鳥越俊太郎さん:スクープの舞台裏明かす 山路徹さんとトークショーで秘話

取材秘話を明かす鳥越俊太郎さん(左)と山路徹さん
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取材秘話を明かす鳥越俊太郎さん(左)と山路徹さん

 ジャーナリストの鳥越俊太郎さんが19日、著書「鳥越俊太郎 仕事の美学 君は人生を戦い抜く覚悟ができているか?」(日本実業出版社)の出版を記念して、紀伊國屋新宿南店で、ジャーナリストの山路徹さんとトークショーを開いた。鳥越さんと山路さんが、報道番組「ザ・スクープ」(テレビ朝日系)でスクープした「桶川ストーカー殺人事件」や「和歌山カレー事件」の舞台裏が明かされた。

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 鳥越さんは、1965年に毎日新聞に入社。社会部記者などを経て、「サンデー毎日」の編集長時代には当時の宇野宗佑首相の女性スキャンダルをすっぱ抜き、辞任に追い込んだ。その後、「ザ・スクープ」などの報道番組でキャスターとなり、「桶川ストーカー殺人事件」の調査報道で、ストーカー規制法制定のきっかけを作るなどした。

 トークショーで鳥越さんは、山路さんを、長年取材をともにしてきた仲で、「最近バラエティー番組にばかり出ているけど、本当は戦場から伝えるジャーナリスト」と紹介。99年に発生した「桶川ストーカー事件」で、ストーカー被害に遭った女性が相談した警察の対応を問題視する報道をしようとして、「何度も企画書を作ったが、なかなか取材の許可が出なかった。取材に手を挙げるディレクターもおらず、山路君が一緒に取材してくれて、最後はストーカー規制法が制定されるまでになった」と振り返り、山路さんも「世間を敵に回したような取材だった」と語った。98年に発生した「和歌山カレー事件」で、混入された毒物が当初発表された青酸化合物でなかったことを見抜き、山路さんと調査してスクープしたエピソードなどを紹介し、「仕事には、ひらめきと直感も大事だ」と語った。

 「君は人生を戦い抜く覚悟ができているか?」は、記者、キャスターとして取材したエピソードを振り返りながら、鳥越さんが仕事に必要な力として重視している「直感力」と「覚悟」について語っている。

「鳥越俊太郎 仕事の美学 君は人生を戦い抜く覚悟ができているか?」四六判、208ページ、1404円。

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