仲野太賀さん主演の2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)。1月18日放送の第3回「決戦前夜」では、松下洸平さんが松平元康(徳川家康)役で初登場した。家康といえば織田信長、豊臣秀吉と並ぶ「三英傑」の一人で、戦国時代を舞台にした過去の大河ドラマでも、時に主人公として、時に主人公のライバルとして物語を盛り上げてきた。どの作品で誰が演じてきたのか、おさらいしたいと思う。
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まだまだ記憶に新しいのが、2023年放送の“前・戦国大河”「どうする家康」(2023年)で主演を務めた松本潤さん。同作では、一人の弱き少年=家康(松本さん)が、家臣団に守られながら成長し、共に乱世を終わらせるまでが描かれたが、特に序盤のヘタレぶりは、良くも悪くも歴史ファンの注目を集めた印象だ。なお、松本さんが大河ドラマで家康を演じるのは「どうする家康」が2作目。前年(2022年)の「鎌倉殿の13人」の最終回にも家康役でサプライズ登場していて、異例ともいえる2作連続出演を果たしている。
1963年に始まり、長い歴史を誇る大河ドラマで、家康の存在を最もユニークに取り扱ったのは、幕末から近現代を舞台にした2021年の「青天を衝(つ)け」だったかもしれない。
作品としては“戦国もの”からは外れるものの、家康は、主人公・渋沢栄一(吉沢亮さん)を見守る“歴史の語り部”として登場。北大路欣也さんが、2011年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」以来、10年ぶりに家康役で“再登板”し、冒頭の「こんばんは」のあいさつに視聴者がSNS上で「こんばんは」と返答するのも、一つのお約束になっていた。
「青天を衝け」の前年(2020年)の「麒麟がくる」では、風間俊介さんが、“まだ何も成し遂げていない”青年期から家康を好演。2017年の戦国大河「おんな城主 直虎」では、阿部サダヲさんが、まだまだ気弱な中間管理職的な悩める家康を、持ち前のコミカルさと愛嬌(あいきょう)で体現し、好評を博した。
「直虎」の前年(2016年)の「真田丸」にも家康はもちろん登場。同役を務めたのは内野聖陽さんで、主人公の真田信繁(堺雅人さん)の“最大最強の宿敵”でありながら、臆病で慎重な性格が強調された家康を演じきった。
そのほか2010年代では、2014年の「軍師官兵衛」に寺尾聰さんが、1973年の「国盗り物語」以来、41年ぶり2度目の家康役で出演したことも話題になった。
松本さんは異例として、北大路さんや寺尾さんと同じく大河ドラマで二度にわたって家康を演じたのが津川雅彦さんだ。作品は、1987年の「独眼竜政宗」と2000年の「葵 徳川三代」。“家康俳優”と聞いて、津川さんのことを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
ちなみに記念すべき大河“初代家康”は誰かというと、1965年の「太閤記」での尾上菊蔵さん。1969年の「天と地と」で松山政路さん、1971年の「春の坂道」で山村聡さんが続き、“家康俳優”として大河ドラマの歴史に名を刻んでいる。
さらに児玉清さん(1978年『黄金の日日』)、フランキー堺さん(1981年『おんな太閤記』)、滝田栄さん(1983年『徳川家康』)、中村橋之助さん(1988年『武田信玄』)、丹波哲郎さん(1989年『春日局』)といったそうそうたる顔ぶれが並ぶ、大河“家康俳優”。以降も、郷ひろみさん(1992年『信長 KING OF ZIPANGU』)、西村まさ彦さん(1996年『秀吉』)、高嶋政宏さん(2002年『利家とまつ』)、北村和夫さん(2003年『武蔵 MUSASHI』)、松方弘樹さん( 2009年『天地人』)といった個性豊かな名優が家康を演じてきた。
なお、計14作の大河ドラマに出演している“常連”で、2024年10月に76歳でこの世を去った西田敏行さんは、自身11作目の大河となる2006年の「功名が辻」で満を持して家康になっている。
話を「豊臣兄弟!」に戻そう。
今回で“家康俳優”の仲間入りした松下さんは、2024年の「光る君へ」に続く、2回目の大河ドラマ出演。2019年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」で一躍脚光を浴びて以降、数々の話題作に起用され、今や映像界に欠かせない存在となったが、過去の役柄含めて家康っぽさは感じられず、約1年前の出演発表の際には、SNS上で「まさか」「意外」との声が上がった。当の本人も、そのときに「お話をいただいたときは驚きとうれしさとプレッシャーで一瞬頭が真っ白になりました」とコメントを寄せている。
「豊臣兄弟!」における家康の立ち位置は、主人公・秀長(仲野さん)と、その兄・秀吉(池松壮亮)の最強のライバル。役の説明にも「信長(小栗旬さん)亡きあと天下一統を狙う豊臣兄弟の眼前に最大最強のライバルとして立ちはだかる」とあり、今作においても、重要人物であることに変わりはない。
松下さんは以前「これまで多くの方が演じられてきた役ですが、皆さんがきっと『まだ誰も見たことのない家康』を目指し役作りなさっていたのではないかと思います。もちろん僕もその気概で挑みます」と意気込みを語っていたが、ここからどんな家康像を構築していくのか、今後のドラマ視聴の楽しみの一つになりそうだ。
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