テレビアニメ「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」などで知られる湯浅政明監督が手がけた劇場版アニメ「夜明け告げるルーのうた」が19日からTOHO シネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開される。独創的な映像表現で“鬼才”とも呼ばれる湯浅監督初の完全オリジナルの劇場版アニメ。少年と人魚の少女の出会い、少年の成長などが丁寧に描かれている。
ウナギノボリ
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寂れた漁港の町、日無町に住む中学生のカイが、人魚のルーと出会い、交流を深めることで次第に心を開いていく……というストーリー。「午前3時の無法地帯」などのマンガ家、ねむようこさんがキャラクター原案、「ガールズ&パンツァー 劇場版」などの吉田玲子さんが脚本を共同担当している。
まず、映像表現に驚かされる。湯浅作品は、独創的な映像が特徴の一つ。「ルー」でも、水が立方体状になって飛び出すなど奇抜な表現がある。迫力十分ながら、ほのぼのとした不思議な映像も見られる。人魚のルーや人魚化する犬など可愛らしいキャラクターが登場するので、子供も楽しめるだろう。
少年の成長という普遍的なテーマ。感動的だが、安易なお涙頂戴というわけではない。大人も子供も登場するキャラクターのそれぞれのエゴが見え隠れし、社会や人間関係などを丁寧に描いている。心理描写も繊細で、生々しさすら感じるほどだ。生と死など重いテーマもさりげなく描かれ、大人もいろいろ考えさせられるだろう。子供も大人もさまざまな視点で楽しめ、何度も見たくなる。
湯浅監督は、4月に公開された劇場版アニメ「夜は短し歩けよ乙女」も手がけ、「デビルマン」の新作アニメ「DEVILMAN crybaby」を制作することも発表されている。傑作連発の
監督、今後、ますます注目されそうだ。
女優の谷花音さんがルー、俳優の下田翔大さんがカイの声を担当。ほかの声優として篠原信一さん、柄本明さん、斉藤壮馬さん、寿美菜子さんらが出演する。(小西鉄兵/MANTAN)
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