ワンピース
第1160話 雪原の邂逅 呪いの王子ロキ
5月3日(日)放送分
アニメ化、映画化された人気マンガ「とんかつDJアゲ太郎」(集英社)の原案で知られるイーピャオさんが2月16日、初めての小説「謎解き!? チーム副都心(1) 新宿に消えた秘宝を探せ……んのかっ!?」(JTBパブリッシング)を出版した。小学5年生の男女3人組が活躍するジュニアノベルの体裁ながら、登場人物や展開など随所に奇想天外な個性があふれ、大人も楽しめる作品に仕上がっている。イーピャオさんに話を聞いた。
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物語は新宿を舞台に、一癖も二癖もある大人たちに振り回されながら、小学生たちが謎解きに挑むミステリーだ。しかし「いちおう謎解きの要素はあるのですが、ミステリーというほどでは……」とイーピャオさん。「意図せず謎を生み出してしまう大人たち、その謎に張り切って挑戦し大騒動にしてしまう主人公たち。彼らの人間性というか、クセやバカバカしさを楽しんでもらえれば」と話す。
登場人物の強烈な個性は、本作の大きな特徴だ。例えば主人公の3人は、池袋在住で野球強豪校の有名選手を兄に持ち、その陰でひっそり目立たない袋斗(たいと)、新宿の氷屋の娘で笑いのツボが浅く氷とダンスを愛する新冷(あられ)、渋谷の高級住宅地に住みクイズで頂点を極めたいと願うあまり日常会話までクイズ調になりがちな峻谷(しゅんや)という具合だ。そこにあやしいバーの変装好きな店主や占い頼りの老舗菓子メーカーの創業者一族、謎のロン毛歌ウマ会社員などが加わり、物語を二転三転させていく。現在、ライターとして「週刊少年ジャンプ」(集英社)の巻末コーナー「巻末解放区! WEEKLY週ちゃん」の構成・企画を担当するイーピャオさんは「連載作品や読者の皆さんの投稿など、数多くの個性に触れているおかげで書けた作品かもしれません」と振り返る。
もう一つ、本作を語るうえで欠かせないのが、街に対するイーピャオさんの並々ならぬ愛だ。舞台となる新宿の歴史や特徴が謎を解く鍵になる。
「浄水場跡の面影を残す西口の高層ビル群、いわゆる『新宿文化』を代表する東口の雑多な様子。新宿を舞台にするからには、街の魅力を物語の軸に据えたかった」と明かすイーピャオさん。「締め切りに追われていた時、西新宿のコワーキングスペースにこもって原稿を書きました。最後をどうやって盛り上げるか悩んでいたのですが、西新宿で書いたことで新宿らしい展開を用意できました」
謎を追う中で、主人公たちが観覧する「新宿の夏の風物詩」や大騒動に発展する「新宿らしいもの」の行方など、都内在住の読者はもちろん、そうでない読者にも楽しめるよう工夫が凝らされている。
「新宿を舞台にしていますが、どんな街にも歴史があり、その街ならではのおもしろさがあります。一人でも多くの読者が街に興味を持ってもらえれば、こんなにうれしいことはありません」
タイトルに「副都心」とあるのは、主人公たちが住む池袋、新宿、渋谷が「東京メトロ副都心線」で結ばれていることに由来するという。すでに第2巻の出版が決まっていて、舞台は渋谷だ。1990年代から2000年代初頭にかけて若者文化の発信地となり、IT企業の中心地でもあった渋谷では今「100年に一度」ともいわれる大工事が行われている。イーピャオさんは「大工事を背景に、にぎわうセンター街、そびえたつ高層ビル、足元の暗渠、四方を囲む坂……物語の要素が多すぎて、選びきれません。とにかく令和の『クセつよ』小学生たちが街を、そして時代を駆け抜ける様を面白く楽しく描ければ」と次回作への意欲を語った。
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