ガッチャマンなどアニメ制作会社「タツノコプロ」の4大ヒーローが集結するアニメ「Infini-T Force(インフィニティフォース)」の劇場版「劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ」(松本淳監督)が24日、公開される。近年、フルCGで制作されたテレビアニメが増えつつあり、「Infini-T Force」もまたCGで制作。「スターシップ・トゥルーパーズ」の新作で公開中の「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」(荒牧伸志監督、松本勝監督)もリアルなCG表現が話題になっている。話題のCGアニメを手がけた松本淳監督、荒牧監督、松本勝監督の3人にCG表現の可能性、未来などについて聞いた。
ウナギノボリ
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荒牧監督 「Infini-T Force」は最初、ルック(CGモデルの見た目)が面白いと思った。CGアニメは、僕らはフォトリアルでやっているけど少数派で、(マンガ、アニメ的な表現の)トゥーンか多い。どちらでもないところを目指している。最初にルックを見た時は成立するのかな?と思ったけど、見ていると気にならない。
松本勝監督 テレビシリーズは背景が手描き風が残っていたけど、劇場版はそうではないようですね。それと、思っていた以上にSF色が強い。
松本淳監督 テレビのワークフローで劇場版も作りました。テレビよりもSFっぽいのは僕の希望だったんです。オーソドックスなSFのスタイルで、僕の世代のファンが喜ぶことを考えていました。タツノコのヒーローは、SFっぽいのが魅力ですし。テレビは(ヒロインの界堂)笑の心の中の世界を描いている面もありますよね。
松本淳監督 日本のアニメと海外のアニメが同じくらい好き。一時、アニメ制作者の中でディズニー批判があって、僕よりも下の世代があまり見なくなった時期があったんです。僕は、子供の頃からディズニーが好きで、ライティングの表現が素晴らしく、日本でもやりたいな……とは思っていたけど、やりにくいところがあったんです。でも、CGはいろいろなライティングができる。それが本当にうれしかった。ライト、カメラワークはいろいろなことができることは感じました。カメラの動きが難しかったのですが……。予想以上に見えてしまうところがあったり、見せようとしたところが見えないこともあったりして……。
荒牧監督 キャラクター、背景、エフェクトを別々にチェックするので、まとめてみると考えていたものと違ったりもすることがありますしね。想像しながら、徹底的にアタリを付けるようにしています。
松本淳監督 僕のコンテは実写っぽいと言われるんですよ。
荒牧監督 引きが多いですよね。
松本淳監督 モーションキャプチャーをした時の迫力を生かしたいとは考えていました。
荒牧監督 モーションキャプチャーの現場はいかがでした?
松本淳監督 僕は普段、レイアウトを5ミリずらすのも一日考えたりするので、判断が早いなあ……と感じました。俳優さんが、僕の引き出しにない芝居をしてくれることもあって、それに救われたところもあります。
荒牧監督 リアルにするか、手描きアニメのようにするのかを作品によってテイストが選べるようになってきた。
松本勝監督 技術は日進月歩で、何かブレークスルーがあれば、また変わっていくこともあるでしょうし。
荒牧監督 キャプチャーしたものが、ファイナルに近い形ですぐに見えるようになれば、表現も変わってくるかもしれません。
松本勝監督 キャラクターをリアルにしていくと、ちょっとした動き、顔の表情もリアルにならないと違和感がある。静止画では何も感じなくても、動くと違和感があったりもします。見た目と動きのレベルをどの程度そろえるのかが問題。コントロールできるとは思います。
松本淳監督 ピクサーの「Piper」を見ると、羽毛や水の表現はリアルだけど、キャラクターはマンガっぽい。リアルとリアルじゃないものの融合のセンスがいいんですよね。作り手側のさじ加減が試されるようになると思います。ほかのジャンルの人のセンスが入ってきた時に面白いものが生まれるんじゃないかな?とも思っています。そこに興味がありますね。リアルタイムでいろいろなことができるようになると、専門知識がない人が面白い表現を生み出していくかもしれません。
松本勝監督 CGは道具なので、どう使うのか? そこなんですよね。
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