アメトーーク!
ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
3人組グループ「いきものがかり」のデビュー10周年記念ベストアルバム「超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~ 」が15日にリリースされた。今作の発売日は、2006年3月15日にメジャーデビューをした3人にとって、ちょうど10周年のメモリアルデーにあたる。そんな記念すべき日を迎えた3人に、10年間の思いや各々の個性で成り立つメンバー間のバランスなどについて聞いた。
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――デビュー日である10年前の3月15日は何をしていたか覚えていますか。
水野良樹さん:地元のFMヨコハマでレギュラー番組を持っていたんですけれど、日付が変わった水曜の深夜が放送時間で、「今日、デビューしました!」っていう生放送をして、その後、僕らをレギュラーに抜てきしてくれたFMヨコハマのディレクターさんがシャンパンを持ってきてくれて、楽屋で数人のスタッフと乾杯、みたいな。それがすごく印象に残ってます。
吉岡聖恵さん:深夜だからオフィスがすごく静まり返っていて、会議室みたいなところに私たちだけがいて……。でも、デビューしてそれを祝ってもらったことで、「始まるんだな」っていう静かなワクワク感がありました。
山下穂尊さん:確か、(デビュー曲の)「SAKURA」のポスターにサインをして、その会議室に貼ったんですけど、いつからか、なくなってました(笑い)。
――デビュー10周年を迎えた心境はいかがですか。
水野さん:デビューした時は、(後に)30枚(以上)のシングルと7枚の(オリジナル)アルバムを出すっていうのを想像できたかというと、できてなかったので、CDがなかなか売れないといわれてるこの時代に、ちゃんとしたレコーディング環境の中で何十枚も曲を出して、しかも聴いてくださる方がいるっていうのは、ホントに幸福なグループだなあって思います。
――当時から、曲作りにおいては比較的、山下さんが“安産”、水野さんが“難産”の傾向だったそうですが、現在は?
山下さん:基本的にはあんまり変わらないんじゃないんですかね。僕も結局、時間をかけて作っても、サクッと作った曲の方が意外と評価されたりするんで。サクッていうのは、ホントに5、6分で書いちゃう時もあります。
――最近は吉岡さんも作曲をしていますね。3人の作風についてはどのようにとらえていますか。
吉岡さん:ほっち(山下さん)の作る曲は、やっぱりスルーッと出てきた感じがあって、流れるように歌えるというか、転がるような軽やかさがあって、リーダー(水野さん)はもともと、音程も緩急が激しくて、歌詞も練り直したりしてると思うので、インパクトや引っ掛かりがあったりするっていうのが結構、特徴かなと。自分はだいたい鼻歌で作っていて、“コード進行がこうだから(次は)こう行く”っていう作り方ではないので、2人からすると「よくそんなところにメロディーが行くよね」って。やっぱり、お互いの持ち場があるというか、例えばリーダーが作ってきた曲に対して、私やほっちが「ここはこうじゃない?」って言うこともないし、お互いがやっていることをすごく尊重していたり尊敬していたりするっていうのは変わってないです。
――それでは、3人のキャラクターや関係性は?
水野さん:一番最初に「こっちだー!」って走り出すのは僕で、(吉岡さんが)それについてくる場合もあるし、「いや違う」っていう場合もあるし。その様子を一番後ろの方で(山下さんが)見てるっていう。
山下さん:だから、すごく犬のリードを持ってる気分(笑い)。
吉岡さん:ホントのいきものがかり(笑い)! やっぱり、3人いるからいいのかなって。1人が何かやってる時に2人は冷静に見てたり、2人が突っ走ってる時に1人が冷静に見てたり……。三つの角があって、三角形のバランスとしては、ちょっと形を変えたりもするのかもしれないけど、基本的にその三角形がずっと進んでるっていう感じなんでしょうね。
水野さん:何かうまくバランスが取れてるよね。
――音楽的には、デビュー当時から目指していた「家族で楽しめるグループ」として老若男女に親しまれるようになったわけですが、その点についてはどう感じていますか。
山下さん:いきものがかりっていう存在って、特定の、例えば男性にウケるとか10代にウケるとか、そういうのが選べないグループだという自覚があるんですよ。あと、例えばアニメソングだけやっていたらちょっと違ってたと思うし、変な話、ロックバンドでCM(への書き下ろしや出演)とかもやらない方々っていらっしゃるじゃないですか。そういうことをやっていても、たぶん続かなかっただろうし、何とか生きていける場所が、今のようなこの立場だったっていうことが大きいと思うんです。
――そんないきものがかりの今後のビジョンは?
水野さん:ビジョンがね……。僕ら、「続けることが目標です」ってわりと早い段階から言っていて……。
山下さん:この世界で10年続けるって、なかなか難しいって当時から自覚してたし、だから10年続けられたら、一つは成功と言えるのではないか、みたいなことを言っていて、実際それが今、ホントにかなうっていうのは……。でも、例えばインディーズの頃は、これでちゃんとご飯を食べるためには、レコード会社も決まらなければいけないし、そこからCDも出し続けなければいけないし(と思っていて)……。なので、10年たったんですけど、(これまで通り)粛々とやっていくだけかなと思います。
<プロフィル>
メンバーは、リーダーでギターの水野良樹さん、ボーカルの吉岡聖恵さん、ギター&ハーモニカの山下穂尊さんの3人。2006年3月15日にシングル「SAKURA」でメジャーデビュー。吉岡さんが初めてハマッたポップカルチャーは、小学生の頃に見たスタジオジブリの劇場版アニメ「魔女の宅急便」。「主人公の女の子が、魔法が使えなくなって挫折して、だけど自分なりに生き抜く方法を見つけていく。私も大学時代に歌い方で迷って、でも結局、歌が好きっていうのがあってそちらに戻ったりしたので、女の子が成長していく物語がすごくいいなあって。2年ぐらい前に休みをいただいた時に、映画のモデルになっているスウェーデンの島やストックホルムの街を見に行って、結構、自分も影響されてるんだなって。元気が出る話だなと思います」と話した。
(インタビュー・文・撮影:水白京)
2024年11月25日 12:00時点
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