フェイクマミー
第9話 ニセ母計画崩壊!?追い込まれた家族の決断
12月5日(金)放送分
今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第124回(9月18日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、視聴者みんながホッと胸を撫でおろしたであろう午前8時11分の71.9%だった。
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「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。
第124回は、ミュージカル「怪傑アンパンマン」の初日に至るまでのドタバタが描かれた。
活用した「注目度」はテレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた数字。テレビのスイッチを入れていても、画面を見ていない可能性があるため、「視聴率」と「注目度」を重ね合わせないと視聴状態の実態は見えてこない。「視聴率」が高い「あんぱん」の場合、「注目度」をチェックすると、テレビの前の視聴者が本当に引き付けられた場面がおおよそわかるというわけだ。今週最後の金曜の放送に向け、急展開を迎えた第124回で、視聴者の目をクギヅケにした場面を注目度でチェックした。
第124回の注目度は、ピークが何度も訪れた。ただ、この日の最高値は午前8時11分の71.9%で、70%台半ばを記録することが多かった今週の回の中ではやや低い。
最初のピークは午前8時2分の70.4%。のぶ(今田さん)と蘭子(河合優実さん)が、
ミュージカルの開幕前日、“ヤムおんちゃん”こと草吉(阿部サダヲさん)を訪ねた、前日の第123回のエンディングから続くシーンだ。ドラマの開始早々、のぶは、ミュージカルのためあんぱんを焼いてほしいとお願いするが、草吉はいつものことながらすげない。どうやら、しっかり絵本は読んでくれているようだが、「怪物あんぱんまん」などとこき下ろす草吉に、のぶもつい「怪傑じゃ!」と感情的になってしまう。
午前8時2分は、そんなやりとりが続いた後、のぶがとうとう「ヤムおんちゃんは、メルヘンの世界がなんちゃーわかっとらせん」と切れ始めたあたりから。「あんぱんの怪物と、(パンづくりの)おやじの妖精。どうかしてるぞ」という草吉に、「侮辱したら許さんき。嵩さんの最高傑作や」とかみつく。結局、だれかから呼ばれたふりをして、草吉は職場に戻っていく。久しぶりに「はちきん」ぶりを見せたのぶと、相変わらずとぼけた感じの草吉のやりとりが楽しい場面だった。
実は「あんぱん」では、草吉の登場シーンは注目度が高いことが多い。第124回は、冒頭のこのシーンが最高値だろうと勝手に予想していたが、実はこれを上回るピークがこの後の場面でやってくる。
ミュージカルは初日を迎えるが、客の入りは悪い。のぶ(今田さん)やたくや(大森元貴さん)が謝罪するが、嵩(北村匠海さん)はそこにいた全員を集め、「困っているとき、苦しいときこそ、人を喜ばせることをしようというのが僕の座右の銘なんです」「10人のお客さんを精いっぱい喜ばせましょう」と演者を鼓舞する。
この嵩のスピーチが始まったのが午前8時9分台で、70.4%で再びピークとなった。会場には、のぶのお茶の弟子である星子(古川琴音さん)もやって来た。のぶは「すみません。席を埋めるために来てくださったのね」と感謝するが、星子は「いえ、私は、あの……アンパンマンが大好きで。『怪傑アンパン』も、それから絵本も読んで、毎回泣いたり笑ったり。純粋にミュージックが見たくて来たんです。私は、アンパンマンがもっと多くの人に愛されるって信じてます。本気です」と力を込めた。
星子のシーンは午前8時9分後半から10分にかけて。これまで「アンパンマン」に興味のあるそぶりを見せながらも、なかなかその思いを口にしなかった星子。そんな星子が初めて自身の気持ちを伝えた場面だ。
注目度は午前8時10分で少し下がり、午前8時11分に、この日の最高値71.9%をたたき出す。ヤムおんちゃんでも、これまでずっと無言だった星子でもないとしたら、誰が登場した場面だったのだろう。
午前8時11分の直前、受付に座る蘭子が、やってきたのぶに「のぶ姉ちゃん、頑張ったのに、あんまり入らんかったね」と声をかける。その時、子どもが4人やってくる。「子供たち、みんなアンパンマンおばちゃんのお芝居が観たいって」。付き添った男性の「アンパンマンおばちゃん」のワードにクスっとしてしまう。この後も子供たちが続々とやってきて、劇場は満員になる。のぶの読み聞かせが、ここに来て成果を発揮した形だ。視聴者としてもほっとした瞬間だったのだろう。そんな場面がこの日の最高値だった。
ちなみに午前8時14分にも、やや低いが、69.8%でピークができた。ミュージカル「怪傑アンパンマン」が開演され、芝居が始まるのが14分ちょうどのあたり。以前のミュージカル「手のひらを太陽に」の時もそうだったが、舞台の上演場面は注目度がなぜか跳ね上がる。
漫画家のヤルセ・ナカス役をミュージカルで演じる古川マモル(西山潤さん)が客席の後方から登場し、ミュージカルは始まる。客席に座っていた小宮ミカ(佐竹桃華さん)が突然立ち上がると、「ヤルセさ~ん」と編集者のミルカ役として演技を始め、隣に座っていた羽多子(江口のりこさん)はびっくりする。そんな舞台演出の数々が、視聴者の視線を引き付けたのかもしれない。
見どころの多い第124回だったが、空席が目立ったミュージカルのピンチを子供たちが救うという物語の転機で注目度が最も高くなった。制作者にとっては演出の狙い通りの結果だったのかもしれない。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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