谷原章介:6年ぶりの舞台に「濃密な世界作りたい」 「こどもの一生」

撮影:引地信彦
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撮影:引地信彦

 俳優の谷原章介さんの6年ぶりの舞台となる「こどもの一生」の最終リハーサルが3日、東京・渋谷のパルコ劇場であり、主演の谷原さん、共演の中越典子さんらが登場。谷原さんは「初日から地方最終日まで濃密な世界を作りたいと思います。一座で一月の間流した汗を劇場で確かめてください」と呼びかけた。

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 「こどもの一生」は、演出家のG2さんが作家の中島らもさんに「“今”という時代を切り取った舞台脚本を書いてほしい」と依頼して作られ、90年に初演され、その後何度も再演された人気のホラーコメディー。“こども返り”という特異な治療が行われている瀬戸内海に浮かぶ孤島のクリニックが舞台で、マスコミや債権者から逃れるためにクリニックを訪れた会社社長の三友(吉田鋼太郎)と三友の横暴に耐える秘書の柿沼(谷原さん)が“こども返り”に参加し、“こども”に返った患者たちがある遊びを思いついたことをきっかけに恐ろしい出来事が巻き起こる……。ミステリアスな医者役の戸次重幸さん、看護師役の鈴木砂羽さんをはじめ、中越さん、山内圭哉さん、笹本玲奈さん、玉置玲央さんら実力派俳優陣が出演する。

 初舞台もパルコ劇場だったという中越さんは「とても大好きな空間です。久しぶりにこの空間に立てるのが楽しみ」と語り、「らもさんのパラレルワールド。ハチャメチャですが、めちゃくちゃ面白く、そして体力が必要です。G2さんの演出は今回に限らず、毎回細かいディテールやトーンなど繊細な表現を求められるので、体が慣れるまでに時間が掛かりましたが、非常に勉強になります。コメディー?ホラー? 不思議な世界を存分に味わえます」とアピールした。

 また、G2さんは「新しい映像機材、初めての振付師、そういう舞台を経験したことのない若い俳優らとぶつかりあっていい刺激になりました。その刺激の新鮮さが舞台にのっかっていれば幸せです」と語り、「出演者はみんなキャラクターの豊富な方で、いい意味で『不良』が集まったと実感しています。そのキャラクターぶりがしっかり発揮できれば、この作品の役割の半分は果たされたことになるでしょう。あとの半分は物語が持つホラー性です」とキャスト陣への期待を寄せて、「とにかく『お話』が面白い舞台です。新しくリメークしましたが、根本は変わっていません。これ見逃すとほんの少しですが人生の損失になりますよ」と自信をみせた。

 舞台「こどもの一生」は、4~25日のパルコ劇場を皮切りに、27~29日に梅田芸術劇場(大阪市北区)、12月2日にキャナルシティ劇場(福岡市博多区)、同3日に岡山市民会館(岡山市)、5日にアステールプラザ(広島市中区)、12日に中日劇場(名古屋市中区)、16日に越前市文化センター(福井県越前市)の全国7劇場で上演される。(毎日新聞デジタル)

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