話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、特撮好きの女性会社員が主人公の丹羽庭さんの「トクサツガガガ」です。「ビッグコミックスピリッツ」編集部の寺澤広蔵さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−この作品の魅力は?
このマンガは、特撮が大好きな26歳の女性会社員、仲村さんが主人公のコメディー作品です。ただ、自分が特撮オタクであることを会社の同僚には言えずに、隠れ“特撮オタク”として暮らしています。好きだからこそ、なかなか周囲に言えない! でも、特撮ヒーローの言葉を胸に“特オタ道”を突き進んでいきます。
特撮番組って子供向けの番組だからこそ「優しい大人になりなさい」という、大人になってハッとするメッセージが込められているんです。オタクあるあるネタも満載で、「分かる分かる~!仲村さんは自分だ!!」という共感の声も多いのですが、仲村さんの行動に泣けたという声も結構あって、まさに笑って泣ける作品です!
−−作品が生まれたきっかけは?
マンガのテーマは作者の方が、どんなものが好きなのかということから始まることが多いのですが、作者の丹羽庭さんが、「特撮が好きなんです」とおっしゃったことからすべては始まりました。とても覚悟がいったようで「ナマコが内臓をはく覚悟」だったそうです(笑い)。好きなことがなかなか打ち明けられない気持ちが面白いと思ったので、それをテーマに執筆をお願いしました。打ち明けていただいてよかったです(笑い)。
−−作者はどんな方なのでしょうか?
もちろん、特撮がとてもお好きな方です。現在の特撮番組も過去作もいろいろとご覧になっていて、ヒーローショーにも足を運ばれているようです。一つお気に入りを挙げるとすれば「特命戦隊ゴーバスターズ」だとおしゃっていましたね。
−−編集の際、苦労した点、面白かったエピソードを教えてください。
マンガの中では、架空の特撮作品が多く登場しますが、設定やコスチュームデザインなどすべて丹羽さんが作ってらっしゃいます。いろんなバリエーションがあって、一つ一つ凝っていて、すごいなと思います。ネタやストーリーの切れ味もとても鋭いので、ネタの提案など編集としてはあまり苦労はありません。強いて言えば、丹羽さんがとても声の小さな方なので、打ち合わせの際に、耳の集中力がいることくらいです(笑い)。
−−今後の展開は?
第1集の帯の推薦文に、オタクカルチャーをテーマにした名作「げんしけん」の木尾士目先生から「仲村さんの一歩一歩が、僕等の道標です」という言葉をいただきました。好きなことを隠しながら生きていくのは、周囲とのコミュニケーションや付き合いが難しい時もあります。これから仲村さんがどう向き合っていくのか、私も見守っていきたいなと思います。もちろん、特撮を楽しむ仲村さんの特撮ライフもより楽しく、面白く展開されると思います!
−−読者へ一言お願いします。
単行本第2集が30日に発売です。今回は、オタ友(オタクの友達)と“オタクの聖地”を満喫したり、自宅の化粧台に“巨大ロボ・フィギュア”を飾って悦に入ったり、オタクライフますます快調です! ぜひお手にとって見てください!
週刊ビッグコミックスピリッツ編集部 寺澤広蔵
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