テラフォーマーズ:膝丸役の細谷佳正 「喜怒哀楽」全部出した

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 コミックス累計880万部を突破する週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載中の人気マンガ「テラフォーマーズ」のテレビアニメ「TERRAFORMARS/テラフォーマーズ」 がCSテレ朝ch1などで放送される。火星で驚異的な進化を遂げたゴキブリ(テラフォーマー)と人類の戦いを描いたSF作品。アニメ版で主要キャラクターの膝丸燈(ひざまる・あかり)を演じるのは、人気声優の細谷佳正さんだ。自身も原作のファンで、膝丸は「完全ではないところが魅力」と語る細谷さんにアフレコの感想やアニメの魅力について聞いた。

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 ◇膝丸の魅力は“人間臭さ” 

 「テラフォーマーズ」は、貴家悠さんが原作、橘賢一さんが作画を手がけるSFアクションマンガ。アニメではサンプル採取に向かった大型宇宙船「アネックス1号」の乗組員たちとテラフォーマーとのし烈な戦いを描く。細谷さんが演じる膝丸は、火星から飛来した未知のAEウイルス感染で幼なじみを亡くし、助けられなかった後悔から人類の存亡を懸けた火星での「アネックス計画」に参加、誰よりも強い勇気と優しさを併せ持ち、絶望的な状況でも諦めずにクルーを引っ張っていく役どころだ。

 細谷さんは自らが演じる膝丸について「仲間のために強くなれる男」と分析し、「自分を支えてくれる人たちによって、どんどん『強い』ところに登っていく様は非常に人間っぽい。完全ではないところが魅力です」と“人間臭さ”にひかれると明かす。それゆえに、「最初から隙のない強い男というよりも、弱さや柔らかさ、優しさなど『甘い』と言われる部分を持って戦っている人物だと思ったので、そういう部分は必ず持って収録に臨んでいました」と振り返る。

◇最初から「喜怒哀楽」を全部出した

 だが、そんな“人間臭さ”は演じるうえでの難しさにもなった。喜怒哀楽、人間が持つあらゆる感情を表に出す必要があったからだ。「1話では喜怒哀楽を全部やっているんですよ。心を追っ付けていくのがすごくしんどかった」と苦悩を明かしながらも、「第1話にそれほど感情の振れ幅があるドラマって、自分のこれまでの仕事ではなかったですね。たった1話で泣いたり笑ったり怒ったりを全部やる、というのは精神的にも大変でしたが、やりがいはありました」と充実した表情を見せる。

 スリリングなバトルシーンの印象が強い同作だが、細谷さんが挙げるアニメの見どころは日常の何気ないシーンだといい、「(人体を強化する)『M.O.手術』を終え、目が覚めた後にミッシェルと普通の会話をするんですが、そこは全編通して地球で最後の日常的なシーンなので注目してほしい」と語る。もう一つの見どころは「戦いの最中で(親しい少年の)桜人のことを思い出すシーン」だといい、「非情になり切れない膝丸の人間性を象徴している。膝丸の厚みが分かるシーンだと思います」と熱く語る。

 ◇原作との違いを楽しめる仕掛け

 膝丸の魅力、膝丸への思いを熱く語ってくれた細谷さんだが、他に演じてみたいキャラクターはいるのだろうか。質問してみると、「(敵対する)中国サイドのタコの人(第4班班長のリュウ・イーウ)」という意外な答えが返ってきた。「ああいう狡猾(こうかつ)なキャラクターをやってみたいんですよ。年を重ねてそういう憎まれ役を演じられるようになりたいですね」と夢を膨らませる。

 自身も原作のファンだ。アニメ版には「監督が素晴らしい仕掛けをたくさん用意しているので、原作を熟読している人でも違いを楽しめると思う」と明かす細谷さん。「でも、原作ファンががっかりする違いでは決してないです! 原作を読みつつアニメを楽しんでいただけたら」と呼びかけ、「この原作の素晴らしさを、アニメでも伝えていけると思っています」と自信を見せていた。

 アニメ「TERRAFORMARS/テラフォーマーズ」はテレ朝ch1で10月2日深夜0時から毎週木曜放送。TOKYO MX、ABCなどでも放送される。

 <プロフィル>

 ほそや・よしまさ。2月10日生まれ。広島県出身。「進撃の巨人」のライナー・ブラウン、「ハイキュー!!」の東峰旭など、多くの人気作品でメインキャラクターを演じている。外国映画の吹き替えなどでも活躍中。

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