有限会社竹田ブラシ製作所1本20万円超の特注品も。1947年創業の竹田ブラシ製作所では、社長自らが顧客と対話し、1本からの特注品を製造。化繊主流の化粧筆市場で、天然毛の特性を活かした品質重視のものづくりが支持されています。

顧客と共に作り上げられる一点物のオーダーメイド化粧筆。
広島県熊野町の化粧筆専門メーカー・有限会社竹田ブラシ製作所(本社:広島県安芸郡熊野町、代表取締役:竹田康洋)は、
海外の化粧筆コレクター市場の拡大を背景に、2026年5月期の
海外売上比率が50%に達する見通しとなりました。
メイクブラシ業界では化学繊維が主流となる中、当社は
天然毛の個性を最大限に引き出す少量生産と一貫生産を続けています。近年は、
海外の愛好家から、1本単位の特注依頼が寄せられるようになりました。特注対応では、
社長自らが英語メールで顧客と直接対話する独自の体制が、「自分の理想を形にできる」「他では得られない体験」としてSNSや海外コミュニティを通じて口コミが広がりました。
当社において特注品の受注は、新しい化粧筆の可能性を探る開発の一環と位置づけています。今後も職人の経験と技術を礎に、流行や効率に左右されず、道具としての品質と機能性を重視した化粧筆づくりを続けてまいります。
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有限会社竹田ブラシ製作所公式サイト
近年、メイクブラシ業界では
化学繊維(人工毛)が主流となっています。
獣毛の高騰や入手の困難化に加え、
化学繊維の品質安定と安定供給の観点から、多くの化粧品メーカーが化繊ブラシへと移行しています。現在では、著名な化粧品ブランド各社でも、天然毛を扱う商品は激減しました。日本最大の化粧筆産地である熊野でも、近年は化粧品市場の変化に伴い、化学繊維ブラシの需要が増えています。
そのような状況の中で、竹田ブラシは一貫して
天然毛にこだわった化粧筆を作り続けてきました。天然毛は、太さやコシ、毛先の強さ、重心、ちぢれ、そして化粧を含む力など、それぞれが
個性豊かな素材です。その個性を活かすことで、化粧において
グラデーションを持った表現や、繊細なコントロール性、メイクの仕上がりの質感や色などの表現に幅を持たせることができるのです。
しかし、天然毛を扱うには、経験に基づく確かな目利きと多くの手間が不可欠です。竹田ブラシでは独自の製法を発展させ、
天然毛ならではの性能を最大限に引き出す製品づくりを続けています。

原料毛の個性を活かした様々な形状のアイシャドウブラシ
当社の近年の海外売上は、確実に増えており、2024年5月期には全体の14.8%まで一旦落ち込んだものの、2025年5月期には30.5%へと大きく増加しました。さらに
2026年5月期は50.6%に達する見込みで、売上全体に占める海外比率は約半数を超える水準となっています。 総売上が海外売上に押し上げられる形で伸長しており、需要構造が国内中心から海外富裕層へとシフトしてきました。
顧客は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に、中東、オーストラリアなど世界各国に広がっています。 これらは定番品だけでなく、毛の種類や形状を細かく指定する特注品の依頼が中心で、
個人顧客や再販業者からの直接注文です。


海外では
化粧筆を対象とするコレクター市場があり、近年は特に
日本の天然毛化粧筆に注目が集まっています。希少な原料毛やユニークな形、蒔絵などの装飾性の高い軸などを求め、海外のコミュニティやSNS上で活発に情報交換が行われています。日本の化粧筆市場に着目し、世界各国で販売する再販業者も存在します。
こうした動きの中で、竹田ブラシが
1本からの特注製作に対応していることが口コミで広がり、
世界各国からオリジナルの化粧筆製作の依頼が寄せられるようになりました。

広島熊野で行われる年に一度の筆まつりでは訪れる外国人が年々増加している(2025年の様子)
特注費や国際送料を含めると高額になりますが、「品質が飛び抜けている」「コレクションに欠かせない」「いつか特注品を依頼したいブランド」としてたびたび名前が上がると聞きます。中には、
1本20万超の化粧筆を依頼する顧客や、
数十本単位で収集する愛好家も多く存在します。また特注品には、竹田ブラシの製品と分かるよう、
軸にロゴと漢字で「竹田」と刻印を希望する仕様が増えています。これは海外の愛好家がSNSで投稿する画像を通じて自然に広がったものです。
海外ユーザーにとって、ブラシの毛の種類、形状・用途などを細かく指定できるメーカーは珍しいらしく、「自分のアイデアを実現できるのは魔法のようだ」といった感想も耳にします。
SNSでは世界各国のユーザーによる化粧筆コレクションを紹介する投稿が活発で、カスタム事例が共有されています。

軸にロゴと漢字で「竹田」と刻印する仕様が人気

特注品の一例。パリで活躍する著名なメイクアップアーティストからの依頼。

特注品の一例。

特注品の一例。1本20万円以上する特注品も。
海外からの特注依頼は年々増加しています。その背景には、
1本からの特注に対応できる化粧筆メーカーがほとんど存在しないことがあります。竹田ブラシでは海外向けのECサイトや正規の代理店を設けておらず、海外からの注文は、仕様の決定権を持つ
社長が直接やり取りを行っています。常時5件前後の海外顧客との相談を並行して進めています。こうした体制は決して効率的とは言えませんが、個別の要望に細かく対応できる理由にもなっています。

代表取締役 竹田 康洋(3代目社長)
やり取りは主に英語のメールで行われます。化粧筆の形状や使用感のイメージをどこまで具体的に共有できるかが顧客満足度を大きく左右するため、社長自身が原料毛の特徴、軸や金具の口径、構造などを踏まえながら、顧客の希望に近い形を提案し仕様をまとめていきます。
顧客からは頭の中で描いた感覚的なイメージをもとにリクエストが寄せられますが、原料毛の特性に適さない形状や、実用性に乏しい設計、非合理的な精度を求められる場合もあります。その際には、なぜ実現が難しいのかを原料毛の性質や構造面から説明した上で、現実的な仕様へと調整していきます。

特注品制作の流れ
調整には細かなニュアンスを英語で伝える必要があり、高い精度のコミュニケーションが求められます。顧客が求める理想と、原料毛の特性や実用性との間で折り合いがつかず、調整が難航するケースもあります。その場合は、仕様の背景や制約を丁寧に説明しながら理解を得ていきます。このような過程を通して、
顧客とともに一本の化粧筆を作り上げていく体験そのものが、特注品の価値と満足度へとつながっているのです。中にはやり取りを重ねて仕様を固め、見積もり提示まで進んだ段階で注文を取りやめたり、そのまま連絡が途絶える顧客もいます。こうしたプロセスには時間と労力と胆力を要するため、作り手へのリスペストと理解が必要不可欠と考えます。
日本最大の筆産地である熊野では、
工程ごとに分業する生産体制が発展してきました。問屋制のもと
効率的で質の高い大量生産を可能にしてきたことが、現在の産地の規模とシェアを支えています。化粧筆の分野においても、大手化粧品会社向けのOEM製造を中心とした、分業による効率的な生産が主流となっています。団体商標として登録されている「熊野筆」は、現段階では定義された共通の品質基準はなく、熊野地域で製造された筆を各社が自己申告により登録する形態の地域ブランドです。素材や製法に統一された基準はなく、天然毛だけでなく化学繊維を含む幅広い筆が対象となっています。
竹田ブラシも熊野筆登録事業者ですが、「熊野筆」という地域ブランド名に依存せず、品質と機能性を評価されるものづくりを志とし、
世界のTakedaBrushとして信頼される存在を目指しています。

穂先製造部門
竹田ブラシでは
穂先の精度や毛質に独自の厳しい基準を設け、効率化よりも精度を優先し、
少人数による一貫生産体制をとっています。工場は本社のみで、穂先製造を担当するのは、3名の職人と社長です。他社への製造委託は行っていません。すべての穂先は、社長が検品を行います。工程ごとに逆毛やスレ毛を取り除き、形状の精度をできるだけ高めていきます。
こうした体制のもと、特注品の製造を担当しているのは勤続24年のベテラン職人です。社長の指示を受け、限られた道具を駆使しながら、毛量や形状のバランスを見極め、顧客の求める理想に少しずつ近づけていきます。こうした工程は機械化が難しく、長年の経験を持つ職人の感覚に支えられています。特注製作は、社長と職人の間で蓄積された共通認識、原料毛の特性への理解、技術の向上の積み重ねが不可欠です。
特注品は、トレンドやニーズの把握とともに、
新しい化粧筆の可能性を探る実験的な役割も担っており、通常製品の開発にも活かされています。

コマを使い分けて穂先の形を作る

社長による検品。さらなるスレ毛の除去と形状の精度の確認を行う。

軸を接着し仕上げをする
化粧筆に使われる天然毛の多くは、食肉用家畜の副産物や、狩猟・害獣駆除などの過程で得られる資源です。本来であれば
廃棄されてしまう素材を、道具として活かしてきたのが筆産業の歴史でもあります。現在の化粧道具の多くは大量生産品を短いサイクルで買い替えることが前提となっていますが、竹田ブラシの化粧筆は、適切に手入れを行うことで
10年以上使い続けることが可能です。
長く使うという選択そのものもまた、持続可能性の一つではないかと考えています。
海外からの関心が高まっている一方で、こうした需要は世界の景気や為替、関税などの影響を受けやすく、決して安定したものとは言えません。だからこそ、日本で生まれた道具の価値を、日本の消費者にも改めて知っていただきたいと考えています。近年、日本でも消費環境が変化する中で、
丁寧に作られた良品に自ら価値を見出し、長く愛用するという価値観が若者世代にも広がりつつあります。竹田ブラシの化粧筆をきっかけに日本の天然毛化粧筆が、国内でも見直されるきっかけになればと願っています。
有限会社竹田ブラシ製作所は、1947年に、筆の町、広島県
熊野町で化粧筆専門メーカーとして誕生。「世界初の新しさ」を理念に製品づくりを続けてきました。創業当初は国内卸向け製品の製造からスタートし、1950年代にはいち早く海外市場へ進出。1970年代には、通商産業大臣より輸出貢献企業として二度の表彰を受けています。その後は国内外の著名化粧品ブランド各社のODM製造を手がけながら、独自の金型開発と新しい形状の開発を進めてきました。

国民栄誉賞副賞として贈られたセット
大量生産の時代を経て、現在は自社ブランドを国内外の顧客に直接届ける販売スタイルへと移行。近年は「世界一の品質」を志し、混毛に頼らない
単一種天然毛の化粧筆に特化し、天然毛の特性を最大限に活かす少量多品種に対応した製法を採用しています。通常ラインナップは、
日常のメイクアップブラシから舞台化粧などに用いられる日本化粧刷毛まで800種類以上に及びます。
2011年には、
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が国民栄誉賞を受賞した際、その副賞として竹田ブラシの化粧筆が贈られました。

1989年に開発したラウンド型リップブラシは現在も看板製品

世界初「蓋付携帯用チークブラシ」国際特許2種 取得
[社名]有限会社竹田ブラシ製作所
[担当者]竹田 理恵
[電話番号]082-854-0144(受付時間9時~17時)
[メールアドレス]takeda_rie@takeda-brush.com
[ホームページ]
http://takeda-brush.com/index.html
[オンラインショップ]
https://takeda-brush-shop.com/
[Instagram]
https://www.instagram.com/takedabrush_official/
【会社概要】
[社名]有限会社竹田ブラシ製作所
[本社所在地]広島県安芸郡熊野町4-8-1
[常設店舗]新宿高島屋1F
[代表取締役]竹田 康洋
[事業内容]化粧筆の製造販売
[設立]昭和22年1月(法人化 昭和39年3月)

竹田ブラシ本社・工場

新宿高島屋1階 竹田ブラシ常設店舗
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