7月17日に公開されるスタジオジブリの新作劇場版アニメ「借りぐらしのアリエッティ」(米林宏昌監督)の劇中のカット5点が、このたび披露され、アリエッティが生きる小人の世界観が明らかになった。
ウナギノボリ
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今回、公開されたカットは、病気の療養のために母の育った古い屋敷にやってきた12歳の少年・翔を描いた「出会い・翔」、14歳の小人の少女アリエッティが父ポッドと母ホミリーと床下で暮らす様子を描いた「アリエッティ一家」、床上に住む人間たちのものを“借り”に行くアリエッティのうれしそうな表情を描いた「借りへ」、身長10センチのアリエッティが床下の通気口を歩く姿を描いた「床下を歩く」、ナウシカを彷彿(ほうふつ)とさせる顔つきのアリエッティの横顔を描いた「横顔のアリエッティ」の5枚。
36歳とスタジオデジブリで最年少監督となる米林監督に対して、鈴木敏夫プロデューサーは「スタジオジブリで一番うまいアニメーター」と評し、今回は企画・脚本を担当している宮崎駿さんも全幅の信頼を寄せているという。鈴木プロデューサーは今回公開された画像について「(アリエッティは)対極に見えながらもナウシカと同じように時代が必要とするキャラクター」と表現している。
「借りぐらしのアリエッティ」は、メアリー・ノートンさんが書いた英国の児童文学「床下の小人たち」を40年以上前に読んだ宮崎さんが企画し、脚本も手がけた。郊外の荒れた庭のある広大な古い屋敷の床下に、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、両親と3人でひっそりと暮らしていた。一家は、屋敷の床上に住む2人の老婦人に気づかれないように、少しずつせっけんやクッキー、電気、ガスなど、自分たちの暮らしに必要なものを、必要な分だけ借りて暮らしていた。ある夏の日、その屋敷に病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。人間に見られたら引っ越さないといけない。それが床下の小人たちのおきてだったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいていくが、アリエッティの家族に大きな事件が迫る……というストーリー。
アリエッティ役の志田未来さん、少年・翔の神木隆之介さんをはじめ、母ホミリーの大竹しのぶさん、父ポッドの三浦友和さん、翔のおばあさんの妹・貞子役は竹下景子さん、翔が暮らす家のお手伝いさん・ハル役は樹木希林さんのほか、藤原竜也さんなど、豪華声優陣も話題だ。
4月17日から発売されている前売り券の劇場販売数は、前売り券特典のアリエッティ「ミニ本」の効果もあり、6月13日の時点で5万4405枚を売り上げ、前作「崖の上のポニョ」(08年)に比べ307%と好調な売れ行きを見せている。映画は6月末に完成する予定で、7月17日から全国東宝系でロードショー。(毎日新聞デジタル)
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