俳優の森山未來さんが、イスラエルでの1年間の生活を“自撮り”したドキュメンタリー番組「踊る阿呆 森山未來・自撮り365日」(NHK・BSプレミアム)が17日に放送される。最初は「これ、誰が見るんだろう?」と思ったという森山さんが、自分でカメラを回しながら送った遠い異国の地での経験を振り返った。
ウナギノボリ
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番組は、文化庁の文化交流使として、遠くイスラエルでダンスカンパニーに籍を置くことになった森山さんが、日々の生活を手渡された小さなカメラで“自撮り”。その映像をまとめた異色のドキュメンタリー作品になっている。森山さんがイスラエルに渡ったのは2013年10月。遠い異国の地での生活は丸1年、365日間に及んだ。
最初の約半年間は、企画が通るか分からない状態で、森山さんは「とにかく撮るしかなかった。半信半疑でとりあえず撮っていたんですよね」と振り返る。“自撮り”というアイデアは「客観的には面白いと思った」というが、「これが番組のすべてになるとは思わなかったし、ただ記録しようとしただけで、カッコいい映像を撮ろうともしなかったし、少なくとも自分を撮るということに対して、そこまで興味はなかったですね」と正直に明かす。
出来上がった作品についても「やっぱりこれ誰が見るんだろうって(笑い)。撮った素材はすべて僕は知っているので、どことどこを使ったかも分かっている。だから客観的には見られないし、面白いかどうかもイマイチわからない」と苦笑まじりに語る。それでもイスラエルでの1年間の生活は「有意義なものだった」といい、番組中、カメラがとらえた何気ない日常やダンスと真摯(しんし)に向き合う姿からもうかがい知ることができる。
また以前から「日本ではないどこかの空間で、作品作りとか、クリエーションに関わりたいと思っていた」とも話す森山さん。表現の場においてのイスラエルの特徴として、「混沌(こんとん)としていて構築されていない生々しさ」と「区別のなさ」を挙げ、「そんなボーダー(区別)というものを感じさせないところに1年間いることができたので、自分の中の曖昧な部分、“曖昧でいる”ということを、そのままでもいいと思えるようになった」と心境の変化を口にする。そして、「“曖昧でいる”っていうことに対しての答えは一つ見つかったんじゃないですかね」と満足そうな表情を見せた。
ドキュメンタリー番組「踊る阿呆 森山未來・自撮り365日」はNHK・BSプレミアムで17日午後10時に放送。
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