女優の吉高由里子さんが主演のNHKの連続テレビ小説「花子とアン」が26日、クランクアップを迎え、横浜市青葉区のスタジオで会見とセレモニーが開かれた。吉高さんは「女優として、この仕事が最後になってもいいやと思っていて、女優を続けようかやめようか迷っていた時期もあった……」と明かし、「とてもすてきな人達に出会ってしまって、この人達とまた仕事をしたいなと思って、それが続ける理由にもなっちゃいました」と語った。
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吉高さんは会見で、「大切なことを話そうとすると泣きそうになる。ということは自分の中でこの作品が大切なものになってしまっていて……。手放すのが本当に惜しいというか、いとおしい作品」と声を震わせながら語り、「最初のころは苦しかった。26本(週分)も台本を持ったことないから。この日(クランクアップ)が想像できなかった。こんなに自分の中を占領する作品になるとは……」と改めて長期間にわたった撮影の日々を振り返った。
セレモニーには花子の夫を演じた鈴木亮平さんや花子の親友・蓮子を演じた仲間由紀恵さん、花子の兄を演じた賀来賢人さんら共演者が駆けつけ、鈴木さんは「10カ月間、体調を崩したり、英語のせりふが入らなくてパニックになっていたり、それを見せないで現場の雰囲気を考えていた由里子ちゃんを尊敬しています」と褒め、仲間さんも「10カ月に及ぶ撮影は普通にできることではない。横でその姿を見て、彼女は負けずにいつも前を見て励んでおりました」と“腹心の友”をたたえた。
花子の兄を演じた賀来さんは“座長”としての吉高さんを「締めるときは締めるし、盛り上げるときは盛り上げるし、寝るときは寝るし、いろんなパワーや表情を見られた」、花子の上の妹・かよを演じた黒木華さんは「吉高さんを見ていると元気になれた。本当のお姉ちゃんのようだった」、花子の下の妹・ももを演じた土屋太鳳さんは「お姉やんが大好きです。お姉やんの妹で本当によかった」とそれぞれ吉高さんにメッセージを送ると、吉高さんも感極まった様子だった。
同局の加賀田透チーフプロデューサー(CP)は「これまでの朝ドラのヒロインとは違う、吉高さんなりの花子を作り上げた」と吉高さんを絶賛し、放送開始から21週連続で21%超えの高視聴率を記録している同ドラマについて、「予想以上の手応えを感じている」と語った。
ドラマは、「赤毛のアン」などを翻訳した主人公・花子(はな)の明治・大正・昭和にわたる波瀾(はらん)万丈の半生を、「Doctor−X」(テレビ朝日系)などの中園ミホさんの脚本で描いている。原案は、花子の孫・村岡恵理さんの著書「アンのゆりかご」。はなは山梨の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて東京の出版社に勤め、翻訳家の道へと進んだ人物で、吉高さんが10~50代を演じる。全156回。ドラマの最終回は9月27日に放送される。
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