井上真央さん主演のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で、小田村伊之助を演じている大沢たかおさん。小田村は後に主人公・美和(井上さん)の夫となる今作の重要人物で、第1話から登場している。クランクインから約1年がたち、「変化は特にないですね。葛藤はありますけれど。熱い思い、ぶれないところを最後まで通したい」と話す大沢さんに、撮影や今後の見どころを聞いた。
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「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰の妹・文(ふみ)が主役のオリジナル作品。7月にスタートした“大奥”編では、長州藩の奥御殿が舞台となり、文は美和と名前を改め、斬新な意見で奥御殿を変えていく姿が描かれている。
小田村は、吉田松陰の親友で、薩長同盟の成立のために駆け回るなど藩に貢献した人物。明治維新後は、長州の元兵士が内乱を起こしたことに責任を感じ、政治から身を引いて、農業に従事するが、木戸孝允らの熱心な誘いがあり、群馬県令(知事)となる。6日放送の第36回では楫取素彦(かとり・もとひこ)と名を改める。
小田村は木戸や高杉晋作ら、ほかの長州藩の幕末の志士と比較すると知名度が高いとは言い難い。大沢さんは、小田村を演じることについて「難しいですね。資料が少ないので、どうとでもとれる。怖いところでもあるので、気をつけている。日々、葛藤しています。英雄ではないけど、そこを意識して丁寧に演じたい」と役柄への思いを明かす。
小田村は明治維新後、農業に従事する。大沢さんは農作業シーンの撮影にも挑戦しており、「毛利家(長州藩)のナンバー2までいったのに、農作業をしていて……。モニターを見たら、おばさんみたいな姿だった。(自分は)子供っぽい面があるので『こんな姿、イヤだ』と言った」と冗談を交えながら語る。
小田村の最初の妻・寿を演じるのは優香さんだ。大沢さんは、優香さんとの夫婦の演技について「史実でも夫婦仲がよかったようなので、少ない共演シーンもそこは意識して、大事にしたいと思っている。優香さんともいい状態が続いています」と話す。
“座長”である井上さんについては「真面目でひたむき。あんなに体も小さく、若い子が頑張っているから、大人たちが奮起する。安定していて、初日に会った時から印象が変わらないんですよ。せりふが抜けるのも見たことがない。現場が落ち着いている。そういう空気になるんです」と絶賛する。
今後の展開について「これまでは、何かを壊すエネルギーで進んでいたが、何かを作り上げていく段階に入るのが面白い。歴史は好きだけれど、知らなかったこともあり、見ていても面白いですね。大事なシーンが多くなります」と説明する大沢さん。ドラマでは今後、明治維新という歴史が大きく動いた後の日本が描かれる。激動の時代を生きた小田村、改め楫取を演じる大沢さんの演技にも注目したい。
大河ドラマ「花燃ゆ」は、NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。
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