ワンピース
第1160話 雪原の邂逅 呪いの王子ロキ
5月3日(日)放送分
「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で1995~2000年に連載された西条真二さんのマンガ「鉄鍋のジャン!」が2026年にテレビアニメ化されることが話題になっている。シリーズ累計発行部数が約1000万部を誇る人気作ではあるが、アニメ化されるのは意外にも初めて。2025年に連載30周年を迎えたが、なぜ令和の時代にアニメ化されることになったのだろうか? どんなアニメになるのだろうか? さまざまな疑問も生まれるが、「Fate/Zero」「アルドノア・ゼロ」「劇場版 空の境界」など数々の人気作を手掛けたことで知られるあおきえい監督がアニメ化するということで、期待が高まる。あおき監督を直撃した。
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「鉄鍋のジャン!」は、空前絶後の料理バトルを描いたマンガ。勝利こそ料理、何でもありの主人公・ジャン、心こそ料理の純粋無垢なヒロイン・キリコらが魔法のような必殺の武器(料理)を繰り出す。猛者たちによる“料理バトル”を描いた。
あおき監督は、原作のファンで、アニメ化したいという思いをずっと抱えていたという。
「連載時からずっと拝見してて、面白いなと思ってたんですよ。アニメ業界に入ってから、アニメ化したいと漠然とではあるのですが、ずっと考えていました。あまり言葉にはしてこなかったのですが、何年か前にアニメ誌で、新房昭之監督とマンガをテーマに対談をした時、『ジャン』について『ずっと好きなので、できればアニメ化したい』と語ったことがありました。言葉にしたら、やっぱりアニメ化したくなってきて、いろいろ探って、いくつかチャンスはあったのですが、なかなかうまくいきませんでした。今回はご縁があって、なんとかアニメ化にこぎ着けることができました」
連載当時から人気だったこともあり、今までアニメ化されていなかったのが不思議なくらいで、あおき監督は「僕も全く同意見です。なんでアニメ化されなかったのだろう?と思います。僕としては今回、こうやって初めてアニメ化されるのでありがたいのですが」と語る。
「連載開始が1995年なので、30年前になります。作り手としてはやりたい人がいてもなかなか難しいのかもしれません。今回は、プロデューサーの方が原作を好きだったり、めぐり合わせもあってアニメ化されることになりましたが、30周年で発表したのは、たまたまだったりします。発言しておくと、実現することもあるんだ……と感じています」
あおき監督は、原作のどこに魅了されたのだろうか?
「ジャンは主人公ですが、悪辣で完全にヒールなんです。でも、嫌なヤツではない。爽快感があります。当時のマンガとしては、中華料理の描写も精密で、当時の最新の中華料理をしっかり描いています。破天荒なキャラクターが破天荒なことをするのではなく、ベースにある中華料理がしっかりしていて、その両輪がキレイに回っているところが、新鮮でした。例えば、XO醤が出てきますが、今でこそ普通にスーパーで売っているけど、当時は珍しかった。マンガで最先端を取り入れていますし、この作品で覚えた中華料理の食材や料理がいっぱいあります。影響されて、中華料理を食べに行ったりしました」
ちなみに、あおき監督自身は中華料理を作ることはないが「中華料理は好きです」という。
アニメで料理シーンなどがどう表現されるかも気になるところだ。
「料理アニメは『美味しんぼ』や『ミスター味っ子』など昔からたくさん制作されてきました。『ジャン』は、キャラクターが破天荒ですが、料理の描写は精密です。動作が派手だけど、料理自体は再現できるものなので、料理の描写はしっかり真面目にやらないといけません。作中の料理を実際の料理人の方に再現していただいて、動画や写真を撮って、それを基にアニメ化しています。すごく大変です。なるべくおいしそうに見えるように、現場のスタッフみんなで頑張っています」
料理がおいしそうに見えないと説得力が出ない。
「実際にやってみると本当に難しいんです。第1話でチャーハンが出てくるのですが、そもそもチャーハンはどう作画するのか? アニメの表現では、塊として省略してシルエットを描きます。ご飯が重なって、ボコボコしているところを表現する……という描き方が定番なのですが、それだとおいしそうに見えない。べちゃっとして見えて、パラパラ感がないんです。第1話のチャーハンに関しては、スタッフが一堂に会して、どうやって描くとおいしく見えるかを打ち合わせしました。さまざまなアニメの料理シーンをいろいろ見ると、米粒を一つ一つ描かないと、パラパラ感が出ないという結論になりました。一番大変なんですけどね。作画スタッフには、頭が下がります」
キャラクターの熱さ、濃さも作品の大きな魅力になっている。
「最近のアニメは主線、キャラクターの線を少し細めに処理するのがトレンドなのですが、それをするとキレイにはなりますが、少し力がなくなってしまいます。線を太くしたり、鉛筆の線のようなカスレを撮影で足したりして、1980年代のセルアニメのようなテイストで作ろうとしています」
線以外にも演出によって作品の持つ熱さや迫力を表現しようとしている。「鉄鍋のジャン!」は令和のアニメではあるが、泥臭い表現も魅力になるようだ。アニメを制作するTROYCA(トロイカ)は「アルドノア・ゼロ」「アイドリッシュセブン」などスタイリッシュな作品も多いが、どうやら今回は少しテイストが違うようで……。
「そうですね。今回はそういう意味ではこれまでと違うかもしれません。もちろん女性も楽しめる作品ですが、男臭い感じになっています。先日、第1話のダビングがあって、セリフ、音楽、SEが入っている状態を見たのですが、やっぱり面白いんです。自分で言ってしまっています(笑)。やっぱり原作が面白いし、素晴らしいんです。西条先生が作り出したインパクトを頑張って表現しようとしています。SEも中華料理店を取材して、音をいろいろ収録して、調理シーンのリアルな音を表現しています。一方、嘘でもいいから派手にしているシーンもあって、リアリズムがゴール地点ではなく、この作品らしい派手な嘘の音も入れています」
「鉄鍋のジャン!」は、普遍的な魅力にあふれた作品だ。あおき監督をはじめとしたスタッフが細部までこだわり、空前絶後の料理バトルを表現しているようだ。時代が変わっても“鉄鍋”のような熱さは伝わるはず。今から放送が待ち遠しい。(阿仁間満/MANTANWEB)
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