのですが、もうやらないのですか。またやることがあったら声かけてください。ちょっとでも参加したい』と伝えたら、『うれしいな。わかった』と言われて、こうなりました。(出演の)決め手も何も、話してみるものだなって(笑)。主演にはびっくりしました」と出演の経緯を明かす。
シリーズの魅力を聞くと、「過去2作を見た際、『ワンカットで撮るなんて負担しかない』と思いました(苦笑)。ただワンカットで撮るのが大テーマだけど、見ているとワンカット撮影ということを忘れるし、ふと思い出すと感動すら覚えてくる。何かすごいものを見せてもらっているなと感じた」と自身の視聴体験を交えて語る。
さらに「自分も俳優なので大変さと(作品に関わっている)皆さまへの尊敬と言いますか。すごいなって思いました」と俳優ならではの視点で分析した田中さんに、出演する側に回った心境や撮影の手応えを尋ねると、「手応えで言うと正直わからないです(笑)。もちろんカットを割らないという大変さもあるけど、一連でずっと芝居をする贅沢さがあるのはすごく感じました」と返ってきた。
事前に1週間ほどの稽古があり、現場では撮るだけという状況だったが、田中さんは「過去作を見ていたので、もっとこう計算されつくしているイメージだった」と切り出し、「潮位の関係で芝居のエリアが日によって変わったり、時間によっても違うので、リアルに限られた時間帯でしか撮れないし、しかも雨が降ると翌日にはなかったはずの“川”ができていることもあって(笑)。思っていたよりぶっつけ本番感というか勢いでやる感じはありました」と撮影の裏側を語る。
念願だったシリーズに出演して気づいたことについて、田中さんは「一連で芝居をさせてもらうのは贅沢だなと思った」と挙げる。
「僕が舞台を定期的にやるのも、芝居というものの初心に返ったり本質を見たり気づかされたりというところで、やっぱり一連でその世界を生きることは大事だと思っています。今回もそれはあった。一連でできることの大変さもあるけど贅沢さもあるのは感じました」
ワンカット撮影でもっとも大変だったことは「汗が止まらない」ことで、その影響で衣装の色が変わったという。
「全部で6回トライして6回目がOKテイクになったのですが、あれでも汗をかいていない方です。太陽が出ていると暑さと動きと、あと芝居の内から出るものでもう滝のような汗が出て。衣装のベストはグレーでしたが、汗が目立つので途中で目立たない黒になりました」
6回のワンカット撮影の過程では、「毎回、本番を一度撮ったらスタッフさんも含めて全員でプレビューを見て、それぞれの部署での反省点を確認しました」という。
「プレビューを見ながら三谷さんが指示を出したり画角をカメラマンさんと話し合いをしたり、少しずつアップデートしていきました。見て気づくこととか次にトライするべきことが明確に見えてくる、そんな日々の積み重ねでした。プレビューを見ながらどんどん面白くなってくるのがわかったから、それは良かった」と振り返る。
そんな田中さんは現在40歳。「駆け抜けた30代、いろいろやらせてもらった30代だった。(40代は)仕事のやり方など少しずつ、変えていこうかなと思っています」と抱負を口にする。
年齢とキャリアを重ねてきての変化を聞くと、田中さんは「オフ」と回答。「連ドラが終わったらちょっと長期で休みをもらうということを、これまではやったことがなかった。ただ最近はスケジュールを見ると、オフが黒になるのですが、真っ黒だとうれしくなっちゃいます」とオフの捉え方の変化を語る。
ところが「弊害もあって」と続け、「黒がないと『黒がない!』となるけど、かといってずっと黒ばっかりだと『仕事がない!』となるから難しい(苦笑)。結局ないものねだりだし、バランスが大事だなって」とオンとオフの切り替えの重要性に気づいたと話す。
「充実した生き方をしている人は、オンとオフの使い方、時間の使い方がすごくうまい。ないならないなりに、いい時間の使い方をしているのはわかっているのに、僕はそれがめちゃくちゃ下手。どうにかいい使い方ができるような人になりたいと思っています」
「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」は、6月29日午後10時にWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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