あんぱん:第125回の注目度推移 ピークの午前8時6分はあんぱん持参で駆けつけた“あの人”の登場シーン

連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第125回(9月19日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値はミュージカル「怪傑アンパンマン」の終演直後のハプニングを描いた午前8時6分の71.0%だった。

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 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。

 ◇最高値は午前8時6分の71.0% ミュージカル終演後、あんぱんを持って駆けつけたのは?

 第125回は、初日を迎えたミュージカル「怪傑アンパンマン」の舞台の模様から始まり、終演後のエピソードまで描かれた。さまざまなことが起こった初日の模様がトントンとテンポよく展開されていくが、主要な出来事にはしっかり時間が割かれ、緩急のメリハリが効いた演出になっていた。

 活用した「注目度」は、テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた数字。テレビのスイッチを入れていても、画面を見ていない可能性があるため、「視聴率」と「注目度」を重ね合わせないと視聴状態の実態は見えてこない。「視聴率」が高い「あんぱん」の場合、「注目度」をチェックすると、テレビの前の視聴者が本当に引き付けられた場面がおおよそわかるというわけだ。

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 第125回の注目度は、午前8時6分の最高値71.0%をピークにした大きな山をつくり、残りの時間はほぼ60%台後半を上下するというようなグラフを描いた。注目度の数字で判断すると、視聴者の視線を一番集めた場面は午前8時6分ということになる。

 ドラマは、浜辺ヒラメ(浜野謙太さん)がミュージカルで、アンパンマンが誕生するシーンを熱演する場面から始まり、序盤は歌とともにストーリーが展開していく様子を視聴者も楽しんだ。歌が好きだったメイコ(原菜乃華さん)がコーラスの一員として突然舞台に立つほほえましい場面も挟まれ、ミュージカル部分は次第に注目度が右肩上がりに上昇していった。

 ミュージカルの公演部分は午前8時4分台まで。午前8時5分は、終演後にほっと一息をつく嵩(北村匠海さん)やのぶ(今田さん)らの表情が描かれ、そして、午前8時6分に突入する。客席にいたのぶやメイコ、羽多子(江口のりこさん)が、蘭子(河合優実さん)に呼ばれ廊下に出ると、そこに立っていたのは“ヤムおんちゃん”こと草吉(阿部サダヲさん)だった。アンパンマンの顔を模したあんぱんをたくさん持って。

 八木(妻夫木聡さん)の会社が「でかいスポンサー」となってくれたようだ。「そこまですることはなかったのでは」と社員から冷やかされる八木の姿が描かれ、画面は草吉や、朝田家の家族らで観客の子供たちにあんぱんを配る様子に切り替わる。

 ここまでが午前8時6分台。父・結太郎(加瀬亮さん)の急死で大黒柱を失った朝田家を、あんぱんを焼くことで救い、戦時下に憲兵から乾パンの製造を命じられ絶体絶命の朝田家で乾パンを焼いたのも草吉。前日の第124回でのぶの頼みを断っていたとはいえ、やはり困ったときに登場するのは草吉だったかと改めて感じさせた場面だった。しかも、持参したのはアンパンマンの顔を模したあんぱん。客の入りが心配されていたミュージカルも無事に終わり、視聴者にとっても、これまで積み重なっていた不安がスカッと消えた場面だったに違いない。

 午前8時7分以降は、嵩がようやく草吉と再会。感極まった嵩は、思わず草吉に抱きついた。感動的な場面だったが、注目度はやや下がっていく。あんぱんを持って草吉が登場した、最初のインパクトには勝てなかったということかもしれない。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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