「機動警察パトレイバー」シリーズの実写化プロジェクトの劇場版長編「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」(押井守監督)ディレクターズカット(DC)版が10日、公開される。5月に公開された映画に27分の映像が追加され、“パトレイバーらしさ”をより楽しむことができる。
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「機動警察パトレイバー」は、歩行式の作業機械「レイバー」が実用化された近未来を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かう警視庁の特科車両二課中隊(特車二課)の活躍や泉野明ら隊員の日常を描いたSF作品。1988~94年にマンガ誌「週刊少年サンデー」(小学館)でゆうきまさみさんのマンガが連載されたほか、テレビアニメやOVAなどのメディアミックスも展開された。
実写版長編「首都決戦」は、2014年4月~15年1月にイベント上映された全7章のシリーズに続くストーリーで5月に公開された。押井監督が手がけた93年公開の劇場版アニメ「機動警察パトレイバー2 the Movie(パト2)」の後日談でもあり、13年前に東京でクーデターを企てた元自衛官の柘植行人のシンパが、熱光学迷彩によって姿を消すことができる最新鋭の戦闘ヘリコプター(通称グレイゴースト)を使って東京でテロを起こす。「パト2」を彷彿(ほうふつ)とさせるシーンも登場し話題になった。
DC版で追加されたのは、グレイゴーストのパイロット・灰原零(森カンナさん)のシーンや特車二課メンバーの日常を描いたシーンだ。押井監督は今回、公開されるDC版をまず製作したが、諸事情によって27分の映像がカットされたものが5月に公開されたという。特車二課の日常シーンは、全7章のシリーズやアニメでもファンにはおなじみということもあり、DC版はより“パトレイバーらしさ”を楽しむことができる。何を考えているのか分からない灰原は追加シーンによって、キャラクターとしての深みが増した印象だ。
今年は押井監督の実写映画「東京無国籍少女」も公開されたが、個人的に実写だけでなく、長編アニメの新作も久しぶりに見てみたい。今作を見て、映像への細部へのこだわりなどに圧倒されながら、改めてアニメにも思いをはせた。10日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/毎日新聞デジタル)
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