話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、マンガ大賞に2年連続でノミネートされた三部けいさんの「僕だけがいない街」です。KADOKAWAの角川書店ブランドカンパニー第一編集部の松宮庸典さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
ズバリ「引きの魅力」では、と考えております。母親が殺されたことをきっかけに18年前へと戻ってしまった主人公・藤沼悟。その時代は、悟のクラスメイトが巻き込まれた「連続誘拐殺人」のあった時代だった。過去の殺人事件と現代の母親殺しに関係が? その事件の解決を悟が目指す……といったサスペンス作品なので、元々続きが気になるように、と三部先生と考えて作っております。特にコミックス各巻の最後は、読者の皆さんにやきもきしてもらえるように先生と一緒に知恵を絞っております(笑い)。
−−作品が生まれたきっかけは?
角川書店で三部先生にお仕事を頼むにあたって、先生のやりたいこと(構想)をお尋ねしたところ、「雪の中でたたずむ少女」というビジュアルイメージと、ヒューマンドラマ的な内容をいただきました。その構想を基に角川書店という出版社が持つイメージ・掲載誌「ヤングエース」の読者層に向けた要素と、先生の「親や友人たちに言わなければ良かった・しなければ良かったということを【やり直したい】という思い」を足し込んだ結果、今の作品内容となりました。ただタイトルだけは、最初から先生が出したものから変更はありません。「すごくいいタイトルだなあ」と思ったことを覚えています。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
昨年の秋、三部先生が肺炎で入院されたことです。自分の父も肺炎で倒れていたので、連絡を受けた時は本当に「ドキッ」としました。幸い大きい問題もなく、健康面としてはいろいろと検査も受けられたので良かったのですが、当時は毎日ドキドキ・ビクビクしていました……。
−−今後の展開は?
コミックスでしか読まれていない方もいらっしゃると思うので、細かくはお伝えできませんが、この先「なぜ、このタイトルなのか?」という謎が明かされる展開が待っております! ぜひ楽しみにしていただけるとうれしいです。
−−読者へ一言お願いします。
「やり直せる」という、誰もが憧れて止まない能力を持った主人公・藤沼悟が、「やり直した」先に得るもの、そして失うものとは何か? その結末をぜひ、読者の皆様にも読んでいただければと思います。また3月20日発売予定の「北海道Walker」で、三部先生の出身地・苫小牧を紹介したコラボマンガが掲載されます。良かったら見てください~!
角川書店BC(ブランドカンパニー) 第二編集局 第一編集部 松宮庸典
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