ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
DVDが発売中の海外ドラマ「フラーハウス」ファーストシーズンの日本語吹き替え版でタナー家の長女D.J.役を演じた坂本千夏さん、次女のステファニーを演じた大谷育江さん、タナー家の隣人でD.J.の親友キミー役を演じた伊藤美紀さん。「フラーハウス」は1987~95年に放送された「フルハウス」の続編で、有料動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で2016年に配信された。キャストと吹き替え声優が、「フルハウス」当時のままで制作されたことも話題を呼んだ今作について、また最近の声優ブームについて、アニメなどの人気作に数多く出演しているベテラン声優の3人に話を聞いた。
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20年ぶりに同一キャストが集まり続編が決まった時の心境を、伊藤さんは「『やったー!』って本当にうれしくて、うれしい以外の感想がないぐらいうれしかったです」と喜んだことを明かすと、坂本さんも「もちろんうれしかったですし、誰にも渡すものかと思っていました(笑い)」とうなずく。
聞いていた大谷さんも「アメージングです! 昔からやっていた作品をまた同じキャストで、ということもあり、さらに特別な作品になりました」と喜ぶと、「まさか大人になった役ができるなんてことは、思ってもみなかったです」と感慨深げに語る。
同じ役ではあるが、物語の中では時間がたち、3人が演じた役も大人へと成長している。「フルハウス」当時からの印象の変化や、あえて変えずに演じた部分があったかなどについて聞くと、伊藤さんは「キミーの場合は大人になってもキミーだった」と切り出し、「あの突拍子のなさ加減はちゃんと出さなきゃ、大人だからって遠慮してちゃいけない」と意識したという。
現場では、「ちょっと遠慮するともうダメ出しがきちゃう」と伊藤さんは明かし、「キミーは“普通の大人”にはなれない感じで、ものすごいマフラーを巻いていたりとか、服装も相変わらずでした」と笑うと、「おかしな色合いでも(キミーが着ると)似合っちゃう」と大谷さんは同意する。
3人の息子の母親となったD.J.について、坂本さんは「長女で真面目ですが、恋愛に関しては結構グイグイいく。恋愛部分で揺れ続けるというのを、個人的には楽しんでいます(笑い)」と言い、「女の子3人で遊びに行ったりするのもいいなと思ってうらやましかったりもします。とってもいいお母さんだと思うので、そういった部分は大事にやりたいなと思いました」と語る。
ステファニー役の大谷さんは「ステファニーはあのころ、小さすぎたこともあって、ずいぶん変わりました」と話し、「昔もダンスが好きだったり、DJとか音楽関係のことをやってみたいなど、昔から芸事が好きだというようなシーンがありましたが、それは引き継いでいるのでは」と感じたという。
そして、「体形が変わってしまっているので、演じるにあたって胸板の厚いところから出てくる響きは少し考えなければいけないなとは思いましたし、主婦とは違うズレをうまく拾っていけたらな、と」と役作りを説明する。
最近は声優が注目される機会がこれまで以上に増え、いわゆる“声優ブーム”といわれているが、大谷さんは「昔はテレビ放送にしても、たとえばNHKのように誰もがどの地域でも見られるものが中心でしたが、今は今回のようにNetflixをはじめ媒体も変わってきている」と言い、「YouTubeに(動画を)上げている素人さんが面白いと人気が出たりしていて、何をもってして人気があるのかを、私たちも把握するのが難しくなってきている」と持論を語る。
うなずきながら聞いていた坂本さんは「あるところでは爆発的な人気があるけど、一方ではまったく知らない人もいたり、すごくコアだったり細分化しているんじゃないかな、と。すみ分けされてきている感じがします」と同じような印象を持っていると話すと、大谷さんも「その人が好きなことによって(人気なのかどうかは)変わってくると思うので、そういう意味では、全員が全員知っている(ものが人気)という世の中ではなくなっている」と神妙な表情で語る。
すると伊藤さんは、「声優さんが歌手にとか、役者の世界にということもあるので、それはうれしい」と活動の幅が広がってきていることを喜び、「『フルハウス』メンバーの(スティーブン・ヘイル役の)高木渉くんも今ものすごい活躍をしていますし、山寺(宏一)くんにしても戸田恵子さんにしても、その(いろんな場所で活躍している)ことの方がうれしい」と笑顔を見せる。
現在、シーズン3の制作も決定している今作だが、シーズン1のDVDなどの映像作品が発売されることを、坂本さんは「DVDにならないのかというお声をたくさんいただいていたんです。本当にお待たせしました。楽しんで見てください」とファンの期待に応えられたことをうれしそうに話す。
伊藤さんは、「『フルハウス』『フラーハウス』ともに、素直なコメディードラマだと思います。家族の愛がいっぱいあふれていますから、小さい子でもお母さんでもお父さんでも、お年寄りでも本当に楽しく気持ちよく見られる作品だと思う」と言い、「ぜひ、DVDでご覧になっていただけたら、とてもうれしいです」とアピール。
「一度、視聴していても映像作品を持っていたいタイプ」の作品だという大谷さんは、「探そうとして探せる時代ですけど、存在を知らなければ探すことができないので、『フラーハウス』が配信されていたのをあとから知ったというお友だちにもDVDを見せて、あなたも買えばって誘ってください(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに言い、「そうやって裾野を広げていきながら、『フラーハウス』を応援していただければと思います」とメッセージを送った。
*……「フラーハウス <ファースト・シーズン>」コンプリート・ボックスは、4枚組み(全13話収録)で6000円(税抜き)。
<坂本千夏さんのプロフィル>
8月17日生まれ、東京都出身。主な出演作に、アニメ「フクちゃん」「それいけ!アンパンマン」「少年アシベ」「ハートキャッチプリキュア!」、劇場版アニメ「となりのトトロ」(1988年)、「デジモンアドベンチャー tri.」シリーズなどがある。
<大谷育江さんのプロフィル>
8月18日生まれ、東京都出身。アニメ「ポケットモンスター」シリーズのピカチュウ役や、「ONE PIECE」のトニートニー・チョッパー、「名探偵コナン」の円谷光彦の声などで有名。その他の主な出演作に、アニメ「熱血最強ゴウザウラー」「金色のガッシュベル!!」「スマイルプリキュア!」などがある。
<伊藤美紀さんのプロフィル>
10月21日生まれ、東京都出身。主な出演作に、アニメ「機動戦士Zガンダム」のミネバ・ラオ・ザビ役、「ドラゴンボールZ」の人造人間18号、「夏目友人帳」「マギ」「カードキャプターさくら」「銀魂」などがある。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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