テレビアニメ「境界のRINNE」のオープニングテーマ曲「桜花爛漫」が好評の4人組バンド「KEYTALK(キートーク)」が、同曲や「FLAVOR FLAVOR」などシングル曲も収録したメジャー2枚目のフルアルバム「HOT!」を20日にリリースした。独自のポップセンスとキャッチーさを持った音楽性やアルバムについてメンバーに話を聞いた。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
――「桜花爛漫」は、テレビアニメ「境界のRINNE」オープニングテーマですね。高橋留美子さんの原作マンガはご存じでしたか。
首藤義勝さん:はい。僕はマンガやアニメが好きで、「らんま1/2」「犬夜叉」なども見ていましたよ。それに、親が「めぞん一刻」の世代なので、今回の話をしたときはすごく喜んでくれました。ちなみに、もし女の子が生まれたら「響子」(「めぞん一刻」のヒロインの名前)にしようと思っていたらしいです。僕の名前も、へたしたら「惣一郎」(「めぞん一刻」に出て来る犬の名前)になっていたかも(笑い)。
楽曲は、原作を読ませていただいて、物語の世界観に寄り添ったものになるよう意識しました。映像との兼ね合いもあって、疾走感がある方がいいというお話もいただいたので、それをヒントにしながら作っていった感じです。
小野武正さん:アニメタイアップは大きなチャンスになるので、バンド内でもやりたいねと以前から話をしていたんです。KEYTALKらしさと、いい意味でのアニメのオープニングらしさが、うまく入り交じった曲になったと思います。
寺中友将さん:個人的には、Bメロが好きですね。Bメロがいいと曲全体が引き締まるという、自分の中での理論があって。まさにこの曲は、それだと思いました。
八木優樹さん:(首藤)義勝はアニメが好きなので、曲の構成的にもアニメのことをよく分かって作っているなと感心しました。演奏で意識したのは、歌をどう生かすかということ。基本的には、元気よく楽しく演奏した感じです。
――春の季節感も意識して作られたのですか。
首藤さん:もともと春ソングを意識したわけじゃなかったんです。ヒロインの名前が真宮桜だったので、桜をキーワードにしていて。ちょうど時期的に春だったので、結果的にいろいろハマりました。あと意識したのは、和風な音階にしぼってメロディーを作ったところ。春らしさを感じていただけたのは、それも理由にあると思います。
――初回の放送はご覧になりましたか。
寺中さん:初回の放送はライブ当日だったので、楽屋のテレビでみんなと一緒に見ました。メンバーと一緒じゃなかったら、感動で泣いていたと思います(笑い)。映像とのハマりがすごくよくて、アニメ作品の一部にしっかりなれていると思ったし、でも不思議な感覚もあった。やってきたかいがあったなと思いました。
小野さん:偶然にも、その日のライブで初披露したのですが、反応はすごくよかったです。ライブで演奏を重ねて、これからもっとよくなっていきそうだなという手応えを感じました。KEYTALKの看板となる曲が、また一つ生まれたなという感じです。
――そんな「桜花爛漫」も収録したアルバム「HOT!」をリリースしました。春の次は夏ということで、タイトル通りアツくて、夏先取りのアルバムになりましたね。
小野さん:メジャーデビューして1年半で、大きな会場だったりたくさんのお客さんの前で演奏する機会が増えて。そんな中で、よりたくさんの人に届けられる曲をたくさん歌っていきたいと、より思うようになりました。そういうことが、大きなテーマみたいなものとしてあったと思います。
歌詞の分かりやすさ、聴きやすいテンポ感、歌の伝わりやすさ。キャッチーな音楽ということでは、今までもそういう意識があったけれど、そこから数段階上のキャッチーさを目指した感じです。
――ライブ映えする曲ばかりですね。特に1曲目の「YURAMEKI SUMMER」からいきなり来たなという感じでした。
首藤さん:ライブの定番曲になるように、お客さん参加型の曲を目指して作りました。一緒に歌えるパートもたくさんあって、そこはレコーディングでもメンバー全員で歌っています。歌詞は、レコーディング直前のギリギリになって、夏の歌にしようと思って一気に書き上げました。実はインディーズのときの曲で「MABOROSHI SUMMER」という曲名があって。あえて表記を似せているので、当時の曲を知ってる人は、ちょっとザワッとなるんじゃないかと思って、こういうタイトルを付けました。
――2曲目の「グローブ」は、野球がテーマ。作詞・作曲を担当した寺中さんは野球の経験があるんですか。
寺中さん:ゲームの「実況パワフルプロ野球」を少々(笑い)。テレビのドキュメンタリー番組で、プロ野球への夢をあきらめ切れずに、挑戦し続けている人の話を知って、カッコいいなと思ったんです。でも、家族を守るためとか、さまざまな理由で夢をあきらめた人も大勢いるわけで、それも同じくらいカッコいいと思いました。そこで、その2人を主人公にして、それぞれの物語が並行して進んでいくように書いていきました。ボーカルが2人なので、歌い分けによって主人公が変わるというやり方をしているのが、面白いんじゃないかな。
――小野さんが作詞、八木さんが作曲の「キュビズム」という曲も面白い作りの楽曲ですね。
八木さん:変な曲です(笑い)。ロックとレゲエが、合わさった感じにしようと思っていて。まずメロディーを書いて、それを元にトラックを作って、歌詞は(小野)武正くんにぶん投げました。そこから何度かキャッチボールして作ったんです。武正くんが、ラップっぽい歌詞を持って来てくれたことで、曲の世界観が広がりましたね。
小野さん:コードが少なくメロディーがシンプルなので、韻を踏んだりして、ラップっぽくしたいなと。タイトルの「キュビズム」は美術用語で、いろんな角度からの視点を一つの平面の絵に落とし込む手法のことで、ピカソなどが有名なんです。そこに掛けて、ものごとは角度によっていろんな捉え方がある。でも本質は一つですべてがつながっている。要は、目に見えているものだけがすべてではないんだよ、と。そういうちょっと哲学的なことを、パッと聴いたとき「何だろうな?」と思うような形で表現しました。常日頃から、そういうことを考えているので、僕らしい歌詞かなと思います。
――アルバムは全体的にダンスロック調のナンバーが主体で、和風のテイストがあったり、聴きやすいポップなナンバーもそろっています。後半には「センチメンタル」や「バイバイアイミスユー」など、切なくてキュンとするミディアムナンバーも収録している。実にバラエティーに富み、バンドという枠を超えた作品になりましたね。
寺中さん:完成作を何度も自分で聴きました。今まではそういうことってなくて。自分でも聴いてもいいと思えるということは、相当いいものになったということなんじゃないかな。
小野さん:この1年半くらいの活動で得たもの、その間にみんなで話し合ったこと、すべてが集約したアルバムになったと思います。いい意味でメジャーっぽいアルバムになったので、これまで以上に幅広い人たちに聴いてもらえる作品になったと思います。
八木さん:すごく食べやすい食べ物のように、消化しやすいと思うし。ずっと長く食べ続けられる作品になったと思います(笑い)。何年後とかでも、違和感なく聴いてもらえるものになりました。ここまでポップでキャッチーに振り切った作品は、ほかにはないと思います。ずっと長く可愛がってほしいアルバムです!
首藤さん:今までで、一番満足がいくものになりました。これまでも、作品にはバンドの成長を重ねてきましたが、メジャーのフィールドで活動するバンドとしての成長を詰め込むことができたのは、このアルバムが初めてかもしれないです。成長にもいろいろあって、楽器がうまくなるとか、いい曲が作れるようになるとか。そういう視点よりも、もっと大きなところで成長できたアルバムだと思います。アルバム1枚で、1本のライブを見た感覚になるような構成も意識したので、ライブで演奏するのが楽しいです。10月28日に日本武道館(東京都千代田区)での公演も決まったので、武道館でやるのが本当に楽しみです!
<プロフィル>
メンバーは小野武正さん(ギター&コーラス)、首藤義勝さん(ボーカル&ベース)、寺中友将さん(ボーカル&ギター)、八木優樹さん(ドラム&コーラス)の4人。2009年に結成。インディーズ活動を経て、2013年11月にシングル「コースター」でメジャーデビュー。キャッチーさを持ったメロディーと踊れるバンドサウンド、ツインボーカルというスタイルでバンドシーンで注目を集め、さまざまなロックフェスに引っ張りだこだ。現在アルバム「HOT!」を引っ提げての全国ツアー「KEYTALKのHOTをMOTTOワンマンツアー」を開催中。8月には「rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」などフェスに出演。10月28日に日本武道館(東京都千代田区)公演を開催する。
(取材・文・撮影/榑林史章)
モデルのゆうちゃみさんが、12月23日に発売される国内リゾートウエディング情報誌「ゼクシィ国内リゾートウエディング2024 Winter&Spring」(リクルート)の表紙に登場…
俳優の松坂桃李さんが主演を務める2025年1月期の日曜劇場「御上先生」(TBS系、日曜午後9時)の初回放送が1月19日に決まり、ポスタービジュアルが12月23日、解禁された。また…