解説:シリアス度増す「豊臣兄弟!」 姉川に比叡山…2週連続の“地獄絵図”で「少年マンガ展開」は終了か

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第16回の場面カット (C)NHK
1 / 1
大河ドラマ「豊臣兄弟!」第16回の場面カット (C)NHK

 仲野太賀さん主演のNHKの大河ドラマ豊臣兄弟!」(日曜午後8時ほか)。4月26日放送の第16回「覚悟の比叡山」では、副題通り、有名な「比叡山焼き討ち」が描かれた。終盤、炎に包まれる寺の本堂で、藤吉郎(池松壮亮さん)が目にしたのは、築かれた死体の山と、やむを得ずそこで“罪なき者の命をあまた奪った”光秀(要潤さん)の姿だった。この凄惨な光景に対して、視聴者からは「少年マンガ展開、終了」などの声も上がっているが、果たして……。

あなたにオススメ

 ◇信長に従うほか道はなかった…光秀が自らの手を血で染める

「豊臣兄弟!」は、65作目の大河ドラマ。豊臣秀長(小一郎)を主人公に、兄・秀吉(藤吉郎)とともに強い絆で天下統一という偉業を成し遂げる豊臣兄弟の奇跡を描く、夢と希望の下剋上サクセスストーリー。脚本は、「半沢直樹」(TBS系)や連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」などで知られる八津弘幸さん。また音楽を木村秀彬さんが手がけ、語りを俳優の安藤サクラさんが担当する。

 第16回では、浅井の忠臣・宮部継潤(ドンペイさん)の調略を請け負った藤吉郎。継潤は、藤吉郎の子を人質に寄越すなら織田につくという。

 子のない藤吉郎は、とも(宮澤エマさん)の子・万丸を差し出そうとするが、ともは激怒。困り果てた藤吉郎は、小一郎(仲野さん)に説得を任せる。一方、敗走した長政(中島歩さん)と朝倉義景(鶴見辰吾さん)は、比叡山延暦寺に立てこもる。信長(小栗旬さん)は、織田に従わないなら寺を焼き払えと光秀に命じる。

- 広告 -

 足利将軍家の再興という義昭(尾上右近さん)との約束のため、いまは信長に従うほか道はないと考える光秀は、自らの手を血で染める覚悟をする。一方、信長の命に背いてまで、女や子供を逃がそうとする藤吉郎。そんな藤吉郎は、炎に包まれる寺の本堂で、多くの“罪なき者”を含めた死体の山という凄惨な光景を目にし……と展開した。

 ◇いい意味で胸に重くのしかかるような、シリアス展開増

 織田・徳川軍と朝倉・浅井軍による合戦「姉川の戦い」が描かれた前週第15回「姉川大合戦」でも、戦の後、夕陽(ひ)と血で“赤く染まった”姉川を前にし、小一郎が藤吉郎の横で「ここは地獄じゃ」とひざから崩れ落ちた姿も印象的だったが、これで視聴者は2週連続の“地獄絵図”を見せられたことに。

 単純計算で、12月まで続くドラマの放送はこれでちょうど3分の1を消化。小一郎と藤吉郎の兄弟を中心とした家族や仲間たちとの絆、武将だけに限らない戦国に生きる人々のある種の群像劇としての面白さや躍動感に加え、時として過剰な“軽いノリ”への多少の揶揄も込めて「少年マンガっぽい」などと言われてきた今作だが、いい意味で胸に重くのしかかるような、“戦国もの”としてのシリアスな展開が、ここにきてグッと増しているようにも思える。

 続いて5月3日に放送される第17回「小谷落城」では、信長が再び、浅井・朝倉攻めに出るという。小谷城は長政の“終焉の地”。見逃せない回になりそうだ。(岸谷史生/MANTANWEB)

テレビ 最新記事