お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが20日、東京都内で行われたイベントに登場した。自身の小説「火花」が「第28回三島由紀夫賞」に続き「第153回芥川龍之介賞」(芥川賞)にもノミネートされた又吉さんは「自信はないですね、正直。(審査員に)どういうふうに読んでいただけるんやろという期待と不安」と率直な感想を語った。
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芥川賞は、1935年に文藝春秋が創設した文学賞。純文学の分野で年2回、無名または新進作家の既発表作品から選考される。今年の選考委員会は7月16日に開催予定。又吉さんは、「火花」の高評価について、「ちゃんと読んでくださったことがうれしい。『芸人が書いたものなんて読むか』と言われると傷つく」といい、「書いていた時は本当に想像もしてなかった。ちゃんと小説として正面から読んでもらえるか、読んでくれたらいいけれど、なかなかな……と思っていた」と喜んでいた。
芥川賞のノミネートは移動中の車中、電話で連絡を受けたといい、「何か僕いらんこと言うたかな? ものすごく偉い人に怒られるんやと思った」と勘違いしたという。受賞については「他の方の作品を読めてないですけれど、比較だったりするので難しい」と自信なさげで、受賞しても「できれば(先生とは)呼んでほしくない。書いていることも、先生とは真逆のことを書いているつもりです」と恐縮していた。さらに受賞した際の“公約”を聞かれても「僕はそれ(公約)をしない、という新しい選択をしたい!」と拒否。約1カ月後の受賞発表までどう過ごすかと聞かれ、「もう書き終わっているので、願掛けは難しいですが、どうせなら、次の作品を書き始められたらいいなと思います」と執筆意欲をのぞかせた。
イベントは又吉さんの初めての俳句入門として、雑誌「すばる」2012年10月号から連載している「ササる俳句 笑う俳句」をまとめた「芸人と俳人」(集英社)の刊行記念トーク&サイン本お渡し会。又吉さんが弟子入りした気鋭の俳人・堀本裕樹さんも参加した。イベントにちなんで「芥川賞ノミネートの気持ちを俳句にしてください」と記者から無茶ぶりされると、又吉さんは「お言葉を返すようですが、今この場で『1600字の記事にしてください』と言っているようなもんですよ!」と反論。「1時間もらえますか? 歳時記持ってくるんで」と切り返し、笑いを誘った。
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