ディズニー&ピクサーの新作アニメーション映画「星つなぎのエリオ」が公開中だ。“優しい感動”が伝わる親子で楽しめる映画と評判の今作について、マデリン・シャラフィアン監督、ドミー・シー監督、プロデューサーのメアリー・アリス・ドラムさんの主要スタッフ3人に、製作秘話や公開されてからの手応えを聞いた。
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「星つなぎのエリオ」は、一番の理解者の両親を失い、寂しさを抱えていた宇宙が大好きな少年エリオが主人公。エリオはこの広い世界のどこかには、きっと“本当の居場所”があるはず……と思いをはせていた。その切ない願いが届き、星々の代表が集う夢のような“コミュニバース”に招かれる。そこで出会ったのは、同じように孤独なエイリアンの少年グロードンだった。心を通わせる2人の前に“星々の世界”を揺るがす脅威が迫る。救うカギは、孤独な2人が交わした“ある約束”にあった……というストーリー。
監督は「リメンバー・ミー」(2017年)のストーリーアーティストを担当したシャラフィアンさん、「私ときどきレッサーパンダ」(2022年)の監督のシーさん、「リメンバー・ミー」で脚本・共同監督を担当したエイドリアン・モリーナさんの3人が務めている。
シャラフィアン監督は、主人公エリオについて、「エリオは孤独を抱えている少年で、エイドリアン・モリーナ監督の経験を基に描いています。彼(モリーナ監督)も軍の基地で育ち、周りの世界になじめず距離感や孤独感があり、その話を聞いた時に私もドミー(・シー監督)もストーリーとキャラクターの両方の面でそのエピソードにほれ込みました。また、『E.T.』のエリオットのような初めて友達を作るという物語からもインスピレーションを受けています」と明かす。
エリオが夢にまで見た宇宙で大冒険する。エリオが訪れた“コミュニバース”の美しくきらびやかな映像表現も魅力的だ。ビジュアル面でこだわった部分は?
シー監督は「コミュニバースはエリオにとっては夢がかなったような天国にいるような気持ちで、地球では自分をエイリアンのように感じていることを作品の中で視覚化しています」と地球と宇宙を対比して描いたと語る。
「地球はフラットでシンメトリーであり構図も無機質で閉塞感を与え、自分には居場所がないというエリオの感情を表現しています。一方でコミュニバースはいろいろな色のディテールがあり、有機的な形で世界がパッと開けるような、エリオが初めて帰属できる場所を見つけた感情を反映しています」
「リメンバー・ミー」なども担当したプロダクションデザイナーのハーレイ・ジェサップさんが細部にまで表現にこだわったといい、「深海などさまざまなものを参考にリサーチを重ねたため、今までのピクサー作品でも見たことのないような世界観がコミュニバースでは描かれています」と自信をのぞかせる。
コミュニバースにはさまざまなエイリアンが登場する。シャラフィアン監督は「みんなが愛飲するドリンク“グロープ”を常に持ち歩くヘリックス(古参メンバーで温厚で陽気な大使のエイリアン)は製作陣のブランドン・ムンが草案したキャラクターです。彼が製作時に自分で声を当てた絵コンテを見せてくれたとき、ユニークでちょっと偉そうでどの世界にもいそうな少し年を取っている優しいおじさんが描かれていて、それがすごく良いと思い、デザインの基になっています」と話す。
プロデューサーのドラムさんは「グロードンは歯がないクマムシをモデルにしています。目がないキャラクターなのでその状態でアニメーションとして動かせるのかがアニメーターたちにとってはとてもチャレンジでした」と明かした。
公開後の手応えは? ドラムさんは「作品を見た母娘が泣いたと聞きました。楽しい冒険譚(たん)ですが泣ける要素もある作品だと言ってもらえるのは作り手として報われます。キャラクターの世界にほれ込んでくれているのは作品を送り出す喜びだと思います」と語り、シー監督も「人とうまくつながれない人や周りになじめない人など、いろいろな背景で葛藤を抱える人が共感できたという声がとても多く、エリオと同じように自分をエイリアンのように感じている人が多かったようです」と話す。
エリオの孤独、エリオとグロードンの友情、「きみは一人じゃない」というせりふなど心に刺さるシーンが数多く出てくる今作。
シャラフィアン監督は「エリオと(エリオの叔母の)オルガは隣にいるのに2人とも同じ孤独を感じていることに気づいていないんです。手を伸ばせば深い絆があると分かるのにそれをしていなかった、そういうことを感じてほしいです。特に現代ではたくさん孤独を感じ、自分は理解されないんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、誰かとつながるためには自分も努力しないといけないこともあり、そういったところをエリオとグロードンの関係性を見ることによって感じてもらえたらうれしいです」とメッセージを送った。
日本版声優は、エリオ役を川原瑛都さん、グロードン役を佐藤大空(たすく)くん、叔母のオルガ役を清野菜名さん、グロードンの父でグライゴン役を松山ケンイチさん、お助けコンピューター・ウゥゥゥゥ役を野呂佳代さん、平和を愛する惑星の大使オーヴァ役を渡辺直美さん、オルガの部下で無線オタク・メルマック役のお笑いコンビ「マユリカ」の中谷さんが担当している。
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