この「GREAT PRETENDER インタビュー」ページは「GREAT PRETENDER」のインタビュー記事を掲載しています。
2020年に放送されたオリジナルアニメ「GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)」の続編「GREAT PRETENDER razbliuto(ラズブリウト)」がDMM TVで2月23日に配信をスタートした。「GREAT PRETENDER」は、自称“日本一の天才詐欺師”枝村真人が、悪人のみを標的とした天才詐欺師ローラン・ティエリーと出会ったことで世界を股に掛けたコンゲームに巻き込まれていく……というストーリー。新作は、前作にも登場したコンフィデンスレディのドロシーが、記憶をなくして再登場し、台北の黒社会に追われ、京都を目指すことになる。ドロシーに加え、台北の黒社会の若頭・江品爵(ジェイ)や、お調子者の自称“台北一の天才詐欺師”の楊崑義(アイ)など個性的なキャラクターが続々と登場する。ドロシー役の小松由佳さん、新キャラクターのジェイ役の武内駿輔さんに、同作について聞いた。
◇小松由佳がすごい!
--小松さんは新作で再びドロシーを演じることになりました。
小松さん ちょっとだけ登場するのかな?と思っていたら、メインだったんです! ローランの話が中心だと思って台本を見たら、前の方に名前が書いてあって(笑い)。あれ!?ってびっくりしました。本当にラッキーですね。ありがたかったです。
--武内さんは作品にどんな印象を持った?
武内さん 僕はハリウッド映画が好きでして、すごく僕好みなんです。米国から見たアジアを描くと、齟齬(そご)が生まれるものもありますが、この作品は日本で作っているので、アジアの魅力を正しく描き、ハリウッドナイズしたような雰囲気があります。すごく貴重な作品ですよね。
小松さん カラフルでポップですし、海外に向けて作っている雰囲気があるんですよね。ジャズの使い方もすごくいい。ジャジーなんだけど、グレーとか茶色のジャジーではなくて、すごくポップ、70Sみたいな使い方ですし、ファッションもイマドキで、細かいところを全部見ていても面白いんです。
武内さん キャラクターの描き方もいいんですよね。線が細いけど、硬く見えない。シャープさはあるんだけど、表情自体が柔らかくも見える。ドロシーに対して愛着がわきます。
小松さん みんな憎めないんです。キャスティングもすごいんです。リアリティーのあるお芝居をする方もいれば、アニメならではの艶っぽい声でお芝居する方もいます。そこがいい感じにミックスされています。このカップリング(小松さんと武内さん)もそうですよね。私の役割としては、意外性、ライブ感、グルーヴ感が求められていると思っていました。いわゆるアニメならではのお芝居はメインキャストの別の方がやってくれているので、ドロシーはちょっと色が違って、外し感が大事なキャラクターだと思っていました。前作もそうでしたし。
武内さん この前、僕と同世代の宮本侑芽ちゃんと「小松さんはすごい!」と話していたんです。小松さんは、アニメの表現にはあるけど、本来、人間ではあり得ない感情の変化を自然につなげているんですよね。
小松さん ありがとうございます!
武内さん 呼吸感がすごいんです。前のカットで息を吸って終わっていたはずなのに、次のカットでもう一回息を吸った上でしゃべっているみたいなことがアニメではあって、それをいかに自然にやるかが、声優のお芝居のポイントなのですが、それがすごいんです。
小松さん 武内さんや間宮さん(アイ役の間宮康弘さん)は私から見ると、本当に安定していて羨ましいんです。バラエティーに富み、エモーショナルなお芝居をされますし、安心しています。2人ががっちり受け止めてくれているから、ドロシーがフワフワできるんです。
--ドロシーのリズム感は独特にも感じます。
小松さん 外画で、黒人の女の子が首を横に動かしながら早口でしゃべることがありますが、前作の収録で、それをやってほしいというお話があったんです。グルーヴ感が大事でして、独特なちょっと不安定なしゃべり方を表現しています。
--武内さんがジェイを演じる中で意識したことは?
武内さん 先輩の小松さん、間宮さんに付いていこう!と収録に臨みました。その中で、いい意味での抜け感は持っていたいと感じていました。例えば、誰かがしゃべって、僕のせりふまで2秒の間があったとして、人間のリアルとしては2.5秒の間だろうと感じたら、少しずらしてみたり、人間の呼吸感を大事にしたかったんです。尊重していただき、皆さんにカバーしていただいてできたことですが、完成した映像を見て、チャレンジしてよかったと感じました。
◇最近、だまされた!
--台本を読み、アニメを見てだまされた!と感じたことは?
小松さん 完全にだまされました。1話ごとに台本をもらったので、先が読めませんし、心地よくだまされていました。
武内さん 林は味方なのか敵なのか分からなかったですよね。細かいだましがあって、それがつながっていたり、そんなことある?となったり。
小松さん そうそう。結果的に、役者としては最後がどうなるか知らないまま収録できたことがよかったのかもしれません。
武内さん もしかしたらそういう取り組みだったのかもしれません。
--お話できる範囲で最近、だまされた!となったことは?
小松さん だまされたわけではないのですが、やってしまったことがありました。昨年末に海外旅行に行ったんです。エスタ(電子渡航認証システム)のことを忘れていて、行きの飛行機に乗れなかったんです。チケットを取り直して、「帰りはキャンセルしないでください」と電話をしておいたんです。もうそれでリコンファームも終わっているわけですから、帰りは悠々と空港に行ったのですが、「お客様のご予約のチケットはありません」と言われて……。いやいや、ちゃんとリコンファームもしたし、いやあるはずだから!と言ったのですが、どうやら行きも帰りもキャンセルになっていたんです。私のミスで、電話対応した人の名前もちゃんと聞いていなかったので、どうにもならなくて、倍以上お金がかかってしまいました。片言の英語だったのもよくなかったんですけど……。旅行は楽しかったです。皆さん、エスタには気を付けてください! インチキサイトもあるので!
武内さん 僕はワンちゃんを飼っていて、おなかがすいたら、お皿をカリカリするんです。「まだ食べてません」という表情でカリカリするもんだから、まだだったかな?と思って、エサをあげたら、実はさっき食べていた! ワンちゃんの演技力がすごくて、だまされています。
--最後にアニメを楽しみにしている人にメッセージをお願いします。
小松さん 見どころだらけです。今回は日本と台湾が舞台で、行ったことがある人もない人も、ご旅行のプランには非常に役に立つはずです。それも見どころの一つだし、本当にキャラクター、キャストが個性的で芸達者で、みんな魅力的です。お気に入りのキャラクターがきっと見つかります。誰をだましているのかを考えながら楽しんで見てください。
武内さん 見やすい作品ですし、ぜひ気軽に楽しんでほしいです。ただ、通勤時間に見たら、仕事中に先が気になって仕方がなくなるかもしれませんね(笑い)。ぜひ、再生していただけると、見たことのない世界、どっぷりハマる魅力的なアニメが皆様を待っているので、ぜひ見てください!