あんぱん:第99回の注目度 午前8時8分に74.5%の好記録 ミセス大森元貴の歌を上回った場面とは?

連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合・月~土曜午前8時ほか)の第99回(8月14日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」の1分ごとの推移を調べたところ、見どころが多かった第99回で最も注目度(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)が高かったのは少し意外な場面だった。

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 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。

 ◇最高値は午前8時8分 「空気を読まない」六原永輔が本領発揮した通し稽古シーン

 第99回は、いせたくや(大森元貴さん)と六原永輔(藤堂日向さん)の勢いに負け、嵩(北村匠海さん)は舞台美術の仕事を引き受けることに。さっそく絵コンテを描き上げ、嵩が改めてイメージを尋ねると、イメージは嵩に一任すると永輔は答える。ぐちりながらもせっせと描き上げる嵩に、のぶ(今田さん)は楽しそうだと言ってそっと寄り添う。

 本番初日の前日。通し稽古(げいこ)後に細かく修正を加えていく永輔に、戸惑うたくやたち。彼らのやりとりに嵩は圧倒される。終盤には3人組ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」のボーカル、大森さんが劇中でたくや役として「見上げてごらん夜の星を」を歌うシーンもあり、見どころの多い回だった。

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 「注目度」はほとんどの時間が60%台後半で、70%台に乗ったのは3度だけ。最高は午前8時8分に大きく突出した74.5%で、ミュージカルの初日前日の通し稽古(げいこ)の場面だった。

 明日は初日というのに、さらに細かく修正を次から次へと加えていく永輔に、たくやは戸惑いながら「本番は明日なんだけど、それでも変えるかい?」と尋ねる。役者たちもたくやの意見に同調すると、永輔は黙って席を立ち、いなくなってしまう。「考える前に口からポンポン言葉が出てくる性分」という空気を全く読まない”マイペース”永輔の本領発揮の場面だ。この後、どうなるんだろう? 視聴者は不穏な空気を少し感じた場面で、一気に画面にクギヅケになったのだろう。前日に続き、強烈なキャラクターの永輔がらみの場面だった。

 休憩中、嵩の隣に腰かけたたくやは「いいものを作る、これを言われちゃうとね、弱いんですよ。僕も永ちゃんと気持ちは全く同じです。役者のみんなだって本当はそうです。僕は柳井さんからも同じものを感じています」と漏らす。緊張感が高まった視聴者を少しほっとさせる「いい場面」だ。

 この後の稽古が再開した場面。差し入れを持ってやってきたのぶのため、急きょたくやが「見上げてごらん夜の星を」をアカペラで披露する。この注目の場面が始まった午前8時12分は「注目度」が68.2%だが、実は大森さんの歌の後半の13分は65.5%と低下。途中から演奏が入り、舞台で俳優たちが歌うミュージカル本番のシーンにそのまま切り替わった14分は70.1%とこの日2番目に高い「注目度」だった。

 ちなみに3番目に高かった「注目度」は午前8時1分の70.0%。舞台美術を引き受けた嵩がたくやと永輔から、仕事の説明を受ける場面。時々、ミュージカルの一場面が舞台で演じられ、その内容が伝えられた。ミュージカルに関係する場面が2位と3位に入ったのはたまたま? それとも舞台の照明や音楽は視聴者の関心を集める力があるということなのだろうか。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。

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