注目映画紹介:「脳漿炸裂ガール」 エビ中・柏木ひなたと竹富聖花のW主演でボカロ曲初の実写映画

「脳漿炸裂ガール」のワンシーン (C)2015映画「脳漿炸裂ガール」製作委員会
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「脳漿炸裂ガール」のワンシーン (C)2015映画「脳漿炸裂ガール」製作委員会

 アイドルグループ「私立恵比寿中学」の柏木ひなたさんと、女優の竹富聖花さんがダブル主演を務める映画「脳漿炸裂ガール」(アベユーイチ監督)が25日に公開される。今作は、関連動画の再生回数が4000万を超える人気ボカロ曲「脳漿炸裂ガール」を基に映画化。不条理なゲームに参加させられることになった女子高生たちを待ち受ける運命や、必死に挑戦する姿を描いている。楽曲の勢いやスピード感などをそのまま持ち込んだ映像は、完成度が高く、曲の世界観を見事に表現。主題歌として、アイドルグループ「私立恵比寿中学」が「脳漿炸裂ガール」を歌う。

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 小さな頃から憧れていた聖アルテミス女学院に入学した市位ハナ(柏木さん)は、ある日、教室で目を覚ますとクラスメートたちと檻(おり)に入れられていた。そして、携帯電話を使った「黄金卵の就職活動(ジョブハンティングゲーム)」という謎解きゲームに参加させられるが、勝ち残った1人だけが「真の卵」として大人の仲間入りができるというサバイバルなデスゲームだった。クラスメートが次々と脱落していく中、ハナは同級生の稲沢はな(竹富さん)と力を合わせてゲームを勝ち抜いていくが……というストーリー。

 ボカロ曲を実写映画化するのは今作が初めてとのことだが、軽快なメロディーに四字熟語の羅列と皮肉な表現がたっぷり詰め込まれた楽曲の世界観が、見事に映像に変換されているのには驚かされた。設定としてはデストピアものに分類できるが、非現実的な世界観の中にも10代の流行やカルチャーが融合し、どこかしらポップさ、今どき感といった時代性を感じさせる。衝撃の脳漿炸裂シーンをはじめ、シリアスな雰囲気が満載ながらも、ライトノベル風味の軽妙なノリを取り入れることで、バイオレンス感を排除しているのも好印象。その結果、痛快さやエンターテインメント感を十分に味わえる。柏木さんと竹富さんという2人の主演女優が、けなげさや恐怖感といった感情を体当たりで表現。さらにクライマックスに向けて移り変わる表情は演技力の高さにうならせられ、必見だ。角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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