はるな愛:イ・ジェユンと対談 2人が出会ったのは運命?「確かに息は合っている」

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 韓国版「インファナル・アフェア」として昨年韓国で大ヒットし、日本でも現在、無料BSテレビ局「Dlife(ディーライフ)」で毎週金曜深夜0時に放送され、日本でもファンを増やしているドラマ「ハートレスシティ~無情都市」。同作で、熱血漢のエリート麻薬捜査官チ・ヒョンミンを演じている韓国人俳優のイ・ジェユンさんと、韓国観光名誉広報大使のタレントのはるな愛さんが、ドラマについてやお互いのことなどについて語り合った。

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 ◇これは運命?

 −−まずは、お互いの印象を。

 はるな愛さん:イさんは、ドラマの中ではクールなポーカーフェースで、いろいろなキャストがいる中で、淡々と物語を進めていく役柄。たとえ優しさを見せるシーンがあっても、潜入捜査官ということで、その優しさもうそだったりするんですね。でも、実際にお目にかかって真の優しさに触れることができて、さらに笑顔がとてもすてきなので、ますます好きになりました!

 イ・ジェユンさん:ありがとうございます。はるなさんとお目にかかるということで、韓国にいる日本人の友人から、「はるなさんはとても面白くて、きれいな人だ」とうかがっていました。実際にこうしてご一緒して、とても楽しい性格の方で、僕がふざけてやったことも受け止めてくれて。はるなさんのお陰で、とてもリラックスして(来日)イベントに出演することができました。

 はるな:いえいえ、こちらこそありがとうございます。イさんは、すごくノリもよくて、優しくて、すごく気が合うなって思いました。これはきっと、運命ですよね(笑い)。

 イさん:確かに息は、すごく合っていましたね。でも、運命までは分かりませんけど(苦笑い)。

 はるな:言うよね~!

 ◇寂しいときクマに会いたくなる!?

 −−はるなさんは、ドラマ「ハートレスシティ~無情都市」を見て、いかがでしたか?

 はるなさん:もう、何度も繰り返し見ています。次につながる細かいキーワードがちりばめられているので、何度見ても発見がありますね。続きを早く見たくて、うずうずしています! 正直いうと、私は時代劇やラブストーリーが好きなので、こういうサスペンスは見たことがなかったんです。でも、サスペンスの面白さ……テンポの速さや、人間関係の面白さにハマってしまって。こんなに面白かったんだ!と、今まで見ていなかったことを、後悔しているところです。

 イさん:このドラマは、サスペンスであり、重くてシリアスな世界観を表現していますが、私たちの日常と重ね合わせて見ることもできます。ドラマには、たくさんの傷ついた人たちが出てきて、私が演じたチ・ヒョンミンや、チョン・ギョンホさんが演じている「博士の息子」だけでなく、他のキャラクターすべてに何かしらの過去があり、ビハインドストーリーが描かれているのも魅力です。どのキャラクターもみんな、痛みと孤独を抱えて生きているのですが……。私たちも日常で、寂しさを感じる瞬間がありますし、周囲に人がたくさんいても、傷ついたり孤独を感じることもあります。そういう目線から、共感してドラマを楽しんでいただけたらうれしいです。

 −−人気俳優のイさんでも、孤独を感じるときがあるんですか?

 イさん:両親はカナダに住んでいるので、今は独り暮らしですし……。現場では、多くのスタッフに囲まれて、笑い合いながら仕事をしていますが、家に戻るとやはり寂しさを感じますよ。毎日、家に戻ると寂しいです。でも、だからこそ、こうして絶えずたくさんの人と会って仕事をしているのだと思います。ときおり、クマにすごく会いたくなるんですよ。

 はるなさん:えっ! クマって?

 イさん:実家で飼っている犬です。韓国語で、サツマイモのことをコグマというところから、クマと名付けたんですが……。僕はもともとやせていて、干しイモに似ているといわれていたことがあったのと、筋トレとか運動をたくさんしていたときに、サツマイモをよく食べていたので、昔の僕のあだ名がイモ(コグマ)だったんです(笑い)。で、それにちなんでいるんですよ。

 はるなさん:へえ。犬なのにクマって、面白~い! 犬種はなんですか?

 イさん:ポメラニアンとスピッツのミックスです。

 はるなさん:じゃあ私と同じ、ハーフですね(笑い)。

 ◇もしはるなさんが今作に出演したら?

 −−話を戻しまして……。イさんが演じるチ・ヒョンミンは、ハードボイルドで精神的にも複雑なものを抱えている役柄ですが、どのように役作りを?

 イさん:役作りについては、どんな髪形でとか、毎日現場に出向いている刑事ならどんな格好で、どのくらいのペースで着替えているのかなど、さまざまなことを想定して考えました。チ・ヒョンミンの性格については、台本に描かれているものを忠実に演じていれば、おのずとそこに彼の姿が、浮き出てくるだろうと思いましたね。

 −−台本は、撮影の際にその都度届いたそうですが、先の展開はどの程度まで分かった上で演じられたのですか?

 イさん:韓国では、台本が遅れて撮影中に上がってくるようなことが、よくあるんですが、だいたいのあらすじは最初にいただいています。せりふは書かれていませんが、だいたいの情報はそこに書かれているので、各登場人物の過去や先の展開は、ある程度、把握した上で演じていました。とはいえ、細かい部分で見えないところが多かったので、その点で演じるのは大変でしたね。ただ考え方として、私たちが過ごしている日常も、明日何が起こるとかどんな未来が待っているかとか、分からないわけじゃないですか。それと同じドキドキの中で、役を演じていたので、その部分で非常にリアルになったのではないかと思いますね。

 −−では、もしもはるなさんが「ハートレスシティ」に出演するとしたら、どんな役がいいと思いますか?

 イさん:博士の息子をすごく可愛がっている、イ・ジンスクという女性の役はどうでしょうか。今作ではキム・ユミさんという女優さんが演じているのですが、この役は人間的な幅があって、相手を受け止めることができて、器量のいい方でないと難しいんです。自信があって、堂々としているはるなさんにぴったりだと思いますよ。

 はるなさん:え~! 本当ですか? うれしいです! もし私がやるとしたら、潜入捜査官の役もぴったりだと思いますよ。すでに(男だという)身分を一つ隠していますから(笑い)。

 ◇はるなさんパンソリ実演

 −−今回の来日では、ファンミーティングも行われたそうですが。昨年のファンミーティングでは、尾崎豊さんの「アイラブユー」を流しながら登場したそうですね。

 イさん:ええ。韓国では、日本のポップスがリメークされることが多いので、触れる機会がたくさんありました。安全地帯や玉置浩二さんの作品は好きでアルバムも持っていますよ。尾崎さんはもちろん好きなのもあり、日本のファンのみなさんにもなじみがあると思ったので使わせていただきました。ところで今、日本ではどういう曲が人気ですか?

 はるなさん:AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」とか知っていれば、きっとどんな現場でもウケると思いますよ。あと個人的にオススメなのは、少し昔の曲ですが、松田聖子さんの「あなたに逢いたくて」ですね。ちなみに私この間、韓国のパンソリ(韓国の古典芸能の歌)を習ったんです。低音から高音まで幅広い音域を使うので、あれはすごく難しいですね。(はるなさん、パンソリ実演)

 イさん:すごいですね! 韓国でもできる人はそんなにいないですよ。僕はまだやったことがなかったのですが、昨年パンソリを扱った映画を見て、すごく魅了されたんです。それ以来、そういう古典芸能や伝統音楽を探して聴いていたところだったので、すごくタイムリーで驚きました。でも、はるなさんは、どうして習おうと思ったのですか?

 はるなさん:韓国好きが高じて、歴史や伝統文化も学びたいと思ったんです。それでパンソリを初めて聴いたとき、すごく心が揺さぶられたので、機会があったらぜひやりたいと思って。

 イさん:そんなにも韓国のことを、深く理解して愛してくださっているなんて、とてもうれしいです。

 −−では最後に、イさんから読者にメッセージをお願いします。

 イさん:演じている僕たちも、先の展開がどうなるか楽しみにしながら演じました。間違いなく面白いドラマ、長く記憶に残るドラマになります。物語は、博士の息子と私が演じたチ・ヒョンミンの対決が多く描かれていますが、みなさん博士の息子ばかりを応援せずに、僕のことも応援してください!

 はるなさん:は~い! 応援しま~す!

 <プロフィル>

 イ・ジェユンさん:1984年生まれ、身長186センチ。ドラマの代表作は「ファントム」「夜王」など。今年は、映画「官能の法則」「君は私のバンパイア」に出演。

 はるな愛さん:大阪府出身。エアあややでブレーク。以降、ニューハーフタレントの草分けとして数多くのテレビ番組で活躍。2009年には、ニューハーフの世界一決定戦「Miss International Queen 2009」で優勝した。

 *……ドラマ「ハートレスシティ~無情都市」は、無料BSテレビ局「Dlife(ディーライフ)」で毎週金曜深夜0時に放送中。発売中のDVDボックス第1巻に続き、7月2日にはDVDボックス第2巻が発売される。

 (取材・文・撮影:榑林史章)

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