伊駒ゆりえ:「【推しの子】」インタビュー 第34話収録秘話 ルビー「私はいつも演じている」に込めた思い

アニメ「【推しの子】」に出演するルビー役の伊駒ゆりえさん
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アニメ「【推しの子】」に出演するルビー役の伊駒ゆりえさん

 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載された人気マンガが原作のテレビアニメ「【推しの子】」の第3期が、TOKYO MXほかで放送されている。有馬かなのスキャンダルや、アクアとルビーがアイの子供であることが明かされ、映画「15年の嘘」の制作が決定するなど衝撃的な展開の連続で、視聴者の注目を集めている。第34話では、ルビーと人気俳優の不知火フリル、黒川あかねが「15年の嘘」のアイ役をかけて、“個人間オーディション”を行う場面が描かれた。ルビーを演じる声優の伊駒ゆりえさんに収録の裏側を聞いた。

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 ◇ルビーのモノローグが「苦しかった」 噛み締めた一言

 「【推しの子】」は、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカさんと、「クズの本懐」などの横槍メンゴさんが手がける人気マンガで、「週刊ヤングジャンプ」で2020年4月~2024年11月に連載された。突然の死を遂げた天才アイドル・アイがのこした双子の兄妹の物語が描かれる。双子の妹・ルビーは母に憧れ芸能界に入り、兄・アクアはアイ殺害の犯人を見つけ出すため復讐を誓う。

 伊駒さんは、第34話の個人間オーディションについて、「思惑が錯綜しているというか、みんな、すごいことをしてますよね」と驚いたという。同話では、「嘘つき」をテーマにルビー、あかね、フリルがエチュードを披露することになり、ルビーが「嘘……嘘つきってなんだろう」「私はいつも演じている 星野ルビーという役を」とモノローグで語るシーンが描かれた。

 「演じる中では、私はここが苦しかったかもしれません。だって、ルビーちゃんが『私はいつも演じている』と言ってるんです。今までルビーちゃんがなんであんなに明るく元気で真っすぐに見えていたのかということが、この一言で腑に落ちました。ルビーちゃんが演じている、役を生きているということが、ルビーちゃんを演じさせていただく上でキーになると思ったので、この一言を噛み締めました」

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 個人間オーディションの末、ルビーがアイ役を務めることが決まった後、演技の練習をしているシーンも印象に残っているという。

 「練習をしている時に『お母さん』というセリフを言う場面があるのですが、この『お母さん』にどれだけの重みがあるのか、とても考えさせられました。さりなちゃん時代の記憶がストレートに感情に訴えてくる言葉ですし、アイが亡くなってしまったことも考えると、『お母さん』というセリフの正解が出てこないという、非常に重みのあるシーンでした。映画の中でルビーちゃんが演じるのはアイだけど、ルビーちゃんがルビーちゃん自身について理解していかなきゃいけないシーンでしたし、私自身もルビーちゃんをより掘り下げていったシーンだったなと思います」

 同シーンでは、「自分が理解できていないということを理解することがルビーちゃんなのかな、ということが見えてきました」とも感じた。

 「もやもやしている雲をつかもうとしてるような感覚だったので、収録でもいろいろなパターンを録(と)らせていただきました。その一つ一つが意味のある表現だったと思います。その中で選んでいただいたシーンが放送されているので、この場面で伝えたいことが込められたシーンだと思います」

 ◇個人間オーディションは「異質で魅力的」

 伊駒さんは、個人間オーディションのエピソードで、一人一人のキャラクターのすごさも感じたという。声優の瀬戸麻沙美さんが不知火フリル、石見舞菜香さんが黒川あかねをそれぞれ演じている。

 「フリルちゃんが、なぜ個人間オーディションをやるのかということを話している時に、その言葉が本心なのか本心じゃないのかはフリルちゃん自身しか分からないことではあるのですが、すごく『分かるな』とリアルに思わされるというか。アイの半生を描く映画を作るとなった時に、アイちゃんの娘であるルビーちゃんが生きていますし、芝居の道で生きているあかねちゃんもいるという中で、個人間オーディションをやるという思考に至ったフリルちゃんはやはりすごい考えの持ち主だなと。あかねちゃんもあかねちゃんで、個人間オーディションに来る時は、今までとはまた違ったあかねちゃんが見えた気がして。第1期、第2期、第3期と、みんなが時を重ねてきたことを如実に感じました」

 芸能界ならではの“異質さ”も感じた。

 「オーディションの前段階で3人で話している時の空気感も、これ本当に高校生?と。社会人経験が20年くらいあるんじゃないかみたいな、異質さを感じる魅力的なシーンだなと思います」

 衝撃的な展開を描いてきた第3期もいよいよクライマックスを迎える。伊駒さんは、「【推しの子】は私が見たことのないような世界を描いていますし、原作の第1話でも『この物語はフィクションである』と書いてあるんですよね。でも、フィクションだけどリアルなのかもしれないなと感じる瞬間もたくさんあって。それが【推しの子】の面白いところですよね」と魅力を語る。第3期がどのような終わりを迎えるのか、見逃せない。

(しろいぬ/MANTANWEB)

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