今週シネマ:8、9日公開の映画「脳内ポイズンベリー」「百日紅~Miss HOKUSAI~」「ブラックハット」…

「脳内ポイズンベリー」のワンシーン (C)水城せとな/集英社(C)2015 フジテレビジョン 集英社 東宝
1 / 1
「脳内ポイズンベリー」のワンシーン (C)水城せとな/集英社(C)2015 フジテレビジョン 集英社 東宝

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。8日には、「アベンジャーズ」シリーズのマイティ・ソー役でおなじみのクリス・ヘムズワースさんの主演作「ブラックハット」(マイケル・マン監督)が公開。9日には、真木よう子さんが主演する「脳内ポイズンベリー」(佐藤祐市監督)、杉浦日向子さんのマンガ「百日紅(さるすべり)」が原作の劇場版アニメ「百日紅~Miss HOKUSAI~」(原恵一監督)などが公開される。

ウナギノボリ

 「脳内ポイズンベリー」は、水城せとなさんの同名マンガが原作で、携帯小説家のアラサー女性が、年下と年上、2人の男性との関係に悩みながら、自身の生き方を見つけていくまでを描くラブコメディー。人の頭の中には思考を司る“小人たち”が“住んで”いて、彼らの“脳内会議”によってその人物の言動が決まるという突飛なストーリーに加え、赤いニット帽をかぶり、ほわっとした風貌でキュートなコメディエンヌぶりを発揮していたかと思うと、驚くようなコスチュームで現れ、全く異なる表情を見せる真木さんの“一人2役”が見られるのも今作の大きな魅力だ。

 「百日紅~Miss HOKUSAI~」は、映画「クレヨンしんちゃん」シリーズや「河童のクゥと夏休み」などで知られる原監督とProduction I.Gが初めてタッグを組み、葛飾北斎の娘で浮世絵師のお栄を主人公に、北斎や仲間たちとのにぎやかな日々や交流を江戸の四季を通して描いている。浮世絵を2Dアニメで表現し、江戸の街並みや建築物などには遠近法を利かせた3D描写を織り交ぜることで、質感や奥行きを絶妙なバランスで描くことに成功。お栄が描き出す龍や北斎が描く波が動き出すシーンなどは圧巻だ。お栄の声を女優の杏さん、北斎の声をアニメ声優初挑戦の俳優の松重豊さんが担当するなど、豪華キャストの参加も話題を集めている。

 「ブラックハット」は、「ヒート」(1995年)「コラテラル」(2004年)のマン監督の5年ぶりの最新作で、米中の合同捜査チームと謎のネットワーク不法侵入者(ブラックハット)との攻防が、米国からアジア、世界を股にかけて繰り広げられる。物語は、ヘムズワースさん扮(ふん)する、ハッキング罪で投獄中の天才プログラマー・ハサウェイが、自分が開発したプログラムを応用して世界を脅威に陥れているハッカーを追うという構図で、マン監督作ならではの現実世界への深い洞察も練り込まれ、重厚な作品に仕上がった。

 そのほか9日には、作家のゲッツ板谷さんの自伝的小説を基に実写化した「ズタボロ」(橋本一監督)、2015年に35周年を迎える「劇団☆新感線」の人気舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」シリーズの「蒼の乱」(作・中島かずきさん、演出・いのうえひでのりさん)、BBCアースがピクサーの協力を得て製作し、日本語版ナレーションを俳優の斎藤工さんが務める「小さな世界はワンダーランド」(マーク・ブラウンロウ監督)が公開される。

映画 最新記事