得能正太郎さんの4コママンガが原作のテレビアニメ「NEW　GAME！」が4日から順次、放送される。ゲーム会社に就職した新入社員で主人公の涼風青葉の声優を務めるのが高田憂希さんだ。高田さんが主演を務めるのは初めて。原作の青葉の「今日も一日がんばるぞい！」というせりふがネットを中心に人気を集めるなど、放送前から話題になっており、「プレッシャーがあります。とにかくフレッシュさを意識しています」と話す高田さんに大役への意気込みを聞いた。

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　◇初主演は不安だらけ

　「NEW　GAME！」は2013年から「まんがタイムきららキャラット」（芳文社）で連載中の4コママンガが原作。高校卒業後、ゲーム会社に就職した涼風青葉が、キャラクターデザイナーとして奮闘する日々が描かれている。アニメは「プラスティック・メモリーズ」などの藤原佳幸さんが監督を務め、「ゆるゆり」などの動画工房が制作。高田さんのほか、声優として日笠陽子さんや茅野愛衣さん、山口愛さん、戸田めぐみさんらが出演する。

　そもそも高田さんは、テープオーディション時点では青葉とは別の役を受け、スタジオオーディションに進む段階で、青葉役も受けることになったという。「オーディションの時点では、自分の声と青葉ちゃんの声がなかなか結びつかなくて、とても苦労したのを覚えています。その分、青葉役が決まった時は、とてもびっくりしました」と大役に抜てきされた喜びを語る。

　原作が人気作ということもあり「最初はどうしよう！？という不安だった。プレッシャーがすごかった」と明かす高田さん。初めての主役の高田さんと新卒でゲーム会社に就職した青葉はどこか重なる部分もあるが「青葉ちゃんは憧れ。先輩たちとコミュニケーションをとりながら、一生懸命になるところは、重なるところというよりも、見習うべき存在です」と話す。

　◇全力の「がんばるぞい！」はサラッと終わった

　初めての主役ということで、アフレコでは「ずっと、マイクの前にずっと立っている。会話の切り替えが大変。体力を使いますね。いい経験をさせてもらっています」と苦労も多い様子。一方で「まわりが先輩ばかりなので、現場の雰囲気が（アニメの舞台のゲーム会社）『イーグルジャンプ』のようだったりします。先輩から学ぶことが多いので、刺激が多いですね。最初は緊張したり、不安もありましたが、先輩方が和気あいあいと話しかけてくれるので、うれしいです。いい意味で緊張しないんです」と話すように共演者に助けられることも多いという。

　青葉を演じる上で意識していることは「フレッシュさ」。「監督からはとにかくフレッシュに！と言われました。青葉は一生懸命なキャラクターなので『高田も分からないことがたくさんあっても、取り組んでいこう！』と言われています。私も声優を始めてまだ数年目なので、フレッシュさというのは分かるところもある。自然に演じるようにしています」と言う。

　原作は、青葉の「今日も一日がんばるぞい！」というせりふがネットを中心に人気を集めている。このせりふは原作には一度しか登場しておらず、アニメも一度のみしか出てこない予定だという。人気のせりふということもあり、高田さんは「すごく意識しましたね。何度も練習をしていました」と気合を入れていたが「収録では1回で『OKです』となって、サラッと終わりました」と拍子抜けした様子だ。

　◇緊張の上映会で涙も

　高田さんは、初めての主演で「プレッシャー」という言葉を何度も口にし、6月11日にTOHOシネマズ日本橋（東京都中央区）で開催された先行上映会も登壇するまで「ずっと震えていました」と緊張していたが、「上映後に皆さんの拍手を聞いて、私が青葉でいいんだ……と安心して、涙が出てしまった。自信をいっぱいもらいました」とうれしそうに話す。

　また、高田さんはアニメの声優陣によるユニット「fourfolium（フォーフォリウム）」としてオープニングテーマ「SAKURAスキップ」とエンディングテーマ「Now　Loading！！！！」を担当。「歌ったり、踊ったりすることが大好きで、アニメのオープニングやエンディングを歌わせていただくのが一つの夢でした。夢がかないました！」と喜ぶ。

　アニメの見どころを「『がんばるぞい！』が注目されていますが、そこも注目していただきつつ、青葉の成長や先輩との関係性を見ていただければ。新社会人の方にも共感していただけるところもあると思います」と話す高田さん。「アフレコに行くのが楽しみで、始まる前から終わらないで！という気持ちです。自分なりに一生懸命頑張ります！！」と気合十分だ。「NEW　GAME！」の演技だけでなく、今後の活躍も注目される。