娘の不可解な死の真相を探る行動心理学者の父親と死の鍵を握る同級生の少女の心理戦を描いた「罪の余白」(大塚祐吉監督)が3日から公開される。原作は、野生時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央(あしざわ・よう)さんのデビュー作。復讐に燃える父親を内野聖陽さんが熱演している。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
妻に先立たれた安藤聡(内野さん)は、娘の加奈(吉田美佳子さん)と2人で仲よく暮らしてきた。ところがある日、加奈が学校のベランダから落ちて死んでしまう。大学で行動心理学を教えている聡は、娘の異変に気づくことができなかったと後悔する。娘の日記を読み、いじめに遭っていたことを知った聡は、死の手がかりをつかむために高校の学園祭を訪れる。そこで、娘の日記に記されていた少女・咲(吉本美憂さん)が、自分をだましていたことに気づく。しかし、咲はひるむことなく安藤をわなに陥れようとして……という展開。
キリキリとした心理戦が続く。操る者と操られる者が、どう逆転していくのかが気になる。娘を亡くした父親のエモーショナルな行動も見どころだ。父親の聡は、娘を失ったことで自分を責め、酒に溺れて無残な姿になり、大いに涙を流して復讐(ふくしゅう)の鬼となる。咲はそんな聡を挑発し、あの手この手で卑劣なわなを仕掛ける。ベテラン・内野さんの気迫ある芝居に、吉本さんも体当たりの演技で対抗した。咲は取り乱すことはほとんどなく常に平静を保っている。だからこそ憎々しい。吉本さんは第13回全日本国民的美少女コンテストのグランプリを受賞した。狡猾(こうかつ)で冷徹で、同級生たちを従えるカリスマ性のある咲を、声色を変えながら繊細に演じている。ふとした表情にこの少女の孤独も垣間見られ、彼女のプライドが崩れる瞬間は見逃せない。聡と咲がお互いに追い詰められていく様子が、学校の上層階や高層マンションといったロケーションの中で描かれ、緊迫感も倍増している。曇った海の色も印象深い。聡を支える同僚を谷村美月さんが好演しているほか利重剛さん、加藤雅也さんらが出演している。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで3日から公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。「スクールカースト」に震え上がりました。
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のアニメ「呪術廻戦」のテレビアニメ第2期「懐玉・玉折」に登場する高専時代の五条悟らをデザインし…
タレントの黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」として12月14日、ギネス世界記録に認定された。1981年3月6日に刊…
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第32回「小牧長久手の激闘」が、8月20日に放送される。家康(松本さん)は秀吉(ムロツヨシさん)側の1…
アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーの松村沙友理さんが、6月9日発売のムック本「じゃらん酒旅BOOK 2022 保存版」(リクルート)の表紙に登場する。
アイドルグループ「乃木坂46」のデビュー10周年記念公式ムック「N46MODE(エヌヨンロクモード) vol.2」(光文社、5月10日発売)の裏表紙が5月5日、公開された。